2023年に復刻版としてよみがえった伝説の不良漫画『疾風伝説 特攻の拓』。復刻版にあわせて、ファン待望の電子書籍版が発売されました。今回は電子書籍解禁を記念し、原作者の佐木飛朗斗先生に独自インタビューを実施! 文学や音楽に精通し、独自の世界観を表現する佐木先生。制作秘話や、漫画での新しい試み、キャラクターやセリフ作りのこだわりなど、ファン必見の貴重なエピソードが盛りだくさんです。
目次
プロフィール
神奈川県横浜市出身。16歳の頃から音楽誌にて小説を連載。小池一夫のスタジオシップを退職後は、代表作『疾風伝説 特攻の拓』をはじめ、『R-16R』『爆麗音』など、暴走族や音楽を主題とする漫画原作を手がける。ロックバンド「外道」と共同制作したイメージアルバムでは作詞とギター演奏を担当するなど、音楽活動も行っている。
『疾風伝説 特攻の拓』制作秘話
求められたのは「リアリティ」

ーー1990年代の『週刊少年マガジン』は、『カメレオン』や『湘南純愛組!』など、『疾風伝説 特攻の拓』と同時期に多くの名作不良漫画を生み出しました。不良漫画全盛期に『疾風伝説 特攻の拓』の企画が生まれた経緯や、当時のエピソードがあれば教えてください。
80年代に小池一夫先生のスタジオシップという出版社で漫画を書き下ろしていました。その頃、とあるプロダクションのパーティに参加したら、「スタジオシップの佐木さんですか? 暴走族で有名な方ですよね!!」と声をかけられて(笑)。確かに第三京浜道路をカワサキのナナハンで通勤していたけど、別に暴走族だったわけではないですよ。なぜか話が大きくなってしまっていたようです。
そこにたまたま当時の『週刊少年マガジン』の編集者N谷君がいました。暴走族の話がでたとき、うれしそうに企画の話を持ち出してきたんです。その後「もう時間がないから、打ち合わせがしたい。作画担当と掲載は決まっています」って電話がかかってきました。驚きつつも、N谷君の熱意もあってまず1話目と2話目が読み切り前後編として『週刊少年マガジン』で公開されました。
ーー浅川拓という弱いけど優しい男の子が主人公になった経緯を教えてください。作品のコンセプトはすぐに思いついたんですか?
担当編集者のN谷君が、弱い子が強くなっていく物語にしたいと話していたんです。どうしたらリアリティがありつつ具現化できるかを考えて、強力な力を持つキャラクターとの友情物語にしようと思いました。だから、物語は秀人と拓の出会いからはじまります。
後は、とにかくリアリティがある作品を作りたがっていました。『週刊少年マガジン』といえば、10歳の頃から読んでいましたが、『あしたのジョー』『愛と誠』『デビルマン』などの名作があります。70年代の頃からリアリティがある物語が多かったですね。『デビルマン』はSFですが、物語の中の人間の本性をえぐり出すような描写のリアリティに衝撃を受けました。
とことん突き詰めたバイクや音楽へのこだわり

『疾風伝説 特攻の拓』3巻より
ーー作中のバイクや音楽の描写にもこだわりを感じました。
単車は車種や型式はもちろん、パーツから細かく指定しました。インターネットがない時代だから、写真の切り抜きを貼り付けて「マフラーはヨシムラのこれ」とか。「デビル管だったらこっち」とか。デビル管も何種類ものサイレンサーがありますからね。
絵に関しては、作画担当の現場にバイクに詳しいアシスタントがいたので助かりました。単車も楽器も、好きな人間にはかっこよく見える角度があるのですが、彼のおかげでコマのアングルを決めるときに話が早かったですね。
ーー作品を読んでバイクに興味を持つ人も多いと思います。
30年以上の時を経て、作品をきっかけに若い世代が日本の単車に興味を持ってくれたら嬉しいですね。作中に登場する多くの単車は、私が10代の頃から大好きなマシンたちです。また登場人物たちとの組み合わせも趣向を凝らしました。キャラクターとマシンが一体化すると、ある種の対位的なハーモニーが生まれる様にするためです。
そういう思いもあって、大好きなマシンを登場させる時は愛情を込めています。そして、実在する部品(パーツ)で「具現化可能な調律(チューニング)」を目指しました。
ーー音楽に関しても楽器にこだわりを感じました。
楽器や奏法だけではなく、アンプやオーバードライブペダルにもこだわりました。作品では音色(トーン)という言葉を使って、ミュージシャンたちが何を求めて機材を選ぶのかをきちんと描写するようにしていました。これまでの漫画にはなかったものを実現したかったんです。「とにかくやるんだったら、誰もやっていないことをとことん突き詰めてやろう」と思っていました。
天羽・セロニアス・時貞という天才
ーー天羽・セロニアス・時貞が宮沢賢治の『春と修羅』の詩を暗唱するシーンが印象深かったです。詩と天羽の過去・苦悩がリンクしたときには、切ない気持ちになりました。どのような経緯で作中に詩を取り入れようと思ったのでしょうか?

『疾風伝説 特攻の拓 外伝 〜Early Day’s〜』3巻より
単純に私の愛読書だったからです。『春と修羅』はタイトル通り、人間をえぐっている内省的かつシリアスな作品で、賢治本人の心象にある巨大な喪失感を著した詩集です。個人的には、ボードレールの『悪の華』や、ランボーの『地獄の季節』と並ぶ世界文学史上最も美しい詩集の一つであると確信しています。
時貞に関しては、苦悩の天才を描いてみようと着想しました。そのなかでも、インスパイアされるものを織り込みたいと。宮沢賢治の『春と修羅』に対するレクイエムの様な気持ちもありましたね。「もっとこの作品を世に知ってほしい。キャラクターと私の言葉の世界を作品内で融合して、鮮烈なハーモニーとなって読者に伝わってくれたらいいな」と思っていました。
ーー確かに、カリスマ的な才能を感じる存在でしたね。
時貞に関してはおもしろいエピソードがありますよ? 最初の時貞のキャラクター構想として、登場してから6週間で死ぬ設定にしていました。ところが、6週間ではとうてい書き切れなくて……。
本来は、稲妻のように一瞬で現れて一瞬で炸裂して、一瞬で作品からいなくなるイメージでした。でも、書けば書くほど全然終わらなくて、担当編集者も「やっぱり時貞君が死ぬのはいやです」と言い始めたり(笑)。時貞編を書いているときに、「時貞君は死ぬんですか?」とファンの方に声をかけられたこともありました。熱狂的なファンレターも多くいただきましたね。
時貞を好きだって言ってくれるのはとても嬉しいです。あの狂おしいほどの感情や、祈るような何か正体のわからないものに自分自身が抑圧されて、それを解放し、また昇華させなければならない。「正体がつかめない感情を昇華させて具現化できないと、天才は苦しみの中に沈んだだけのものになる」というのが当時の私の天才の定義でした。
ーー増天寺のライブで龍が出てきたときに、時貞の抱えていたものが昇華されたように見えました。セットリストも名曲ばかりでしたね。
実は、時貞がギターで弾いたドヴォルザーク作曲「新世界より」は、宮沢賢治の作品にも登場します。パガニーニの無伴奏ヴァイオリン曲である「カプリス」2番3番も一緒にセットリストに載せました。
他にも、クロスオーバー系やフュージョン系の曲も入っていれば、セックス・ピストルズのようなパンクナンバーも入っています。ライブに乱入した良は、イメージ的にロックンロールバンドのクールスです。漫画は音が出ませんが、読者にイメージを知ってほしかったのでセットリストはあえて既存の曲で作りました。
ファンと一緒にバンド演奏!? 驚きの読者プレゼント
ーーチーム名の外道は、セットリストにも入っているロックバンドの「外道」から取ったのでしょうか?

『疾風伝説 特攻の拓』1巻より
その通りです。あと鳴神秀人の名前は、外道のギタリスト・加納秀人さんから。私は中学生の頃から外道の大ファンです。彼らは暴走族ではありませんでしたが、ライブ会場には暴走族が2000台、3000台と集まりました。作中の増天寺のライブは、実際に芝の増上寺で行われた外道のライブをイメージしています。
後に秀人さんとは友人となり、ライブハウスでジャムったり、作品のイメージアルバムを一緒に制作しました。私は作詞と一部の演奏を担当しています。セットリストの最後に新世界のロックバージョンが入っています。増天寺のライブをイメージして、スタジオに単車を運んだり、スタジオの前の道路でバイクの音を吹き込んだりもしました。
ーー本格的に音楽もされていたんですね。
16歳の頃から新宿や横浜のライブハウスで弾いていましたし、当時連載中には、ベースとドラムを読者から公募して読者プレゼントのCDを作ったこともありましたよ? 誰もやったことがないことをやりたくて、編集長に提案したら大賛成してくれました。読者プレゼントとして、2000枚ぐらいは作ったと記憶しています。
ーーたくさん応募が来そうですが、最終的にどうやって選んだのでしょうか?
段ボール2箱分ぐらいのテープとビデオが届きました。ファンサービスも兼ねていたので、たくさんの応募者と話をしましたよ? でも肝心なのは音楽なので、技術と音楽的なセンスを基準に選びました。まずはドラムはパワフルなファンクが叩けること、ベースはチョッパーが弾けること。そういうものが一瞬で感じ取れるグルーヴを大事にしましたね。

左が佐木先生と外道・加納秀人さんがコラボレーションしたイメージアルバム。右がファンと一緒に制作したオリジナルCD。
余韻を残したラストシーンについて
ーー最後に拓が暴動を止めに入ったシーンは、結末を詳細に説明しない余韻が残る終わり方のように感じました。
27巻ですね。「私はこうだけれども、みんなはどう?」と問いかけることを作品全体を通して意識しています。例えば、映画は俯瞰的に画面を見て楽しみますが、歌舞伎やシェイクスピアの舞台劇、ワーグナーのオペラのような舞台は、観客席に向かって演技しますよね。同様に私の作品も、読者に向かって書くべきだと感じています。読み終えたとき、読者の皆様が私と会話をしたかのように感じていただければ、こんなに嬉しいことはありません。
ちなみに、漫画は27巻で終わっていますが、続きは小説で描いています。作中に登場する「スピードの向こう側」についても、誰がどこに到達できたのかは、小説を読んでいただければ感得していただけると思います。
魅力的なキャラ作りの秘訣は?
大切なのは「不完全を描くこと」

『疾風伝説 特攻の拓』2巻より
ーー主人公の拓のような愛されキャラや、個性的な不良キャラも本作の魅力だと思います。魅力的なキャラクターを作る秘訣はありますか?
「キャラクターを立てる」ことは、いわゆるアイキャッチ的な役割で、「人間を描く」ということは別物だと思っています。私が大切にしていることは、「不完全を描くこと」。つまり、どんな人間でもパーフェクトなど在り得なくて、不完全だからこそ美しかったり醜かったり、笑えたり泣けたりすると思うんです。人間とは、矛盾していて不完全な生きものだと確信しています。
例えば、主人公の拓は素直で敵にも優しい。でもかっこつけてみたり、小ずるいところもあったり。鰐淵は、千の夜叉神のトップに立っても結局は死んだ友達と目指していたものが忘れられなくて、いつまでもそこに執着して離れられない。そういう不完全さがおもしろいと思っています。
私の作品では、多面的な場面の切り替えが多いですね。例えば拓がこう動いているときにマー坊はどう動いているか。秀人はどこにいて、緋咲は何をしているのか。作品の中で登場人物たちは生きていて、呼吸をして、考えている。そこを描くことが私の信条です。これも作中のハーモニーを対位法的に顕す音楽的表現です。
ーー確かに、キャラが全員集まるわけではなく、それぞれで行動している様子が見られるところもおもしろかったです。
それで、読者の「これは絶対伏線で次はこうなる」っていう読みを外しちゃうこともありました(笑)。「なんだよ会えないのか」とか、「間に合わないのか」とか(笑)。
でも、思うように上手くいかないことって現実にはたくさんありますよね。ドラマだったら、恋人の帰りをアパートの前で待っていて、雨が降って「もう帰ろうかな」って思っていたら恋人がタイミングよく現れたり。でも現実では、ずぶ濡れになっても全然恋人は帰ってこなくて、諦めて一人で帰ることが多々あります。それがリアリティです。上手くいくこともあれば、上手くいかないこともある。ただその中でも、拓は極めて強運の持ち主ですね。
ファッションは変わっても、本質的なところは変わらない
ーー先生にとって「不良」とはなんでしょうか?
令和の時代には昔のような派手な不良はいないと言われていますね。確かにファッションや遊び方は変わったと思いますが、不良は昔から今の時代にもいて、本質的には変わるものではないと思います。
私の作品では、登場人物たちが強い生き物になることを目指していますが、強い生き物と言うのは、単に喧嘩が強いと言うことではないのです。
どんな動物の世界でも、生まれてすぐに強弱を決め合います。例えば子犬を10匹ぐらい同じ場所に集めたとすると、みんな力比べを始める。人間で例えれば、幼稚園から小学校・中学校あたりで力比べを行います。その方法は、腕力や学力、体力、技能だったり。例えば腕力で負けた人は必死に勉強して将来出世コースを目指すかもしれないし、100m走のタイムの最速を目指すのかもしれません。腕力で勝った人は、その後の人生で経済的にその人に勝てないこともあるかもしれない。あるいは格闘技で世界一になるかもしれません。けれどもそれで人生の勝ち負けがついたことになるかは他人には判断できないと思うんです。自分の人生がどうだったかは、本人にしか判定できません。
ーー深いお話ですね。
そういう意味では、不良と呼ばれる子たちは戦い方が違うだけで、もしも自分がいいようにやれるような世界であれば、誰も不良とは呼ばれないと思うんです。ちなみに1978年、当時の音楽雑誌の編集部に入り浸り、新宿のライブハウスで爆音で弾いていた16歳の私は、見事に不良と呼ばれていましたけれども(笑)。
ーー登場人物たちは強い生き物を目指しているとのことですが、作中の中で誰が喧嘩が強いのかがファンの間で話題になることもありますね。先生の中で最強キャラの想定はありますか?
実際に喧嘩をしてみると分かると思いますが、力が拮抗している場合、そのときの運や体調にも左右されるので、「一度勝ったらあいつよりも強い」と言えるような世界ではありません。これは武術、格闘技の世界でも同じだと感じます。
でも読者の方が「一番強いのは○○だろう」と予想しながら話してくれるのは、作品にリアリティを感じてくれているようでとても嬉しいですね。
数々の名言を生み出した創作の美学
音がない世界で大切なのは、テンポ・語感・発音
ーー鰐淵の「“事故”る奴は・・・・“不運”(ハードラック)と“踊”(ダンス)っちまったんだよ・・・・」のような名言や、爆音小僧、朧童幽霊(ロードスペクター)などかっこいいチーム名が印象的です。佐木先生のこだわりや言葉の美学について教えてください。

漫画は音がない世界なので、セリフはこだわっています。テンポ、語感、それから読んだときの発音を大切にしています。
キャラクターには、それぞれ音程があります。例えば鰐淵だったら低い音程、マー坊は男の子にしては高い音程。キャラクター自身が持つ音程が柱で、物語は周りをつつむメロディなんです。そして、ページのコマ割りがテンポ。読者の目線滞空時間を考えてコマ割りを考えています。
読者の感覚として、セリフが短くても大きなコマには長く目線の滞空時間を取るでしょうし、逆に小さくて印象が薄いコマはすぐにページをめくると思います。そういうテンポ作りをコマ割りで意識しています。
漫画と舞台や映画との違いは、音がない代わりに、読者がページにとどまっていられるところです。咀嚼しながら自分のテンポで読めるので、「ここを読んでほしい、感じてほしい」という部分をちゃんと作るように留意しています。
だから、どのキャラクターがどんな状態で誰に対してそのセリフを言うのか、が重要です。
ーー絵に当てはめる形でセリフを作っていたのでしょうか?
最初の脚本の時点で、セリフはほぼ入っています。大きなコマや見せ場のアクションシーンは、人物の立ち位置や視点なども脚本に書き込みます。そこから編集者がチェックした後の絵コンテでコマ割りされたものをチェックして、変更することもあります。さらにラフ段階や校了前にも確認して、絵の調整をお願いし、同時にセリフも調律していきます。セリフ回しを変えてテンポを変えたり、あるいはまったく新しい字幕を追加することもあります。
ーー綿密な調整を重ねて名場面や名ゼリフが生まれたんですね。
ありがとうございます。そう感じて読んでいただけたらとても嬉しいです。
ーーセリフや作中に「!?」が多く使われているのも印象的でした。
当時の担当編集のN谷君が「!?」大好きでしたね。当時『週刊少年マガジン』の彼の担当作品にはよく使っていたと思いますよ?(笑)

『疾風伝説 特攻の拓』5巻より
ーー担当編集者の方のこだわりだったんですね。ヤングマガジン公式Twitterでは、作中に「!?」が全部で5785個出てくると書いてありました。
ページの上段には大体入れていましたからね。特に場面が盛り上がっていくと、エスカレートして多くなります。N谷くんも物語に入り込んで、エキサイトしながら「!?」を入れていたんだと思います。
また、この作品の作画担当の所氏の絵柄は、音色に例えると、とても暖かい音色を持っていると感じます。連載当時、彼の暖かい音色がより際立つような調律を常に意識していましたね。
言葉にならない神髄を具現化させる
ーー佐木先生は、音楽や文学など幅広く精通されていますよね。なにかルーツなどはあるのでしょうか。
「人格は、音楽と文学で形成される」とは、ドイツの文豪トーマス・マンの言葉です。子どもの頃は、母のロシア文学全集でドストエフスキーやチェーホフ、トルストイやゴーリキーを読みました。ドストエフスキーは『罪と罰』が有名ですが、私は『カラマーゾフの兄弟』が大好きです。こんな素晴らしい作品を越える作品が、今後世の中に出てくるのかと思うほど凄まじく、また様々なものを感得できます。
文学と音楽は人間の限界を極めているものの代表ジャンルの一つだと思っています。例えばクラシック音楽だと、ホロヴィッツが弾くラフマニノフのピアノソナタや、フルトヴェングラーが指揮を執ったベートーヴェンの第9には、言葉にならない神髄が存在していると感じます。また、ブルーズならジミ・ヘンドリックスの「Red House」もまた然りでしょう。
私が作品でたくさん言葉を使っているのは、言葉と言葉の間にある神髄を具現化させるためです。言葉にはならない神髄を伝えようとするほど、言葉の数が多くなりますね。
令和の読者に伝えたいこと
新しい形で拓の世界を体験してほしい
ーー今回復刻版の発売と電子書籍解禁にあたり、令和世代の若い人たちにも読まれることになると思います。作品のメッセージとして、読者に伝えたいことはありますか?
連載を始めた当初から30年以上経ちましたが、今でも昔からの読者で作品を愛してくれているファンの方々がいらっしゃいます。そして、今回電子書籍という新しい形で出版されることは本当に光栄なことだと思っています。
新しい読者の方には、初めて読む作品としてそのまま素直に楽しんでほしいと思っています。登場人物たちが何を望んで、苦しみ、何のために戦い何を得るのかを感じてほしいと思います。
作品から得るものがあって、ほんの少しでも苦しい現実を忘れることができたり、立ち向かう勇気や人生のかてになるような何かを感じてもらえたら、これ以上に嬉しいことはありません。ぜひ、拓の世界を体験してください。
最後になりましたが、全ての読者の皆様と、作品に携わっていただいた講談社の皆様に特別な感謝を。

天羽・セロニアス・時貞が使っていたギターのモデル、ルビーヴァーミリオンのサドウスキー
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