今回は年間1,000冊近く漫画を読んでいるDMMブックス書店員が登山漫画のおすすめ作品を厳選！ 永遠の名作と呼ばれる作品から最新作まで、登山の魅力を垣間見ることができる作品を幅広くご紹介します。
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目次
最新話題！登山漫画おすすめ2選
まずは今年話題の最新登山漫画を2作品ご紹介します。2024年に実写映画が公開された『告白〜コンフェッション〜』、そして山岳部の友情を描く『つばめアルペン』。どちらも話題の最新登山漫画として注目です。
新装版 告白〜コンフェッション〜（全1巻完結）
【あらすじ】
雪山の登山中に死の寸前に追い込まれた、山岳部OBの浅井と石倉。死を悟った石倉は、過去に起こした殺人の罪を告白します。しかし山小屋が見つかり生き残ってしまった彼らは、口封じのための殺し合いが繰り広げられることになり……。
稀代のストーリーテラー福本伸行とかわぐちかいじのコンビによるサバイバルミステリー作品です。
【見どころ】
サバイバル作品でありながら、アクション、ミステリーと密度の高い展開が見どころ。スリリングな人間ドラマに引き込まれます。そして『カラオケ行こ！』で絶大な評価を得る山下敦弘監督によって、2024年5月に実写映画化されました。
【書店員イチオシポイント】
福本伸行特有の濃密な密室心理劇に、人間の本質に迫るじりじりとした心理描写が見どころ。作画のかわぐちかいじによる、吹雪の山荘を立体的に描いた空間表現の巧みさにも注目です。
尾張山で遭難した浅井と石倉。死を覚悟した石倉は、’殺人’を告白する。しかし、その時眼前に山小屋が出現し二人は一命をとりとめるが……。『カイジ』の福本伸行が原作、『沈黙の艦隊』のかわぐちかいじが作画を担当し、1998年にヤングマガジンアッパーズ誌上にて連載され、大きな話題を呼んだ人気コミックが、生田斗真、ヤン・イクチュンという日韓実力派俳優をW主演に迎えて、待望の実写映画化。2000年に刊行された『告白 コンフェッション』の復刻版となります。
つばめアルペン
【あらすじ】
転校続きでなかなか友だちができなかった主人公・藤井つばめが、成り行きで参加した山岳部で山登りに目覚め、友情を深めていく山岳青春ガールズ部活漫画作品！
【見どころ】
北海道の女子高山岳部が物語の舞台となる本作。登山のインターハイを中心に巻き起こる、少女たちの関係性が見どころ。『ゆるキャン△』や『ヤマノススメ』など、かわいい女の子たちがアウトドアにハマっていく様子や、少女たちの青春漫画を読みたい方にぜひおすすめの作品です。
【書店員イチオシポイント】
新感覚ラブコメ『イジめてごっこ。』の南文夏が描く山岳漫画作品。それぞれのキャラクターたちが抱える問題と、そこに向き合っていく心理表現の巧みさに注目です。
永遠の名作！登山漫画おすすめ5選
ここでは登山漫画といえば外せない名作をご紹介します。映画化もされた登山漫画史に残る圧巻の作品『神々の山嶺』や、実写映画化もされた『岳』など、登山に人生を賭ける人々の物語に夢中になってみるのはいかがでしょうか。
神々の山嶺（全5巻完結）
【あらすじ】
エベレスト初登頂を目指し行方不明になってしまった登山家・ジョージ・マロリー。彼のエベレスト初登頂にまつわるミステリーと、孤高の天才クライマー・羽生丈二のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂への挑戦が描かれる山岳スペクタクル漫画作品。
【見どころ】
夢枕獏の小説を、『孤独のグルメ』の作画でも知られる谷口ジローが漫画化した大名作。圧倒的な画力を魅せる作画で、羽生のキャラクター性や個人の心理ドラマと人類初登頂をめぐるミステリーとの絡み合いが描かれ、夢中になってしまいます。
【書店員イチオシポイント】
「第5回文化庁メディア芸術祭」マンガ部門で優秀賞、2005年にはアングレーム国際漫画フェスティバルでも最優秀作画賞を受賞、2021年にはフランス映画界がアニメーション化など、国内に留まらず読み継がれています。アニメ映画版とは異なる展開や結末を読み比べてみてはいかがでしょうか。
岳（全18巻完結）
【あらすじ】
若くして世界の巨峰を登頂したものの、日本へ戻り山岳救助ボランティアを行う青年・島崎三歩。彼が北アルプスの山中でテントを張って暮らしながら、ボランティアとして出会うさまざまな人物の人生と、山との交錯を描いたヒューマンドラマ作品。
【見どころ】
山での悲惨な事故に巻き込まれながら、人間はなぜそこまでして山に惹かれるのかを各話ごとに描きぬいた一作です。救助活動中の人命が救われない事態での決断を迫られる三歩の姿など、苛烈でリアリティあふれるドラマが描かれています。
【書店員イチオシポイント】
作者は『BLUE GIANT』の石塚真一。本作は「第54回小学館漫画賞」で一般向け部門を受賞し、「第16回文化庁メディア芸術祭」ではマンガ部門優秀賞受賞、2011年に実写映画化など高い評価を獲得しています。初連載作品ながら、ページをめくるとそこには悲惨な現場が広がっているというサスペンスや、連作としても高い完成度に唸らされます。
孤高の人（全17巻完結）
【あらすじ】
過去の事件から他人に対して心を閉ざしていた主人公・森文太郎。彼は転校した高校でクライミングにふれ、取り憑かれていくなかで、次々と過酷な山に挑戦しクライマーを目指すことになります。
【見どころ】
実在の登山家をモデルに、迫真に満ちた展開が圧倒的な画力で描かれる本作。自分自身との闘いや葛藤が熱く、涙なしでは読めない感動へと誘われます。大きな見開きと大迫力の描き込み、スピーディーな展開にページをめくる手が止まらなくなります。
【書店員イチオシポイント】
『イノサン』などを手がける作者・坂本眞一による作画が目を引く本作。「第14回文化庁メディア芸術祭」でマンガ部門優秀賞を受賞し大きく評価されました。連載中に原作表記が外れ、坂本眞一名義となり、小説『孤高の人』とは異なる結末へと向かうことになります。幻想的な心理描写が大きな魅力の作品です。
岳人（クライマー）列伝（全1巻完結）
‘山がある限り登り続ける…’。厳しくて険しくて、しかし限りなく美しい山々に魅せられた、鉄の体と心をもった岳人（クライマー）たち。ときには自らの命までも犠牲にして闘いに挑んだ彼らの壮絶な姿を描く！
【あらすじ】
『JIN―仁―』や『龍-RON-（ロン）』で一世を風靡した村上もとかによる、エベレストやカラコルム山脈のK2など、世界の名峰に魅了され、山に憑りつかれた人々の生と死を描いた連作短編集。
【見どころ】
少年誌で掲載されていながら、狂気をはらんだ山岳というスポーツを描いています。いずれも壮絶なラストになだれ込む展開に圧倒される本作。村上もとかの短編としての手腕の巧みさを味わえる作品です。
【書店員イチオシポイント】
「第6回講談社漫画賞」少年部門を受賞し、山岳漫画の金字塔とも評されています。雪山という極限状況、そこに魅了されてしまった人々のドラマをシビアに表現した名作です。
しずかの山（全3巻完結）
【あらすじ】
山岳ガイドとしてネパール・ヒマラヤ山脈にあるナムチェ・バザールに暮らす日本人登山家・高遠静。彼が出会う、さまざまな人間との静かなドラマを描いた山岳物語です。
【見どころ】
容赦なく命が奪われていく山の恐ろしさを静かに描いていく筆致に魅了されます。スケールの大きなドラマと、ミステリーが展開されています。
【書店員イチオシポイント】
淡々とした叙情的な演出が、山の過酷さと絡み合う本作。重厚な「生」と「死」のドラマが展開され、わずか3巻ながらも骨太な作品となっています。
山の楽しさが伝わる！登山漫画おすすめ3選
緊張感に包まれる命がけの登山漫画もいいけれど、毎日の普通の登山生活を描いた漫画もいかがでしょうか。アニメ化もしたヒット作『ヤマノススメ』や『ゆるキャン△』、さらには、赤裸々漫画家エッセイ『人生山あり谷口』など、山の楽しさが伝わる作品をご紹介します。
ヤマノススメ
【あらすじ】
高所恐怖症で内向的な主人公・あおいは、高校でアウトドア好きのひなたと再会。子どものころ、一緒に山登りをするという約束を覚えていたひなたに誘われて登山に励むことになります。はじめは戸惑うあおいですが、美しい光景に魅了され、登山を通してさまざまな仲間たちと出会い成長しはじめ……。
【見どころ】
企業とのコラボレーションや4期に渡るアニメ化など、大人気を博した本作。元は撮りためた写真やイラストを組み合わせた同人誌だったこともあり、コラムの山知識の情報量に圧倒されます。
【書店員イチオシポイント】
自身の登山経験から「何事もほどほどが一番」といった感覚をもつ作者によって描かれており、無理をせずときには山登りを諦める様子も見どころです。頑張るだけでなく、状況をしっかりと見極めようとするキャラクターたちに感動させられます。
幼い頃、山頂で見た朝日をまた二人で…。約束したあおいとひなた。月日は流れ、その間にあおいはなぜか高所恐怖症に！？二人の約束は果たせるの？ 同人誌で人気を博した作品が、漫画になって登場！
ゆるキャン△
【あらすじ】
冬のある日、富士山の見える湖畔でソロキャンプを楽しんでいた女子高生のリンと、外のベンチで居眠りしていたなでしこが出会うことからはじまるキャンプ生活漫画。リンとの出会いをきっかけに野外活動サークルに入部したなでしこは、活動を通してさまざまな人たちと出会い、キャンプの魅力にハマっていきます。
【見どころ】
おのおのがキャンプや登山を楽しみながら、SNSを通じて互いの状況を実況したりして友情を深め合う彼女たち。繊細で絶妙な距離感を保ちながら、人間関係を築いていく姿を読むことができます。はっきりと言葉に出すことはない、お互いへの気づかいや想い合いに注目です。
【書店員イチオシポイント】
実写ドラマに劇場版アニメ化と、留まることを知らないキャンプブームを巻き起こした一作。キャンプ場に登山など、観光スポットも次から次へ登場するので、聖地巡礼したくなるところもイチオシです。
人生山あり谷口（全1巻完結）
【あらすじ】
山登りのプロでもなんでもない作者が、山登りに初挑戦するエッセイ作品。人生はまさに山あり谷あり、体力のなさと数多のトラブルに直面しながらもそれぞれの「山という人生」を登っていく様子を赤裸々に描いた作品です。
【見どころ】
タイトル通り一筋縄ではいかない人生と山登りについてありのままにつづられています。山登りによってすべてが解決すると謳うのではなく、コメディタッチでもありながらローテンションで人生について切実に考え続ける様子が胸に迫ります。
【書店員イチオシポイント】
どうやって漫画家になったのかという著者の人生から、ひらのりょうや横槍メンゴといった作家たちとの交友関係まで事細かに描かれており、漫画家という特殊な職業について知ることもできます。『今夜すきやきだよ』で「第26回手塚治虫文化賞新生賞」を受賞した作者・谷口菜津子による日常の些細なことを表現する手腕にも注目です。
【無料試し読みあり】どくしょ部厳選！おすすめランキング
漫画好きが集まるDMMブックス書店員が実際に読んでおもしろかった登山漫画のランキングを作成！ 夢中になれる登山漫画と出会いたい方はぜひ以下の作品をチェックしてみてくださいね。無料で試し読みができるタイトルも多数含まれています！
1位：岳（全18巻完結）
2位：新装版 告白〜コンフェッション〜（全1巻完結）
3位：つばめアルペン
4位：神々の山嶺（全5巻完結）
5位：人生山あり谷口（全1巻完結）
終わりに
登山漫画には数々の名作が存在します。『神々の山嶺』や『岳』のような命がけの登山を描いた作品から、『ヤマノススメ』『ゆるキャン△』のようにゆるく登山を楽しむ漫画まで、多種多様です。まさに山を登る人の数だけ存在する、そんな登山漫画の世界をこの記事を参考にして味わってみてはいかがでしょうか？
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