【書店員厳選】2023年11月の新刊おすすめ5選

並行世界の君君僕僕

並行世界の君君僕僕 1巻

• 津々浦
• 芳文社

ある朝、牧瀬詠太が目を覚ますと、そこはいつもとほんの少しだけ異なる「並行世界」だった。大きく違うのは、この世界ではクラスの気になる女子・酒井実生が自分の「彼女」だということ――。二つの世界を行き来する、中学生たちの青春ラブストーリー！

　気になるクラスメイトが「彼女」の世界と、そうでない世界を行き来する日々を描いた中学生の青春SFラブストーリー。
　ある朝、いつもの日常とは異なる「並行世界」で目を覚ました主人公・牧瀬詠太（まきせ・えいた）。その世界ではクラスの気になる女子・酒井実生（さかい・みお）が、なんと「彼女」になっていて！？　しかし、そんな世界もまたつかの間。元の世界に戻った詠太は、両方の世界を行き来することになります。
　主人公のライバルは「並行世界の自分」という斬新な展開が見どころです。繊細に描かれた思春期ラブコメのディテールにドキドキさせられること間違いなし！

大怪獣ゲァーチマ

大怪獣ゲァーチマ（1）

• KENT
• 講談社

圧倒的スケールと徹底的ディテールで、人と怪獣の繋がりを描くSFドラマ！ 連載開始後即X（Twitter）のトレンド入りした話題作、待望の第1巻！海から突如出現した怪獣と共に起きた大波で、港町・匡波町は被災した。活動を停止した怪獣は、海に溶け魚介類の豊かな栄養素となり、匡波町の経済を潤し、豊穣の神ゲァーチマと呼ばれるようになった。被災者である少女・杜野宮矢子がその出来事を形に遺すべく作ったゲァーチマの人形は、土産物として販売され人気を集めていた。しかし、復興した匡波町に10年ぶりに怪獣が現れ…。怪獣は人類の敵か味方か？

　大怪獣と人のつながりを描いたアクションSF大作！
　突然海から現れた怪獣ゲァーチマと、共に起きた大波で被災した港町に住む少女・宮矢子。怪獣が溶けた海は魚介類が豊になり、豊穣の神と呼ばれるようになりますが、10年後、復興した町に再び怪獣が現れ……。
　ゲァーチマと名付けられた怪獣は人類の敵なのか、それとも味方なのか。怪獣を救世主として追う人物や、怪獣生物研究機構FUNEなどを巻き込みながら物語は盛り上がっていきます。怪獣のデザインや可燃性の泡を吐き出す独特で魅力的な設定、そして何より迫力満点の戦闘描写など、読まない理由がない一作です。
　『ゴジラ-1.0』や『ゴジラxコング 新たなる帝国』で盛り上がる昨今の怪獣界隈。ガメラシリーズ監督の樋口真嗣お墨付きの本作は、数多の怪獣作品に引けを取らない作品です。

部長は少女漫画家

部長は少女漫画家（1）

• 古都かねる
• 講談社

竹井エレクトロニクス（株）営業部の課長・白崎翔は、上司の部長が副業していないかの調査をするよう、社長直々に依頼される。史上最年少で課長に抜擢され、他人に厳しく自分にもっと厳しいと評される白崎だが、実は彼には、人には言えない秘密があった…！ 副業あまいか、すっぱいか！？ すべての会社員に捧げる異色リーマンコメディ！！

　異例のスピード出世した部長の正体は、新人少女漫画家！？　漫画家の副業が会社にばれないように左遷のリスクを負いながら、綱渡り生活をこなす主人公・白崎翔。さらには部長と課長を兼任することになり、ドタバタが加速していく日々を描いたギャグ作品です。
　会社での仮面生活と、迫り来る締め切りの切迫感が密度あるコメディを形成しています。働きながら夢を追いかける社会人のお仕事漫画としても、胸がアツくなります。

三國さんのバラ園

三國さんのバラ園（1）

• 澤枝すぽこ
• 講談社

三國玄一郎（みくに げんいちろう）63歳。バラ農家を引き継ぎ45年。丹精込めてバラを栽培する彼を、人は’職人’と呼ぶ。しかしこの男、貫禄あるシブい見た目とは裏腹に、趣味・趣向は誰よりも’乙女’であった。己の虚像によって願望がセーブされてきた三國だが、女子高生がアルバイトの面接にやってきたことから、そのブレーキは変調を来すようになり…！？

　バラ農家を引き継いで45年の主人公・三國玄一郎（みくに・げんいちろう）。貫禄ある外見とは裏腹に、趣味嗜好はとても「乙女」な三國さんの、周囲を気にして素直になれないささやかな葛藤の日々を描いた作品です。
　作者のバラへの愛情と取材を基に丁寧に描かれた美しい作画はもちろん、ユーモラスに描かれる三國さんの心情や恋愛模様（？）にほっこりします。大切にバラを育てる三國さん。ひたむきに好きなことを追い続けるお仕事漫画が好きな方におすすめです。