言葉がテーマのおすすめ漫画3選 言葉の大切さに触れる

 5月18日は「ことばの日」。5(こ)+10(と)+8(ば)という語呂合わせと、言葉の意味を考え大切にし、人との繋がりで暮らしを豊かにするという事を目的に制定されています。
 今回は言葉をテーマにした作品を、年間1,000作品近く漫画を読んでいるDMMブックスの書店員が3作品厳選! 言葉を知ることで自分自身を深く理解したり、自分自身の気持ちを表現することもできるようになります。ベストセラー小説『舟を編む』のコミカライズをはじめとして、言葉を使った能力バトル漫画、言葉が獣の姿として描かれる奇想漫画など、言葉の持つ力や意味を考えさせられる作品ばかりです。

言葉が「絵」で表現されたおすすめ漫画

 同じ言葉でも、使う人や受取手によって真意が違ってしまったら? そんな言葉を絵で表現するおすすめの漫画を1作品ご紹介します。

言葉の獣

言葉の獣 (1)

言葉の獣 (1)

言葉を<獣>の姿で見ることができる共感覚の持ち主・東雲と、詩に強い関心を持つクラスメイト・やっけん。二人はふとしたきっかけから、東雲の持つ’ある目的’の為に協力し合うことに。東雲が<生息地>と呼ぶ場所に獣たちは棲んでいるらしい。言葉の扱われ方によって変化するその場所で、二人は様々な<獣>に出会っていく…。言葉とは何か、詩とは何か。連載開始時から大反響の話題作、待望の第1巻。

 「だって君、一つの言葉に対して考え尽くしたことある?」 

(1巻第1話 「悪意なき耳と目」より)

 詩を愛する少女・薬研(やげん)は、クラスメイトの東雲が「言葉が獣の姿で見える」ことを知ります。薬研は、「美しい言葉の獣」を探している東雲に協力しながら、何気なく使っている言葉の意味について深く考えていきます。
 「言葉を獣の姿で表現する」というアイデアが光る本作。日常やSNS上で行われる言葉の応酬に潜む真意を、ファンタジーな獣の姿で描いているのが魅力です。
 似たような言葉でも意味が対になってしまったり、同じ言葉でも人によって扱われ方が違ってしまったり……。言葉の意味について考えるきっかけになる作品です。イマジネーションあふれる獣のビジュアルにも注目です。

おすすめの言葉を使ったバトル漫画

 言葉を使った「能力バトル」がおもしろいおすすめの漫画を1作品ご紹介します。

ウェルベルム-言葉の戦争-

ウェルベルム-言葉の戦争- (1)

ウェルベルム-言葉の戦争- (1)

’言葉’で闘う 頭脳型能力バトル!脚本家を目指す高校生・入間ケイジ。彼はある日、「動詞」の力で殺し合う’言葉集め’のゲームに招待される…参加を決意した彼が引き当てた動詞は「開く」。主語と目的語を入れ替えて呪文をつくればどんなものでも’開ける’能力らしいが―――!?’言葉’を駆使して、生き残れ―――究極のワード・サバイバル、開幕!!

 「動詞」を使った異色のバトル漫画!
 主人公・入間ケイジは脚本家を目指す高校生。ある日いとこの花里真紀から、「言葉集め」をするゲームの存在を知ります。日常を変えたくて参加を決めたケイジですが、実は生きるか死ぬかのサバイバルで……!?
 使える動詞は一人一つのみ。動詞に関連することならなんでもできるという設定なので、頭脳バトルとしての見どころや、読者の予想を上回る展開などが魅力です。ケイジが与えられたのは「開く」の動詞。読み方一つで意味が変わり、使いどころに発展性が生まれたりと、言葉遊びのような感覚があるのもおもしろいです。デスゲームが好きな方にもおすすめな作品です。

言葉をテーマにした名作小説のコミカライズ

 映画化にアニメ化と、ベストセラー小説として名高い作品のコミカライズを1作品ご紹介します。

舟を編む (上)(全2巻完結)

舟を編む (上)

舟を編む (上)

玄武書房・第一営業部に勤める馬締光也は、言葉に対する鋭い感覚を買われ、辞書編集部に迎え入れられる。新しい辞書『大渡海』の完成を目指し、言葉という絆でつながった人々とともに、馬締は辞書の世界へ没頭してゆく――。本屋大賞受賞の大ベストセラー小説、待望のコミカライズ!

 「2012年本屋大賞」を受賞し、松田龍平、宮﨑あおいをキャストに迎え映画化、さらにはアニメ化と人気を博した名作小説のコミカライズをご紹介します。
 玄武書房・辞書編集部で作られているのは、新しい辞書「大渡海」。辞書編纂のために第一営業部から引き抜かれた馬締光也が、新たな辞書を作り上げるまでが描かれています。

「もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠とした大海原をまえにたたずむほかないだろう」

 (1巻第1話より)

 作中で「大渡海」の作成について語られたこちらのセリフ。舟を辞書と例え、正しく伝えるために、言葉を知ることの重要性を教えてくれます。「大渡海」の完成にかかった年月はなんと10年越え。言葉の選定、配置、紙質へのこだわりなど。一つの辞書を作るために情熱をかけた人々のドラマに、辞書を引きたくなるような作品です。

終わりに

 言葉をテーマにしたおすすめの作品はいかがでしたか? 日常的なコミュニケーション手段としてあたりまえに用いられるのが言葉です。身近な言葉でも人や使い方によって意味が変わってきたりと、改めて言葉のもつ力・大切さについて考えさせられます。
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