子どもに深い傷を残す「毒親」をテーマにした漫画は、ブログやSNSなどでも注目のジャンルです。親子関係は他人に相談しづらく、自分と似た境遇の人の体験談を読みたいと思っている方も多いかもしれません。
この記事では、年間1,000作品近く漫画を読んでいるDMMブックスの書店員が、毒親が登場するおすすめ漫画をエッセイとフィクションに分けて合計23作品ご紹介します。家族関係で悩んでいる人の手助けになりますように。
毒親とは?
毒親は、子どもの人生を支配し、害悪をもたらす存在とされています。基本的には子どもを虐待する親という意味で使われる言葉ですが、愛が行き過ぎて子どもの自立を阻害しているパターンもあります。大人になっても毒親の影響で苦しい思いをしている人も多いでしょう。また、親自身が自分が毒親であることに悩んでいるケースもあるようです。
このように毒親は複雑な問題ですが、だからこそ、毒親や自分自身と向き合うためにさまざまな名作が生まれているのですね。本記事では、毒親がテーマのおすすめの作品をエッセイとフィクションの二つに分けてご紹介します。
【エッセイ編】おすすめの毒親漫画
この章では、作者が実体験を語るエッセイ漫画や、実体験をベースに描かれた半自伝的な作品をご紹介します。毒親から脱出するための実践的なアドバイスが盛り込まれた作品も多いですよ。
毒親サバイバル

【あらすじ】
アルコール依存症の父に虐待されて育った作者が、10人の毒親サバイバーを取材します。作者自身の体験談も含め、11人分のストーリーが語られます。
【見どころ】
毒親のもとでどのような経験をしてどのように傷付いてきたのかは、人によって異なります。毒親から生き残ってきた11人のリアルな体験談が胸に迫ります。
【書店員イチオシポイント】
毒親とのエピソードは苦しいものが多いですが、つらくなりすぎない絵柄のおかげで読みやすいです。同じ作者の『酔うと化け物になる父がつらい』もおすすめですよ。

アルコール依存症の父親との顛末を描いた「酔うと化け物になる父がつらい」で世に衝撃と共感をもたらした菊池真理子さんが今度は毒親から生還した10人を取材してコミックにまとめました。菊池さん自身も含めて登場する、有名無名の11人の人々が親から受けた傷はみんな違います。アルコール依存症の親、暴言と暴力の親、価値観を一方的に押し付ける親、果てしなくお金をむしりとる親、そんな状況を見て見ぬふりする親……。その体験談は赤裸々。毒親に育てられた子どもたちにとっての最大の悲劇は、「家族ってこんなもの」「これが当たり前」と思いながら育ち、自分が悪い、自分がヘンだとの想いから逃れられないこと。大人になってからは「連鎖」におびえること。本書は、親と同じ道を選ばないために、全身、全力でサバイバルしていく11人のさまを、リアルにコミック化した、コミックだからなしえた作品です。本書が、傷を負って生きてきた人たちが、傷を負い続けないヒントとなりますように……。【以下、はじめにより】「どんな親でも子どもを愛してるんだから」 とか 「育ててくれた親に感謝しなよ」 とか「親と不仲のヤツはヤバい」 とか 「親を捨てるなんて不孝者」 とかとか。そんなバカなこと、言わない世の中にしたい。本当は、愛で満ちた天国のような家ばかりになるのが理想だけど、それがムリなら。あの子が大人になった時、あたり前のように、親から逃げるって選択ができる世の中に。逃げてから、さらに傷つけられたりしない世の中に。それが私たち元子どもの、できることかなと思います。菊池真理子
よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話(全1巻完結)

【あらすじ】
新興宗教の熱心な信者である母親のもとに生まれた作者が、実体験をもとに凄絶な子ども時代を描く物語です。
【見どころ】
いわゆる宗教2世である作者の目を通して、新興宗教の規律の厳しさがつづられています。娯楽や行事など一般社会では当たり前のことが制限され、同世代の子どものように自由に友達を作ることもできません。
【書店員イチオシポイント】
SNSに投稿された第1話が話題を集めました。作品内で登場する規律の数々はどれも衝撃的です。
毒親に育てられました(全3巻完結)

【あらすじ】
祖父母宅で自由に育っていた作者のもとに、ある日突然母親が迎えに来ます。平穏な幼少期はあっけなく終わってしまい、虐待的な母親との過酷な生活が始まってしまいます。
【見どころ】
母親からの過剰な期待や暴言、体罰などに耐えかねて作者は、母親と絶縁することを決意します。その体験が赤裸々に語られています。
【書店員イチオシポイント】
毒親についての解説もあり、読者に考えるきっかけを与えてくれます。毒親問題に関心がある方、自分の親が毒親かもしれないと悩んでいる方におすすめです。
母を片づけたい〜汚屋敷で育った私の自分育て直し〜(全1巻完結)

ゴミをためこむ汚屋敷母は、娘の心にもゴミをためる毒母だった!!家は汚屋敷、ネグレクトで栄養失調の弟、娘への異常な執着やセクハラ…そんな環境で育った作者が母と決別し、自分なりの片づけ方法を見つけるまで。汚屋敷で育った作者も続けられる、片づけのヒントも満載!!【目次】第1章 汚屋敷母に振り回された家族第1話 食のトラウマ「ゴキブリのフンが入ってる! ?」第2話 娘の性に異常に干渉する母第3話 汚屋敷育ちに立ちはだかる結婚の壁第4話 放置子だった弟 命綱は給食第5話 汚屋敷母のメシマズ率は高い!第6話 アメリカの汚屋敷番組はモザイクが無い第7話 捨て作業のストレスで坊主頭寸前第8話 大物家具解体は業者に頼るが吉第9話 父の浮気を許すまで第10話 汚屋敷から脱出し、ルームシェア第11話 汚屋敷脳は病気?障害??第12話 子供の幸せに嫉妬する母第13話 後遺症?頭の中のオーディエンス第14 幸福の象徴、ハンバーグを作ってみた第2章 汚屋敷育ちが片付けを学習するまで第15話 引っ越しで片付け筋を鍛える第16話 やらなくていい掃除もある!?第17話 数・層を減らして罪悪感も減らす第18話 身近にあった汚部屋・屋敷住人体験談第19話 それでも片付ける気力がわかない時は第20話 再び母の家を見に行ってみたおまけ お片付け12ヶ月カレンダー★単行本カバー下イラスト収録★
【あらすじ】
母によって汚部屋化した家で育った作者が、自分自身と向き合いながら母と汚れた環境から抜け出そうと奮闘します。
【見どころ】
親からネグレクトされる子どもの問題と同時に、片付けられず病的に物をため込むホーダー(強迫性貯蔵症)の問題もテーマになっている1冊です。
【書店員イチオシポイント】
本書には作者が実践している片付けのヒントも掲載されています。毒親問題だけでなく、汚部屋問題に悩んでいる方にも読んでいただきたい作品です。
ママの推しは教祖様 〜家族が新興宗教にハマってハチャメチャになったお話〜

ママの推しは教祖様 〜家族が新興宗教にハマってハチャメチャになったお話〜
ウチのママ、知らない間に洗脳されちゃってる!?教祖様のDVDに涙し、謎の合宿に連れて行かれ…信仰をやめる気はないママと一緒に暮らすって大変!純粋が故に宗教にハマるママと一家を描いた宗教ギャグエッセイ!
【あらすじ】
母が熱心に見ているDVDは実は宗教の布教映像だった! 教祖様に心酔し、突然新興宗教に入信してしまった母親を、作者は「推しにハマっている」と解釈します。教祖様推しの母親との生活がギャグタッチで描かれています。
【見どころ】
ユーモアあふれる筆致で毒親作品のなかでも読みやすい本作ですが、皮肉もきいています。
【書店員イチオシポイント】
巻末に収録されたコメディ要素なしの描き下ろしは必見です! 本編とあわせてぜひお読みください。
汚部屋そだちの東大生(全2巻完結)
【あらすじ】
母親からの虐待とネグレクトを受けて育った作者の半自伝的なストーリーです。過酷な環境のなか必死に勉強し、東大に入学した作者は自分のために母親から逃げることに。
【見どころ】
壊れたトイレ、ゴミに囲まれた生活、凍えそうに寒い部屋……。しかも勉強をするのは机代わりの布団の上です。劣悪過ぎる環境で育った作者ですが、徐々に母親から自立していきます。
【書店員イチオシポイント】
自分を虐待する母親と共依存関係になってしまっていた作者。一筋縄ではいかない毒親との関係が赤裸々に語られています。
そんな親、捨てていいよ。〜毒親サバイバーの脱出記録〜

【電子特典付き】そんな親、捨てていいよ。〜毒親サバイバーの脱出記録〜
親を捨てたら、人生を取り戻せた。自らも毒親を捨てた漫画家・尾添椿が、毒親サバイバーたちを取材。彼らはどうやって毒親を捨てたのか、そして捨てたことで得たものは。毒親「捨て方指南」コミックエッセイ!著者が、親に無理やり酒を飲まされていた過去を振り返る電子特典「そんな親を捨てたあと。」全8ページも収録。
【あらすじ】
毒親から脱出し、自立した人々の実体験をオムニバス形式で描くエッセイ漫画です。作者自身も毒親から逃れた経験を持ち、同じ境遇のサバイバーたちを直接取材しています。
【見どころ】
毒親から逃げ出す具体的な方法や適切な距離の取り方など、実践的なエピソードが数多く盛り込まれています。
【書店員イチオシポイント】
読者を勇気づける強いメッセージ性を持つ作品です。親との関係に悩んでいる人は、本作から自分の人生を取り戻すためのヒントを得られるかもしれません。
毒家脱出日記〜親が苦手じゃダメですか?〜(全2巻完結)
【あらすじ】
アルコール依存症の父、気難しい母との生活に耐えてきた作者。20代後半になり、自身の苦しい過去を振り返ることに。
【見どころ】
作者の実体験をもとに描かれたフィクション作品です。毒親・毒家から脱出して新しい家族をつくる努力が語られますが、その苦難の過程に涙してしまう方も多いのではないでしょうか。
【書店員イチオシポイント】
かわいらしいゆるめの絵柄ですが、法律や制度などへの言及も多く、現実的な視点を備えた作品です。
母がしんどい
【あらすじ】
世間的な体裁には気を遣うものの、些細なミスで激怒するような二面性を持つ母親。自分に対して支配的に接する母親に対してしんどさを抱えていた作者は、大人になってから母親と距離を置こうと試みます。
【見どころ】
母親からの暴力は直接的なものではありませんが、その分周囲には伝わりづらい苦しさがつぶさに描かれています。
【書店員イチオシポイント】
毒親を描いたコミックエッセイとしては最初期の作品で、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。「自分も母のようになってしまうのではないか」という不安も語られています。
ゆがみちゃん
【あらすじ】
けんかばかりしている家族の中で居心地悪い主人公・ゆがみちゃん。兄からのいじめや、宗教にはまる祖母など、苦しい状況が重なっていきます。毒家族から脱出し、自分の居場所を見つける奮闘を描いたコミックエッセイです。
【見どころ】
作者の自己分析の過程が細かく図式化されて語られるのが見どころ。物語の合間に挟まれるコラムも非常によく整理されていて、わかりやすいです。当事者ではないけれど、毒親問題に関心がある方にとっても読みやすい作品でしょう。
【書店員イチオシポイント】
本章で紹介している『母がしんどい』が登場するシーンがあり、体験談を共有することの重要さがわかります。
生きるために毒親から逃げました。

親と決別し、自分の人生を生きる――幼少期「言うこときけないなら、家に一人で置いてっちゃうよ」――小学生「この子がもしレイプされたら親戚はどう反応するんだろうね」――中学生「眠れないなら酒を飲みなさい」表面化しにくい親からの心理的虐待。小さい頃から違和感を覚えていたその言動が命までをも脅かすものであることに気づいた時椿は、親元から逃げることを決意する。「私が、自分のために生きる選択をし現在の日本で可能な限り縁を切るための手続きをした」その軌跡と具体的方法を描くコミックエッセイ。【電子書籍限定特典】描き下ろし・後日談『生きるために毒親から逃げたあと』収録【目次】プロローグ第1章 予兆宝物公園デビューループ第2章 確信孤立確信無関心痴漢第3章 激化殺伐強制薬は悪跡取り第4章 限界アレルギー発達障害出会い決意第5章 脱出置き手紙一時帰宅一人暮らし分籍と住民票閲覧制限年金・保険胸を張ってエピローグあとがき電子書籍限定特典
【あらすじ】
心理的虐待を繰り返したり、眠れない子に酒を飲ませるなど、異様な環境だった作者の家庭。毒親からの脱出に焦点を合わせたエッセイ漫画です。
【見どころ】
家庭内での虐待に対して有効な手出しができない社会制度の問題点をえぐり出しつつ、毒親との絶縁のために使える公的な手続きが紹介されています。
【書店員イチオシポイント】
毒親から逃げるための実践的な方法が語られている作品です。毒親で悩んでいる人にとっては心強い1冊になるでしょう。
酔うと化け物になる父がつらい
【あらすじ】
アルコール中毒の父親に苦しめられる主人公。父親のひどい酒癖に追い詰められ、中学生になる頃母親が自殺してしまいます。作者の実体験に基づいたノンフィクション作品です。
【見どころ】
父親の行動に苦しめられながらも、見捨てることができない主人公の葛藤に胸が苦しくなります。毒親の複雑さを考えさせられる作品です。
【書店員イチオシポイント】
最後まで希望を捨てようとしない主人公の姿がたまらなく切ない本作。2020年には映画化もされました。
虐待父がようやく死んだ(全1巻完結)

父の死は私の‘希望’。虐待を受け育った作者が描くコミックエッセイ。暴力・性的虐待・面前DV・人格否定。――父が私にしたこと。これが、私の日常だった。子どもの頃は、家を出るお金もなければ、歯向かうための腕力もない。虐待する親の元に生まれた私には、耐えるしか道がなかった――。――第1話 日常的なDVと虐待第2話 外面のいい父第3話 よりを戻す両親第4話 狂う母第5話 誰にも言えない第6話 私に流れる父の血第7話 恋愛依存第8話 全ては父のせい第9話 復讐失敗第10話 「私は悪くない」第11話 彼氏に依存する私第12話 自立したい第13話 結婚そして妊娠第14話 余命僅かの父第15話 虐待の連鎖第16話 子どもは親を選べない第17話 父の死は希望第18話 愛されたかった?第19話 気づいてしまった母の気持ち第20話 ただ普通の幸せが第21話 自分の人生を取り戻す―――私はただ、普通の幸せが欲しかった。普通のお父さん、普通のお母さんが。★単行本カバー下画像収録★
【あらすじ】
女だからという理由だけで殴られるなど、父親から理不尽な暴力を受けて育った作者。自立後も人との関係が上手く築けなかったりと、毒親の影響は根深いものでした。
【見どころ】
大人になってからも虐待の記憶にさいなまれる作者ですが、必死に生活を好転させようとする姿には胸を打たれます。
【書店員イチオシポイント】
虐待から生き残った後の心理状態についての説明が緻密で、読み応えがあります。
【フィクション編】毒親が登場するおすすめの漫画
この章では、毒親が登場するフィクションの漫画をご紹介します。毒親の苦しさはエッセイの章でご紹介した作品と共通していますが、フィクションならではの展開が見どころの作品もあります。
血の轍(全17巻完結)

【あらすじ】
中学2年生の静一と母親・静子は、はたからは過保護に見えるくらい仲の良い親子です。しかし、いとこ家族と行ったハイキングでの事件をきっかけに、静子の異様な一面が明らかに……。
【見どころ】
子を愛しすぎる毒親と、おかしいと思いつつも母親を愛してしまう息子の心理が緊張感満載で描かれます。虐待とは何なのか考えさせられる一作。
【書店員イチオシポイント】
静子が静一に向ける狂気的な愛情の描写には迫力があります。また、最終盤の展開はとにかく圧巻の一言です。ぜひ最後まで読んでください!
イグアナの娘(全1巻完結)

【あらすじ】
少女漫画の大家、萩尾望都の短編集。表題作はイグアナの姿をした娘のお話です。本当は人間の姿をしているはずなのですが、母親にはなぜか醜いイグアナにしか見えず……?
【見どころ】
毒親という言葉が広まる前に描かれた作品であり、最近の作品と比べるとそこまでドロドロした雰囲気ではありません。しかし、親子間の問題への視点は鋭く、短編とは思えない読み応えがあります。
【書店員イチオシポイント】
表題作以外にも素晴らしい作品が揃った短編集です。『カタルシス』という作品も親子関係を描いた名作なので、あわせて読んでみてください。
センコウガール(全5巻完結)

【あらすじ】
不登校だったのに、ある日いきなり元気いっぱいで登校してきた如月民子(きさらぎ・たみこ)。かつて彼女をいじめていたクラスメイトは、復讐に来たのではと警戒しますが……。
【見どころ】
さまざまな問題を抱えた女子高生たちの群像劇です。民子をはじめとして登場人物たちは親との間に確執を抱えており、特に民子の母親はネグレクト気味で毒親要素が強いです。
【書店員イチオシポイント】
暗く重たい展開が続きますが、最後まで読むと印象が変わります。爽やかで切ない読後感を味わいたい方におすすめです。
往生際の意味を知れ!(全8巻完結)
【あらすじ】
主人公・市松海路(いちまつ・かいろ)は元映画監督。失踪していた元カノ・日下部日和(くさかべ・ひより)が突然現れ、「出産記録を撮ってほしい」とお願いされます。実は日和にはそれとは別の目的があって……!?
【見どころ】
主人公の元カノ・日和の母親はエッセイ漫画家。実態を歪め、偽りの家族を描き続ける母親に日和は復讐しようとします。予測不可能な展開に引き込まれること間違いなし!
【書店員イチオシポイント】
2023年春にドラマ化された本作。ドラマ版も見応えがあり、おすすめですよ。
フルーツバスケットanother(全4巻完結)
【あらすじ】
主人公・三苫彩葉(みとま・さわ)は、暴言ばかりの母親と2人暮らし。そのせいか暗い性格になっていた彩葉ですが、草摩家との出会いをきっかけに変化の兆しが見え始めます。
【見どころ】
名作少女漫画『フルーツバスケット』の後日譚です。ファンにはおなじみの草摩家の子どもたちも登場します。
【書店員イチオシポイント】
4巻完結で手軽に読むことができます。前作の『フルーツバスケット』を読んだことがない方でも楽しめるストーリーになっていますよ。
『フルーツバスケット』はこちら!
period(全5巻完結)
【あらすじ】
父親から熾烈な暴力を受ける兄弟、ハルとヨキ。しかし、入院をきっかけに父親はまるで別人のように穏やかになります。だからといって一件落着とはならず、2人には新たな問題が降りかかり……。
【見どころ】
父親のみならず親戚たち、そして子どもたちも持ち合わせている暴力性が、ドライなタッチで描かれています。全5巻と長編ではありませんが、じっくり読んでほしい一作です。
【書店員イチオシポイント】
本格的なサスペンスで、読み応えは抜群です。
グッドナイト(全2巻完結)
【あらすじ】
主人公・晴子は心優しい男と結婚しますが、男の実家はとんでもないモラハラ一家で……!? 産まれたばかりの実の娘を奪われてしまった晴子の、孤独な結婚生活を描きます。
【見どころ】
毒親といっても、実の親ではなく姑・義理の姉など義理の家族との歪んだ関係性がテーマ。姑が軸になっていますが、義理の家族がひどい言動を繰り返す原因に夫も関わっていることがしっかり描写されています。
【書店員イチオシポイント】
本当に怖いキャラクターが続々登場するので、かえって壮観です。主人公の苦しさだけでなく、義理の家族たちの嫌なやつっぷりにもリアリティと迫力がありますよ。
凪のお暇
【あらすじ】
主人公・大島凪(おおしま・なぎ)はおとなしいOLです。人の言うことを聞きすぎてしまい、無理がたたって倒れてしまいます。人生をやり直すため、凪は仕事を退職し彼氏からも逃げ出して、古アパートに引っ越すことに。
【見どころ】
作品中盤で、凪と母親との確執が描かれています。外面が良く人を味方に付けるのがうまい母親は、従順だった凪を精神的に追い詰めていきます。
【書店員イチオシポイント】
2019年にドラマ化され、人気を博した作品です。古アパートの住人たちと交流しながら、凪が少しずつ本当の自分を取り戻していく姿は応援したくなります!
愛と呪い(全3巻完結)
【あらすじ】
宗教に心酔する家族のもとに生まれた愛子。父親からの暴力を頻繁に受けているのに、家族は助けてくれません。消耗しながらも、愛子は懸命に生きていこうとします。
【見どころ】
ストーリーは現実の出来事と連動しながら進んでいきます。例えば、地下鉄サリン事件は愛子の家族の宗教の問題と響き合っており、作品にリアリティを与えています。
【書店員イチオシポイント】
作者の自伝的な要素も含まれており、ディテールが光る作品です。
恋は光(全7巻完結)
【あらすじ】
恋をしている女性が光り輝いて見えるという、不思議な力を持つ男子大学生・西条。彼自身も恋を知ることになりますが、能力のせいで相手の好意がわかってしまうのでした。
【見どころ】
実は西条がこうした能力を持っているのは、親からの愛が全く与えられなかったことと関係しています。全体としてはラブコメ的な雰囲気で、気軽に読みやすい物語になっています。
【書店員イチオシポイント】
恋愛がメインテーマのため、手に取りやすい作品です。2022年に公開された実写映画版もおすすめですよ。
【無料試し読みあり】どくしょ部厳選!おすすめランキング
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1位:生きるために毒親から逃げました。
2位:そんな親、捨てていいよ。〜毒親サバイバーの脱出記録〜
3位:毒親サバイバル
4位:ゆがみちゃん
5位:血の轍(全17巻完結)
終わりに
本記事では、エッセイなど実際の出来事に基づいた作品とフィクション作品とに分けて、毒親を描いた漫画を23作品ピックアップしました。毒親のもとから脱出し、自分の人生を取り戻すためのヒントが見つけられるかもしれない作品も数多くあります。
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