『転生したらスライムだった件』でGCノベルズを立ち上げた編集長の歩み 『転スラ』と共に歩んだ9年の足跡

 GCノベルズは、マイクロマガジン社が刊行する新文芸レーベル。2014年5月に『魔法書を作る人』『転生したらスライムだった件』(以下『転スラ』)の2作から刊行がスタートし、新進気鋭のレーベルとして瞬く間に急成長しました。レーベル開始から10年を目前にした今、GCノベルズを立ち上げた伊藤編集長にDMMブックスどくしょ部がインタビューを実施! GCノベルズ刊行秘話や、編集の秘訣についてあますことなく伺いました。

『転スラ』からはじまったGCノベルズ

——今回は『転スラ』についても色々伺う予定でしたが、先日(2023年11月30日)発売された『転生したらスライムだった件 10th ANNIVERSARY BOOK 転スラX』で、刊行済の21巻について、1冊につき2ページ・総勢40ページ超の充実したインタビューを載せていらっしゃいましたので、今回は『転スラ』に関する質問は減らさせていただこうと思います。

転生したらスライムだった件 10th ANNIVERSARY BOOK 転スラX

転生したらスライムだった件 10th ANNIVERSARY BOOK 転スラX

■伏瀬先生×担当編集 超白熱8時間対談転スラ誕生の瞬間からここだけの裏話まで語り尽くす’原作小説解体真書’。爆笑&暴風級エピソードをノーカットで!イラスト担当みっつばー先生による全巻カバーイラストのセルフ解説、伏瀬先生への100問100答コーナーも!■みっつばー先生 描き下ろしイラスト満載!10周年を祝した「王冠リムル」の描き下ろしカバーイラストをはじめ、転スラXのために制作されたカラーイラストを多数収録!さらには未公開のキャラデザイン、至高の傑作イラスト、そして――’幻の19巻挿絵’待望の大公開!■天魔大戦主要キャラ完全解説原作小説でクライマックスを迎えている天魔大戦バトル中のキャラの詳細と戦況を、みっつばー先生のイラストともに一挙解説!転スラの最前線を体感せよ!■超特集「広がる転スラワールド」コミックス、TVアニメ、劇場版、ゲーム、舞台……とあらゆるジャンルに広がる転スラのメディアミックスを徹底解剖!全ての転スラを味わい尽くす究極ガイド!!■舞台「転生したらスライムだった件」リムル役・尾木波菜(≠ME)ロングインタビュー大好評を博した「転ステ」の特集記事に、≠MEの尾木波菜さんが登場。「リムルのように優しく、ミリムのように可愛くありたい」熱演の裏側に秘めた本気の転スラ愛を語る!■転スラ10周年祭開催!★豪華イラスト豪華漫画家陣が超美麗イラストを寄稿!川上泰樹先生をはじめ、全ての「転スラ」コミカライズ漫画家の皆様から10周年を祝福した描き下ろしイラストが到着。全作品オールカラーで掲載!★喜びを共に!10周年祝福メッセージTVアニメ声優の皆様、主題歌アーティストの皆様、制作スタッフの皆様、舞台キャストの皆様、レーベルメイトの作家の皆様転スラ愛にあふれるメッセージを一挙掲載!★特別寄稿あの’スライム生みの親’、ドラゴンクエストゲームクリエイター・堀井雄二氏も転スラファン!?まさに’原初の’スライムクリエイターからスペシャルメッセージが到着!「転スラ、僕も見てましたよ」■転スラ’コラボ’ 歴史的傑作選!「転生したら○○だった件」で様々なコラボを生み出してきた転スラ。誰もが驚く’コラボ力’の秘密を、傑作選と共にTVアニメシリーズプロデューサー・杉Pが解き明かす!■伏瀬先生書き下ろしSS「ミザリーの同僚評価」原初の緑(ヴェール)にして『暗黒皇帝』ギィ・クリムゾンの忠実なるメイド、ミザリーのお仕事日記を伏瀬先生が書き下ろし!ミザリーの’同僚’といえばもちろん――?オールカラー160ページ、全ての転スラファンに捧ぐ珠玉の一冊!国民的異世界ファンタジーの全てを網羅する永久保存版!転スラ10年の歩みを振り返る豪華記念本がついに完成!!!

GCノベルズ編集長・伊藤さん(以下「伊藤」):僕はほとんど相づち打ってるだけでしたが(笑)。

——GCノベルズは伊藤さんが立ち上げられたレーベルだと伺っています。創刊のきっかけをお聞かせいただけますでしょうか?

伊藤:僕がマイクロマガジン社に入社したのは2013年で、最初は「マンガごっちゃ」の編集部に所属していました。
入社以前はコアマガジンという出版社で、アングラな話題や芸能ゴシップに関する実話コミックの編集に携わっていました。それ以外だとその傍らで『萌える日本刀大全』といった少女イラスト集のムックを勝手に作ったりも(笑)。
「マンガごっちゃ」は2020年頃までサービスを運営していましたが、『琴浦さん』などのウェブ漫画連載や、漫画投稿機能があったサイトです。入社当初はその編集部で、投稿されたウェブ漫画の書籍化を将来的に見越しつつ、自社サイト以外で発表されたウェブ漫画の商業化を検討していました。
ただ、ウェブ漫画界隈はその当時既にレッドオーシャンだったこともあり、最初の時点で難しさを感じていました。なので、最初に私が書籍化したのは、「漫画じゃないもの」だったんです。それが、『おばけのケーキ屋さん』という絵本です。
この作品は、当時pixivでランキング1位だった作品の書籍化です。 会社としても初めての絵本の出版でしたが、ウェブの人気がそのまま売上に繋がってくれてすぐに重版がかかりました。

おばけのケーキ屋さん

おばけのケーキ屋さん

おばけのケーキ屋さんは、自作の世界一美味しいケーキを食べさせてみんなをビックリさせるのが大好き。そんなおばけの元に、小さな女の子がやってきます。ちょっと不機嫌そうな女の子に、早速ケーキを振る舞うと…。「おいしいけど、パパのつくるケーキと同じくらいかな」不思議なことに、女の子はビックリしません。これは負けてられないとおばけは女の子にこう言います。「これから月にいちどケーキを食べにおいでよ」おばけと女の子をつなぐ、優しいケーキのお話です。イラスト投稿サイトPixivで発表され多くのユーザーを感動させた傑作絵本、待望の書籍化!イラスト投稿サイトPixivで発表され多くのユーザーを感動させた傑作絵本、待望の書籍化!

伊藤:そういった流れもあり、その次の企画も漫画以外のものを提案しました。それがウェブ小説です。
当時は、アルファポリス・ヒーロー文庫・MFブックスなど、ウェブ小説の書籍化に勢いが出てきた頃です。今も昔も、ライトノベル業界は電撃文庫・スニーカー文庫などKADOKAWAさん系列のレーベルが大半を占めますが、アルファポリスやヒーロー文庫はそれらに負けないぐらい目立った売上が出ていました。 なので、出版社やレーベル関係なく戦えるという見込みがありました。 
また、大判は文庫のライトノベルに比べて書店での棚の占有率(書店でどのレーベルの書籍がどのくらい置いてもらえるかの割合)がまだ定まっていませんでした。「この棚には最低限この出版社の本をこのくらい置こう」という雰囲気がなかった。なので、新興のうちでも勝負になるかなと思いました。その辺りが、GCノベルズ立ち上げのきっかけですね。

GCノベルズのGCは「Got a Chance」の意。

GCノベルズのGCは「Got a Chance」の意。

——最初からレーベルを立ち上げるつもりだったのでしょうか?

伊藤:当初はレーベルではなく、単発企画のつもりでした。たとえば、エンターブレインで出ていた『オーバーロード』や『幼女戦記』は、装丁にこだわった上でノンレーベル出版をしていました。それに、レーベルを立ち上げたら継続していく必要があるので、逆にリスクになる可能性もありました。
ただ、企画を詰めていくうちに、「レーベルを立ち上げた方がいいのでは」という声も社内から上がったので、それならやってみようという流れになりましたね。 2013年12月に『おばけのケーキ屋さん』が発売した段階ではもう企画が動いていました。

——今でこそ文庫のライトノベルレーベルでもウェブ小説の書籍化は多くなりましたが、2010年前半の時期は大判での書籍化が増えてきた頃です。書籍の判型は最初から大判のつもりでしたか?

伊藤:グループ会社のキルタイムコミュニケーション(成人向けの美少女文庫レーベル等を刊行する出版社)からは、「価格の低い文庫じゃないと勝負が難しい」という意見もいただいたりしていました。なので、実はヒーロー文庫に倣うかたちで文庫レーベルにする選択肢もありました。
ただ、そうなると最終的には大手さんのレーベルと勝負になります。それは中々厳しいので、最終的には大判を選びました。

はじめての小説編集、はじめてのアニメ化

——ちなみに、小説の編集はGCノベルズがはじめてでしたか?

伊藤:小説は普段から読んでいましたが、編集の側になるのははじめてでした。
最初は大変でしたが、同時に根拠のない自信もありました。売れるかどうかは別として、少なくとも「本を作る」こと自体は難しいことではないからです。最終的に入稿データを揃えて印刷所に渡しさえすれば、本はできあがるので。
だから、最初にやったのは、KTCの小説編集部に行って色々教わることでした。小説刊行にあたっての作業フローや、どんなデザイン会社・校閲会社と取引をしているか、校正の手法、等々。とにかく見よう見まねではじめました。

——2014年5月にGCノベルズが創刊されて、最初の作品は『転生したらスライムだった件』と『魔法書を作る人』ですね。

転生したらスライムだった件 1

転生したらスライムだった件 1

何という事もない人生を送っていた三上悟は、通り魔に刺され37年の人生に幕を閉じた……はずだった。ふと気がつくと、目も見えなければ、耳も聞こえない……。そんな状況の中、自分があの‘スライム’に転生してしまった事に気づく。最弱と名高いモンスターである事に不満を感じつつも、お気楽スライムライフを満喫する三上悟だったが、天災級のモンスター‘暴風竜ヴェルドラ’と出会ったことで運命は大きく動き出す――。ヴェルドラに‘リムル’と名付けてもらい、スライムとして新たな異世界生活をスタートさせた矢先、ゴブリンと牙狼族との争いに巻き込まれ、いつしかモンスターたちの主として君臨することに……。相手の能力を奪う『捕食者』と世界の理を知る『大賢者』、二つのユニークスキルを武器に最強のスライム伝説が今始まる!※本作品は電子書籍配信用に再編集しております。

魔法書を作る人 1

魔法書を作る人 1

異世界へと転生した四万十静(しじましずか)は、ラクヒエ村に住む7歳の少年シズとして第二の人生を送ることになった。この剣と魔法のファンタジー世界で、前世とは違う人生を送ろうと誓うシズだったが、結局自分の殻に閉じこもり大好きな魔法の訓練に没頭してしまう。そんな中、自身の猫耳と尻尾をコンプレックスに感じ、中々人となじめない美少女リエナと出会う。折しもその時、ラクヒエ村には怪しい影が迫っていた――。※本作品は電子書籍配信用に再編集しております。

伊藤:そうです。最初の2作ということで、思い入れが大きいです。

——『転生したらスライムだった件』は、元々のウェブ連載版から大幅にボリュームが増え、近年刊行されているストーリーはウェブ連載版から原型を留めていないと言われるほどボリューム感が変化した作品です。大幅な変更への経緯があれば教えてください。

伊藤:伏瀬先生の場合は、ご本人が「こういう風に変えていきたい」という明確な意思がありました。僕はその意見を聞いて「いいっすね」とか「それちょっとやりすぎじゃないですか」と意見を返したりと、壁打ち相手になったくらいです。
唯一、僕からはっきり提案した記憶があるのは、一巻でシズさんのエピソードを増やすということ。逆に言えば、それ以外は伏瀬先生ご自身のご意向に沿った感じですね。

——一方、『魔法書を作る人』は、著者のいくさや先生が最終6巻のあとがきで「内容を省略した」と仰られています。10年経ってみると、ウェブ版から内容を大幅に膨らませた『転生したらスライムだった件』とは作り方が真逆だったのかなとも思えるのですが。

伊藤:そこは少しニュアンスが難しくて、 むしろ5巻まではストーリーが増しているので、その点は『転スラ』と同じです。
『魔法書を作る人』の書籍版6巻に相当する部分は、ウェブ連載版では別の国に行ってどんどん話が広がっていきます。ただ、刊行自体は一旦6巻で一区切りすることになったため、そのままでは区切りのいい終わりにならなくて。そのため、6巻だけストーリーを少し圧縮しました。ウェブ連載版の最後まで携われなかったという意味では、悔しい思いをした作品です。

——ウェブ小説の書籍化は、既存の作品を本にするという意味で、「依頼して小説を書いてもらう」という形式に比べてボリュームコントロールの難しさがあるように感じます。

伊藤:他社さんの作品を見ていても、大判で発売することでボリュームが増える・ページ数が増える傾向はありますね。
読者さんからすれば、元々ウェブ版で存在した部分が書籍化で削られるのは基本的に嫌ですよね。既に世の中に出ているものとなると、どこかを削れば「なんであれをなくしたんだ」という気持ちを抱かせてしまいます。しかも、人によって好きな箇所は違うので、どこを削っても不満が出てしまう。なので、なるべく原作を変えないようにはしています。
もちろん、著者さんとの打ち合わせで、書籍化に際して内容をガラッと変えようとなることもあります。その時は「元々ウェブ版から読んでいた読者さんから不満の声が上がることは覚悟しよう」という話はしています。

——『転スラ』以外の作品でも、意識的に内容を膨らませることはあるんでしょうか。

伊藤:読者さんからは「GCノベルズは改稿が多い」と言われやすいのですが、そういう編集方針があるわけではないです。 基本的には、著者さんとの最初の打ち合わせでどうしていくかを決めます。極端な話、ウェブ連載版の原稿をそのまま書籍化するのが一番効率的ですよね。改稿すれば売上が伸びる訳でもないし、ウェブ連載版の時点で元々おもしろい作品だから、そのままでも全然戦えるはず。ただ、実際に話していく中で「こういうところがおもしろいですね」という会話から、そのおもしろさを伸ばすためにはどうしたらいいかと話し合い、作者さんからも新しい提案が出てきます。なので、改稿前提というより、打ち合わせの中で自然と改稿の流れになることはあります。

主人公のおもしろさ、文章のおもしろさ

——伊藤さんは現在GCノベルズの編集長ですが、ご担当作品は現在どのくらいですか?

伊藤:表に出ていないものも含めると、たぶん15作品前後です。ただ、編集長という立場上、全部の作業を自分で抱えるわけではないです。 細かな作業を編集部内の若い子に振ることはあります。
自分でほぼ全部やってた頃は、最大10作品ぐらいだった気がします。正直、仕事をしていてかなり混乱していました(笑)。世の中の優秀な編集さんの中には、一人で何十本と作品を抱えながら、 Xのプロモーションとかも抜かりない方もいますが、僕は流石にそこまではできません(笑)。

——これまでのご担当作の一つが『アサルトリリィ〜一柳隊、出撃します!〜』です。「アサルトリリィ」のメディアミックスプロジェクトは、2020年のアニメ化、2021年のゲーム化などが有名ですが、GCノベルズは2015年と比較的早い段階でメディアミックスに参加されているように思います。これはどういった経緯で携わることになったのでしょうか?

アサルトリリィ〜一柳隊、出撃します!〜

アサルトリリィ〜一柳隊、出撃します!〜

世界はヒュージと呼ばれる謎の巨大生物に侵略されつつあった。近代兵器をものともしない、恐るべきこの怪物に対抗できるのは、CHARMと呼ばれる魔法の決戦兵器。CHARMは10代の女性と高くシンクロするため、世界の運命は乙女たち「リリィ」に委ねられた。一柳梨璃は、高等教育と合わせた「リリィ」養成機関――百合ヶ丘女学院の新入生。中学生の頃にヒュージに襲われ遭難していたところを、百合ヶ丘のリリィ、白井夢結に救われた。その事がきっかけとなり、自身もリリィを目指す事を決意する。晴れて、恩人でもあり憧れでもある白井夢結が在籍する、百合ヶ丘女学院に入学した梨璃であったが、上級生と合同で行われた初めての訓練で、夢結の不興を買ってしまう!?強力な兵器を手に可憐な少女たちが舞い踊る、ガール・ミーツ・ガール戦記が今始まる。

伊藤:これは、当時の同僚が参加していた交流会で、「アサルトリリィ」を展開しているアゾンインターナショナルにつながる方と知り合ったんです。それがきっかけで先方から企画を持ち込みいただきました。僕も百合が好きなので、「僕もやりたいです」と言っていたら出させてもらうことになりました。 

——ご担当作の中でも『「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい』なども百合作品です。その辺りは、伊藤さんの趣味が反映されているのでしょうか?

「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい 1

「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい 1

「……私、生きてていいんだ」能力値ゼロという身でありながら勇者パーティに選ばれてしまったフラム。唯一持っているのは‘反転’というよく分からない能力。案の定、戦闘ではまったく役に立たなかったが、それでもめげず、健気にパーティのためにと働く彼女を、天才として名高い賢者のジーンは疎ましく思い、ことあるごとにいびり続け、ついには強引に奴隷商に売り払ってしまう。その奴隷商会でも虐げられるフラムは、挙げ句余興として凶悪なモンスターの餌食になろうとしていた。だが、装備したが最後身体をドロドロに溶かしてしまう『呪いの大剣』を手にした瞬間、彼女の人生は急激に‘反転’する。呪いが祝福へと変わるとき、その絶望は反転する――少女と少女が織りなすダークライトファンタジー、ついに登場!!

伊藤:実は逆で、僕自身は自分の趣味を押し出すことはないです、たぶん……。むしろ、編集部員には僕が百合好きだとわかっている分、百合の企画を出すのは若干恥ずかしいですね。「あ、こいつ趣味で出してきてるな」って他の編集部員に思われるのがわかってるので(笑)。
最近は他社さんの作品でも百合作品が増えてきていますし、爆発的に売れてほしいなと思いながら応援しています。

——作家さんにお声かけする際、作品や作家さんのどういった点に注目されますか?

伊藤:僕は一貫して主人公のキャラクター性、主人公の「おもしろさ」を重視します。
少し乱暴な言い方になりますが、いわゆる「なろう系」の作品は、同じようなストーリー構成になりやすいです。すると、キャラクター設定が作品ごとの大きな違いとして現れてきます。 特に、「主人公」は一番読者が接することになるキャラクターなので、そのキャラが立ってないと、他作品との差別が難しいと思っています。だから、主人公がおもしろい・楽しい・かっこいいことを一番重視していますかね。
また、文章自体のおもしろさも大事です。これは「文章のうまさ」ではなく、「言い回しのおもしろさ」のことです。たとえば、スラング表現は使い方を間違えると滑ってしまいますが、うまくハマるとすごくおもしろくなります。
僕の担当作品だと、『田中 ~年齢イコール彼女いない歴の魔法使い~』(以下『田中』)のぶんころり先生が最たる例だと思います。ストーリーもさることながら、とにかく言いまわしの妙が光っていますよね。

田中〜年齢イコール彼女いない歴の魔法使い〜 1

田中〜年齢イコール彼女いない歴の魔法使い〜 1

とりあえず田中は異世界に転生した。現世で死んだままの、ブサイクなおっさんの姿で。神様には超絶イケメンの姿を望んだのだが、無慈悲にも断られてしまったのだから仕方がない。悲しむ間もなく、回復魔法チートだけをもらいこの世界を生きていくことになった田中。しかし街に入ろうとすれば、門番に不審者扱いを受け投獄され、出会う女性にはことごとく冷たくされる始末。それでも田中はめげず、エロ妄想を糧に異世界を満喫しようとするのだが……。※本作品は電子書籍配信用に再編集しております。

伊藤:文章を「うまく」するだけでは、なかなか「おもしろく」ならないのが難しいところです。文章がうまいことは必要な要素ですが、読んでいて楽しいかは別の問題で、おもしろい文章を書ける才能はなかなか稀有なので、その辺りに注目しますね。

『転スラ』のアニメ化は講談社に助けられた

——GCノベルズを牽引してきた約10年(9年5ヶ月)をふり返った時に、印象に残っていることはありますか?

伊藤:強烈に覚えているのは、ぶんころり先生と初めて打ち合わせした時のことです。
雰囲気がいいカフェで行ったんですが、その時の様子をぶんころり先生が「小説家になろう」の活動報告でエッセイ的にまとめられたんです。
その記事の中での僕は、「この人がいいと思うんですよ。どうですか?」と(『田中』のイラスト担当の)MだSたろうさんの成人向けイラストをテーブルの上に並べたり、「作中に『小学生を〇〇〇』みたいな、法律に抵触しそうな表現があるじゃないですか、その辺りはまずいかもしれません。」と人目も憚らず喋ったりして……。客観的にみると、自分が異常者そのもの。自分で自分のことを「こいつヤベえな」って思ってしまった(笑)。
その時は、いろいろ一人で回していたので周りが見えていなかったところがあって、客観的に見た自分の姿に冷静になりました。あれはものすごくおもしろい体験でした。

GCノベルズは、2023年に9周年を迎えた。

GCノベルズは、2023年に9周年を迎えた。

伊藤:あとは、やはり『転スラ』がどんどん盛りあがっていく流れも印象的です。伏瀬先生も担当の僕も、まるで他人事のように眺めていたところがあります。 

——はじめて立ち上げたレーベルで、初担当の作品がここまで大きなヒットになるのは想像がつかないですよね。 

伊藤:やはり運の要素が大きかったと思います。正直、何もわからない状態で、作品だけが大きくなっていくんですよ。 『転スラ』アニメ化の座組みが変則的なのも、その辺りが理由です。
アニメ『転スラ』の原作は、GCノベルズの小説ではなく、講談社さんから発売されているコミカライズという立てつけです。業界でも不思議な例だと言われていますが、この座組みのおかげで、版権周りのさまざまな手続きは基本的に講談社さんが受け持ってくださっていますので、非常に助かっています。
なにせ、マイクロマガジン社としてもアニメ化の例は過去にありましたが、転スラほどの規模のアニメ化経験はないので、何も体制が整っていない。もしかしたら最悪コンテンツをしぼませていた可能性すらあります。 
僕も「自分たちに経験がないなら、経験のある人に任せた方がいい」と思っていたので、講談社さんにお任せすることにしました。 ただ、今考えると会社がよく許してくれたなとは思います(笑)。 

——アニメ化に限らず、コミカライズなどのメディアミックス周りにおいて、伊藤さんはどのくらい関わっていらっしゃるんですか?  

伊藤:僕は、関係者として名を連ねていて、各種情報も共有を受けています。それで、伏瀬先生の隣で言いたいことを言っている……みたいなおいしいポジションです(笑)。強く口を出すことはないですけどね。
逆に、ちゃんと自社で版権を持っているタイプのメディアミックスは、確認することが多くて大変だなと思いながらやっています。 

——コミカライズで印象深い作品はありますか? 

伊藤:『ブルージャスティスここにあり!』ですね。原作の小説は、異世界ものが多い中で現代ものにチャレンジした作品です。めちゃくちゃおもしろくて、装丁も気合いを入れて作ったんですが、一旦刊行は2巻でストップしました。

ブルージャスティスここにあり! 1

ブルージャスティスここにあり! 1

悪の組織の戦闘員として働く男、青井正義。彼は仕事の帰り道で不安に苛まれる。このままで良いのだろうか、と。そんなおり、駅前で出会った車椅子の少女に手渡される一枚のチラシ。それは少女が自ら経営するヒーロー派遣会社『カラーズ』の、ヒーローを募集する求人広告であった。先立つものを得る為に、青井は下っ端戦闘員の傍ら、街を守り、怪人を退治するヒーローとして活動する事を決めるのだった。正義と悪が蔓延る街で、兼業ヒーローの青井正義は小銭を稼ぐ為に今日も戦う。

ただ、今回のように『ブルージャスティスここにあり!』のおもしろさをあちこちで言い回っていたら、「マンガBANG!」を運営するAmazia社の方からコミカライズの提案をいただきました。おもしろいものを出した結果として、後々のコミカライズに繋がったのはありがたかったですね。

ブルージャスティスここにあり! THE COMIC (1)

ブルージャスティスここにあり! THE COMIC (1)

悪の組織の戦闘員として働いて6年間、ずっと下っ端で上の命令に従い悪事を働いてきたクズ野郎、それが俺だ。色々考えないようにしてた。現実なんて見ないに限る。でもあの日、親しい同僚が現場から生還しなかった事で、現実を見ざるを得なくなって、なんか……心が折れた。現実っていうのは思ったよりガツンとくるもんなんだな。……その衝撃が、俺の背中を押したんだと思う。そうでもなきゃ、あんな無愛想な女が配ってた手描きの『ヒーロー募集』のビラになんて食いついたりしてねえ。かくして、俺の『兼業ヒーロー』生活が始まったわけだが、その生活もくそったれなもんでさ……。

——作家さんにお声かけする際に、コミカライズを前提にした「コミカライズをするための書籍化」をされることはありますか?

伊藤:基本的にコミカライズ「も」やる前提で動いてはいます。GCノベルズ編集部には、僕含めて(自社レーベルの)コミックライド担当がいて、最近の企画段階で漫画編集部にも情報共有するなど、自社内での連携を強めています。
ただ、コミカライズのために作品を選んだり編集することは、小説を出す段階では考えないです。そこは、コミカライズの段階で漫画家さん・漫画編集部の皆さんが考える領域だと思いますね。

——コミカライズする際、原作からテイストを大きくアレンジする作品もたまにありますが、コミカライズにおいて「原作とコミカライズの違い」の調整で苦労したことはありますか?

伊藤:難しさを抱いたわけではありませんが、kiki先生の『「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい』のコミカライズ版は特徴的かもしれません。
このコミカライズを担当している南方純先生には、僕からお声かけさせていただいたんですが、南方先生もネーム・下書き・清書と進めていく中で、アレンジをしてくださっています。なので確認が流動的になるのですが、kiki先生にも素早く対応していただけているので非常に有り難いです。。

「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい THE COMIC 1

「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい THE COMIC 1

‘反転’という能力のせいで、一般人よりもさらに非力なフラムは、何故か神のお告げで勇者パーティーに選ばれてしまう。当然戦闘では役に立たなかったが、皆の身の回りの世話を頑張り、パーティを支えていた。だがそんな姿を疎ましく思った賢者のジーンは、彼女をいじめ続けたあげく強引に奴隷商へと売り払ってしまう。そんな、何もかもが絶望に彩られた世界で手にした『呪いの大剣』。それがフラムの、そして売られた先で出会った奴隷少女ミルキットの運命を、大きく‘反転’させる――WEBコミック誌「コミックライド」2019年1月号 2019年8月号 2019年10月号 2019年12月号同単話版1話〜4話を収録奴隷少女は絶望を‘反転’させる――

ウェブ小説市場の変化

——GCノベルズを立ち上げて10年が経とうとしています。その間にウェブ小説業界の変化なども見てきたかと思われますが、その変化で印象的だったことはございますか?

伊藤:作家さんの意識の変化と、市場自体の傾向の変化はあると思います。
作家さんという意味では、最初に色んな方への声かけをはじめた2014年頃の作家さんは、「自分の書きたいもの」を出している印象が強かったです。ただ、ある程度なろうからの書籍化というラインが確立した後は、作家さんたちも書籍化を意識した作品を書くようになった気はします。その変化自体は、どちらがいい・悪いという話ではありません。
二つ目の、市場動向という点。これは、GCノベルズも大変お世話になってきた「小説家になろう」が、商業作品の土壌という意味では、従来の形式で機能しづらくなってきているのではと感じることがあります。最近というよりは、ここ数年の話ですが、ベースにある作品群が、以前に増してテンプレートに寄るようになった。
もちろん、弊社の『魔女と傭兵』や、駄犬先生の『誰が勇者を殺したか』(スニーカー文庫刊)のように、「なろう系」と言われるある種のテンプレートから外れたものが話題になることもあります。 ただ、それは「このテンプレに則ったら市場の中で話題になる」のではなく、「テンプレから外れているから話題になる」……「なろう系テンプレ」の市場動向とは関係なくいきなりバズるという現象です。だから、従来のなろう系市場で新しい作品を生み出したい人には、やや窮屈な場になっているのかもしれません。

GCN文庫の創刊と、これからのGCノベルズ

——2021年には、GCノベルズだけではなく、新しくGCN文庫が創刊されました。こちらがはじまったきっかけを教えてください。

伊藤:実は、大判・新文芸の棚が意外と保守的なんですよね。新文芸の棚に来る人たちは、求めているものがはっきりしている。だから、現代もの・恋愛ものといった新しいジャンルでの勝負が中々できない、大判で出しても売れるビジョンがあまり見えないんです。
一方、ウェブ小説を読んでいると、大判では出せそうにないけどおもしろい作品はたくさんあるし、実際にそういった作品が文庫で書籍化して売れたのを見ました。だから「やっぱりうちでも文庫レーベルがあった方がいいな」と思って、サブレーベル的に作りました。

2021年には、新たにライトノベルレーベル「GCN文庫」が創刊。

伊藤:ただ、やっぱりものすごく難しいです(笑)。まず大判とは価格が違うので、採算をとるための戦略も違います。大判は価格が1000円以上なのが当たり前ですが、文庫はそうじゃないし、価格も変動しづらい。だからページ数を細かく調整したり、並行してプロモーション戦略を考えるなど、苦労しています。
また、これは経験則なので事実かどうかはわかりませんが、文庫の場合は「レーベルのブランド力」も重要だと感じています。
レーベルの知名度がそのまま売上に繋がるわけではありませんが、ただでさえ紙書籍の市場が縮小傾向にあるので、少なくとも書店での棚の占有率・面陳率に影響は出やすいかなと。先ほども話したように、元々大判レーベルをはじめたのはそこを大きく意識しないで済んだのが理由だったので、逆に今苦労しています。

——おそらく、平積みするにしても大判に比べて文庫は面積が小さくて目立ちづらいという課題もありますよね。

伊藤:判型が小さいと目立たないんですよね……。そういった難しさもあるんで、そこを覆すくらいの、『転スラ』レベルの人気タイトルを出さないといけないと思っていますが、中々苦戦しています。

——GCN文庫では昨年「GCN文庫一周年記念~短い小説大賞~」という公募賞を実施されていました。今後、自社レーベルのオリジナル作品を手がけていく予定はありますか?

伊藤:文庫に限らず大判でも、作家さんたちとゼロからおもしろい作品を作り上げていく作業は必要だと思っています。なので、文庫の方からまずは「短い小説大賞」をはじめてみました。短編賞にしたのは、いきなり長編の新人賞というかたちにすると、プロモーションが追いつかないなど作家さんに不誠実な結果が生まれてしまう可能性も考慮したためです。
また、現在も、既にお仕事している作家さんから、僕や他の編集部員に対して新しい作品企画の相談を持ちかけられることもあります。

——現在の編集部は何人体制ですか?

伊藤:社員8人・アルバイトが2人の合計10人体制です。今年から、若い子を新しく4人採用しました。若い子たちはこれからキャリアを積み重ねていく感じですね。
若い子の感性を意識的に取り入れるためにも、若い子を入れました。今、ライトノベル読者層の高年齢化、特に30代以上がコア読者層になってきたとよく言われます。だから当時30代後半だった僕が携わっても、読者にうまく刺さる作品を世に届けることができたんだと思っています。
ただ、それがずっと続くと、当然市場はどんどん狭まっていきます。若い子の感性で作った作品を投げていかないと、いつか見向きされなくなると思うので、今後は若い子が絶対に必要だと感じています。少しでも若い読者を取り戻したい。それは、おっさんになってしまった自分にはできないことなので……(笑)。

——今、GCノベルズ・GCN文庫の中でイチオシな作品を教えてください。

伊藤:一つ目は、GCN文庫で出している超法規的かえる先生の『魔女と傭兵』です。実は、本作は大判(GCノベルズ)で出すべきか迷った作品でもあります。お声かけした段階ですごく評価されていた作品でしたし、主人公のジグを表紙に持ってきて渋めの作品として押しだしても、読者を獲得できる見込みがありました。
ただ、本作はむしろGCN文庫を牽引してくれる存在になってくれるんじゃないかという期待を込めて、文庫で発表させていただくことにしました。この作品は、現在文庫で出版されているものの中でも一番の期待作です。

魔女と傭兵

魔女と傭兵

魔女――。魔術や魔獣が失われた大陸で、唯一超常の力を振るう魔女は人々から恐怖の象徴として恐れられていた。傭兵のジグは国が立ち上げた魔女討伐隊に参戦し、部隊が全滅する中ただ一人生き残り、魔女を追い詰めることに成功する。しかし、討伐隊に同行した報奨金を支払うべき依頼主が死んだ今、もはや命をとる意味がないと、その刃をおろすジグ。道理に合わない行動に戸惑う魔女――シアーシャ。だが、その不思議な感覚に、自分の思いを傭兵に吐露し願った。「私を、誰にも追われない場所まで連れて行ってください」ジグは、高い依頼料を条件にその吐き出された願いを承諾しつつも、そんな場所はこの大陸にはないと非情な現実を伝える。かくして2人はまだ誰も知らない未知なる大陸へ向かうことになった。そこに魔術も魔獣も溢れる世界が広がっていることも知らずに……。web小説発、圧倒的支持を受ける本格ファンタジー待望の書籍化!!双刃、奔る。歪な二人が交わるとき、物語は始まる小説家になろう全38万作の中で、四半期ランキング1位を獲得した超話題(チート)作

伊藤:また、僕の担当作ではありませんが、先日累計5万部を突破して話題になってる角川スニーカー文庫の『誰が勇者を殺したか』の著者・駄犬先生は、GCN文庫で『モンスターの肉を食っていたら王位に就いた件』を出版中ですし、GCノベルズでも『死霊魔術の容疑者』という作品を刊行予定です。駄犬先生は、うちでもフィーチャーしていきたいなと思っています。

モンスターの肉を食っていたら王位に就いた件

モンスターの肉を食っていたら王位に就いた件

ファルーン王国の第一王子であるマルスは、12歳ながら暗殺に怯える日々を過ごしていた。食事には高確率で毒が仕込まれているため、城外の森でモンスターを狩り、その肉を食べて飢えをしのぐ日々。そんなマルスの前にある夜、大剣を担いだ赤髪の美女が現れ告げる。「おまえ、見込みがあるな。私の弟子になれ」。たった一つの勘違いから、少年は(全く望んでないのに)最強の王へと成り上がる――。投稿小説全ての書籍化が瞬く間に決まった驚異の新人、衝撃の2作同時デビュー!少年は(全く望んでいないのに)最強の王へと成り上がるたった一つの勘違いから始まる狂食英雄伝、開幕!

——最後に、今後のGCノベルズ・GCN文庫に関する抱負や、GCノベルズやGCN文庫の読者さん、DMMブックスのユーザーさんに向けてひと言お願いします。

伊藤:GCノベルズについては、『転スラ』や『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』、『転生したら剣でした』、『賢者の弟子を名乗る賢者』に続くヒット作を更に世に出していきたいです。 GCN文庫は、レーベル認知の突破口になるような作品を読者の皆さんに届けたいですね。
また、僕が担当した作品は『転スラ』が一番有名ですが、それ以外にもおもしろい作品ばかりです。特に『魔法書を作る人』は初期作品なこともあり思い入れが強いので、ぜひ読んでいただければと思います!

乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 1

乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 1

剣と魔法の‘乙女ゲー’の世界に転生した、元日本の社会人だったリオンは、その女尊男卑な世界に絶望する。この世界では、男なぞは女性を養うだけとの家畜のようなものであった。例外なのは、ゲームで攻略対象であった王太子率いるイケメン軍団ぐらである。そんな理不尽な境遇において、リオンはある一つの武器を持っていた。そう前世で生意気な妹に無理矢理攻略させられていたこのゲームの知識である。本当は田舎に引きこもりのんびりとしたいリオンだったがその知識を使い、やりたい放題の女どもとイケメンに、はからずも反旗を翻すのだった。ド外道主人公による、爽快(?)下克上ファンタジー開演!

転生したら剣でした 1

転生したら剣でした 1

気がつくと異世界に転生していた。普通の人間としてではなく、剣として。さらに周りを見渡せば、魔物が闊歩する危険な草原地帯。身の危険を感じた主人公は自分の体を浮かせる能力を駆使して魔物を狩っていく。そんな折、休憩として地面に刺さった瞬間、能力が発動しなくなり動かなくなってしまう。途方に暮れる主人公の前に、奴隷姿の猫耳少女が突如として現れるのだが……。※本作品は電子書籍配信用に再編集しております。

賢者の弟子を名乗る賢者 1

賢者の弟子を名乗る賢者 1

VRMMO『アーク・アース オンライン』で、九賢者の一人という渋い召喚士「ダンブルフ」としてロールプレイしていた咲森鑑(さきもりかがみ)は、プレイ中の寝落ちを境にゲームが現実となった世界へと飛ばされてしまう。しかも、老練な渋い賢者の姿ではなく可憐な少女の姿となって……。このままでは築き上げてきた賢者の威厳が失墜してしまう!そう考えた咲森鑑ことダンブルフは、賢者の弟子「ミラ」と名乗るのだったが――。美少女転生冒険ファンタジーの金字塔、ここに開幕!※本作品は電子書籍配信用に再編集しております。

魔法書を作る人 1

魔法書を作る人 1

異世界へと転生した四万十静(しじましずか)は、ラクヒエ村に住む7歳の少年シズとして第二の人生を送ることになった。この剣と魔法のファンタジー世界で、前世とは違う人生を送ろうと誓うシズだったが、結局自分の殻に閉じこもり大好きな魔法の訓練に没頭してしまう。そんな中、自身の猫耳と尻尾をコンプレックスに感じ、中々人となじめない美少女リエナと出会う。折しもその時、ラクヒエ村には怪しい影が迫っていた――。※本作品は電子書籍配信用に再編集しております。

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