生活や町並みに、活気や華やかさを与えてくれる植物。「日本の植物学の父」と呼ばれる日本が誇る植物学者・牧野富太郎氏の生まれた4月24日は、「植物学の日」に制定されています。
今回は、「植物学の日」にちなんで、植物がテーマの漫画を4選ご紹介します。人間と植物の関係性を改めて考えさせられる『イーフィの植物図鑑』や、サスペンスが見どころの人気作、公園にある植物を紹介した学べるエッセイ漫画まで幅広くピックアップしています。細部まで丁寧に描かれた綺麗な花々や植物もお楽しみください！
目次
ファンタジーの世界を彩る おすすめの植物漫画
植物が起こす不思議な現象に、妖精が宿る草……。作品の世界観をより鮮やかに引き立てる、おすすめのファンタジー植物漫画を2作品ご紹介します。
グリーンフィンガーズの箱庭
不思議な植物や人の紡ぐ想いを解き明かす──。透明人間の植物学者と大学生アルバイトの、奇妙な植物たちにまつわる物語、開幕！レコード店の閉店に伴い、新しいアルバイト先を紹介された旭。それは大学の裏山にある、大きな屋敷に住んでいる’少し変わった植物学者’のお手伝いをするというもの。だが、屋敷に向かう途中、一本道の山中でなぜか迷子になってしまう。じつは旭は幼少期にも不思議な経験をしていて……。見えない優しさに、人の願いと想いが交錯する──。これは、とある奇妙な植物学者と、奇妙な植物たちの物語。単行本でしか読めない、描き下ろし16Pを収録！【電子書籍限定特典】・描き下ろし漫画・SNS等に公開したイラスト・未公開イラスト※公開状況は2021年12月時点のものです【担当編集より】いろいろとネタバレになってしまうため、多くは語れないのですが、1話ごとにホロリ──切ないようであたたかい、くすっと笑みがこぼれそうで涙があふれる、そんな心にじんわりとくる物語が詰まっています。さらに単行本ならではの描き下ろしエピソードによって本編の読了感が増します！（目から汗…、が出てきそうになります。）ちょっと不思議な日常や自然、植物、怪奇、童話、伝承、オカルト、因習など……が好きな方はもちろんのこと、ミステリーのような雰囲気を楽しめながらもヒューマンドラマな本作。思いの伝え方や受け止め方が不器用な人、周りの目を気にして身動きが取れない人、生きづらさを抱えている方等々、ぜひお手に取っていただけましたら嬉しいです。時間に追われる現代人の、疲れた心にもきっと響くはず。また読了後はぜひカバーをじっくりご覧ください＾＾※第2巻は2022年、夏秋頃に発売予定、Webメディア・マトグロッソで連載中です！【目次】・第一話・番外編ストーリー漫画（描き下ろし）・第二話・番外編ストーリー漫画（描き下ろし）・第三話・グリーンフィンガーズの裏庭（描き下ろし）・【電子書籍限定特典】
「ーーやあ、お待ちしていました。」人の思いが巻き起こす、植物にまつわる奇妙な物語。
主人公の旭啓一（あさひ・けいいち）は、バイト先の閉店に伴い別のバイト先を紹介してもらいます。言われた通り大学の裏山に向かうと、そこで待っていたのは「透明人間」の植物学者・草薙和仁（くさなぎ・かずひと）でした。
植物が言い伝えや怪奇現象を起こすものとして描かれていたり、人との繋がりの象徴と表現されている本作。ミステリー要素もありつつ、根本に潜む愛情の在り方にドラマを感じる作品です。優しくも切ないヒューマンドラマや、ちょっぴり奇妙だけど心地良い雰囲気の漫画を読みたい方にもおすすめです。
イーフィの植物図鑑（全7巻完結）
新米のプランツハンター・イーフィと旅をする父アリオは、かつて死んだはずの男だった。「あなたはアリオなの？それとも……植物？」人とその静かな‘隣人’をめぐる、壮大な植物幻想譚。（C）奈々巻かなこ（ミステリーボニータ・秋田書店）
薬草を求めて旅する隣に立つのは、死んだはずの父でした。
植物を採取するために世界を旅するプランツハンター・イーフィ。共に行動する父・アリオは一度死んだはずなのですが、伝説の植物「妖精の草」を身体に宿すことで、生きながらえていて……？ 命の禁忌を犯す二人をめぐる植物奇譚です。
「私 自分が間違いを犯してることくらいわかってるの」
（『イーフィの植物図鑑』1巻「episode 1」より）
父親のために、大好きな植物を滅ぼす側になってしまったイーフィの苦悩が胸に刺さります。人と植物はお互いに分領があり、尊重し合って生きることの大切さを教えてくれる作品です。
架空の植物の設定もおもしろく、世界観が細かく設定されたファンタジーを読みたい方にもおすすめです。
植物にまつわるおすすめサスペンス・ヒューマン漫画
植物や環境を取り巻くサスペンスがおもしろい、ヒューマンドラマ×植物漫画を1作品ご紹介します。
フールナイト
期待の新人が突きつける選択！ぶ厚い雲に覆われ陽が差さなくなった遥か未来の地球。植物が枯れ酸素も薄くなった世界。しかし人類は、人を植物に変える技術を開発し、わずかな酸素を作り出して生き延びていた。先の見えない世界でも人として生きるか、苦しみを捨て植物として新たな生へ踏み出すか。人々は選択を迫られるーー
人として生きるか、「転花」するか、終わりの選択が人類に迫られる！
分厚い雲が空を覆い、植物が育たなくなった世界で生まれた「転花」の技術。それは死期の近い者が植物の種を体内に保有し、徐々に「霊花」という植物になる仕組みのこと。生きることがやっとの世界で「転花」を決めた主人公・神谷十四郎は、手術後「霊花」の声が聞こえるようになり、「転花」に関する事件に巻き込まれます。
人としての生を終えた花の声が聞こえるという世界観が斬新な本作。政府の裏事情にも迫っていく、サスペンス劇も見どころです。ディストピアの香りが漂う作品が好きな方にもおすすめです！
植物の知識がつくおすすめのエッセイ漫画
実際に植えられている植物の背景や知識も学べる、おすすめの漫画を1作品ご紹介します。
公園植物ワンダーランド
近所の公園が、とっても楽しいテーマパークになる！桜や紅葉で賑わう季節だけでなく、公園は一年中楽しくてワクワクする場所。知ってるようで知らない樹々や、美しい花々に会いに行きませんか？何気なく素通りしていた小さな公園や道端の樹々が、特別なものに感じるはずですお花屋さん兼漫画家・イラストレータの花福こざるさんが楽しく教えてくれます！公園めぐりやお散歩が100倍楽しくなるコミックエッセイです。【目次】洗足池公園新宿御苑 前編新宿御苑 後編小石川植物園等々力渓谷神代植物公園 前編神代植物公園 後編昭和記念公園 前編昭和記念公園 後編京王百草園東京港野鳥公園 前編東京港野鳥公園 後編あしかがフラワーパーク 前編あしかがフラワーパーク 後編生田緑地筑波実験植物園＜描き下ろし＞池上梅園あとがき
公園に賑わう植物について学べるコミックエッセイ！
お花屋さん兼漫画家でもある作者・花福こざるが、お花の種類や、季節ごとに見られる特徴をわかりやすく描いています。植えられた植物についての知識やエピソードについても知ることができる本作。ガイドブックとして紹介されている公園を散歩してみるのも、本作のおすすめの楽しみ方です。
普段通る街や公園に植えられた植物にも目を向けることで、いつもの景色がより華やぐこと間違いなし！ 身近に佇む植物の魅力を感じられる、おすすめの植物紹介漫画です。
終わりに
植物学の日におすすめの漫画はいかがでしたか？ 人と植物の関係を描いた作品から、実際に植物の知識を学べる作品まで幅広くご紹介しました。
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