「次にくるマンガ大賞」は、「次にくる」と思う漫画をユーザーから募集し、ノミネートから投票形式で対象を選ぶユーザー参加型のマンガ賞。2014年から2023年現在まで、毎年開催されています。
そこで今回は、年間1,000作品近く漫画を読んでいるDMMブックスの書店員が「第1回次にくるマンガ大賞」の中から、おすすめの作品を2作品厳選! 顔の美醜をテーマにしたヒューマンドラマや、幻想的な世界観を持つ作品といった異なる魅力を持つ作品をピックアップしました。
どくしょ部編集部のイチオシ漫画
累(全14巻完結)
「美醜」をテーマに描かれた松浦だるま圧巻のデビュー作です。
美しい見た目と演技力の高さで伝説の女優と呼ばれた母を持ちながら、主人公・淵累(ふち・かさね)は二目と見られないほど醜悪な顔。周囲からいじめられる日々を送っていました。彼女は顔と声を入れ替えることのできる口紅を見つけたことで、夢見ていた女優の道を目指していきます。
本作の根本的なテーマは「美醜」「ルッキズム」。累の持つ美への強い執着、自分自身への劣等感は、読む人の心をつかみます。一方で、口紅の力を通して美人だからこその不幸や美しいことの後ろ暗い側面も描いているのが魅力。その他、少しずつ明らかになる口紅の秘密や母の過去、美に翻弄され何度も罪を繰り返した累、それぞれのキャラクターが持つ背景も大きな見どころです。
本作は「第39回講談社漫画賞 一般部門」にもノミネート。2018年には土屋太鳳や芳根京子を主演に迎えて映画化し、話題を呼びました。
魔法使いの嫁
幻想的な世界観が多くの読者の目を引く、人気のファンタジー作品!
生まれつき人以外のモノが見えるせいで孤独になった主人公・羽鳥智世(はとり・ちせ)。生きる方法も持たずオークションにかけられていたところ、魔法使いのエリアス・エインズワースに買われ、弟子となります。魔法の力が存在する世界の英国を舞台に、人ではないものとの関わりを通して周囲や自分自身と向きあっていきます。
英国ファンタジーとしての魅力はもちろん、本作のおすすめポイントは智世とエリアスの感情の変化です。自分の体質のせいで母親が自殺し、家族も離れていったせいで感情の起伏が人に比べて乏しい智世。人間でないが故に、一見してやさしいものの心の底では人間を理解していないエリアス。本作は、そんな二人が少しずつ心を通わせながら成長していく様子を丁寧に描いています。
本作は「このマンガがすごい!2015オトコ編」で2位を受賞、アニメ化もされており、シーズン2が2023年4月から放送開始。穏やかなヒューマンドラマが好きな方には読んでほしい作品です。
終わりに
DMMブックスの書店員が選ぶ、「第1回次にくるマンガ大賞」のおすすめ作品はいかがでしたか? それぞれが圧倒的な世界観を放ちながらも、キャラクターが織りなすドラマに共感したり、深く考えさせられたりするような作品を選んでみました。ぜひチェックしてみてください。
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