4月27日は「哲学の日」、俗説では古代ギリシャの哲学者ソクラテスの命日とされています。哲学を意味するphilosophyの由来は、古代ギリシャ語のphilosophia(フィロソフィア)にあり、その意味は「知を愛する」です。
今回は哲学の日にちなんで、哲学系漫画を7作品ご紹介します。人が生きる上で大事なことを教えてくれる往年の名作から、哲学者をモチーフにしたギャグ漫画まで、一口に哲学風と言ってもその作風はさまざまです。幅広いラインナップから、好みの一冊をぜひ見つけてみてください。
目次
世界の謎を探求する哲学漫画
ここは今から倫理です。
高校教師の高柳が教えるのは「倫理」。高柳の言葉が生徒に届くとき、一人一人の悩みや考えが、ほんの少しだけ解きほぐされていきます。倫理を教える先生と学生たちの群像劇漫画です。
高校生が抱える深刻な問題や日常の悩みを、哲学者や思想家の言葉を引用しながら描いた本作。高柳が悩みに寄り添おうとしながら彼自身も悩んでいく様子は、誰しもが生きる上で悩み続けるということを読者に気づかせてくれます。
「何故」を問い続けることの大切さを描いた真摯な作品を読みたい方におすすめです。
火の鳥(全16巻完結)
手塚治虫のライフワーク! 壮大なスケールで描かれる、生と死を巡るドラマです。
火の鳥は、決して死ぬことのない永遠の存在。過去から遙か遠い未来まで、人類の営みを見つめ続けています。
輪廻転生や人間の生死にまつわるテーマを、時代を変えて描いていくのが特徴です。古代のギリシャや日本の中世、はたまた人類が宇宙に飛び立った遠未来まで、古今東西さまざまな時代を舞台に、人類と火の鳥を巡る物語が綴られます。
罪と罰 A Falsified Romance(全10巻完結)
裁弥勒(たち・みろく)は自らの信念に従い、援助交際を取り仕切る女子高生を殺害し金を奪います。しかし、たまたま居合わせた別の女子高生も手にかけたことで、彼の信念は大きく揺らいでいき……。
ロシア文学の名作、ドストエフスキー『罪と罰』を現代日本でリメイクした作品です。2012年には高良健吾主演でドラマ化もされました。物語の大筋は原作をなぞりつつ、現代日本ならではのアレンジがしっかり加わり、原作を知っている方でもハラハラさせられます。
「人を殺すことはなぜ罪なのか」普遍的だからこそ難しい問いに、独自の切り口で迫る名作です。
独自の思索にふける哲学漫画
ねじの人々(全3巻完結)

さあ今日から哲学を始めよう!!超実践、哲学マンガ!!!恋に友情に仕事に人生に色んな事に悩んだときは哲学をしましょう。大ヒット漫画『神のみぞ知るセカイ』の作者、若木民喜の最新作は哲学漫画です。‘『哲学』って難しそう…’‘興味ないかも’そう思っちゃったそこのお兄さん、お嬢さん、ちょっと待って!哲学は簡単!お手軽!面白い!ニーチェもハイデッガーも知らなくても学ばなくても誰でも出来ます。哲学ってのは要するに考えることです。誰もが人生に、仕事に、恋愛に悩む、悩む、悩む、そんな時があります。そして人はすべての『答え』が欲しくて考える事があるのです。それが哲学です。名門、京都大学哲学専修を卒業しつつも仕事もせずに30歳過ぎまで、色んな事に悩み部屋に引きこもりから人気漫画家が過去の経験を生かし哲学漫画を描きました。あるかどうかも分からない‘答え’‘真実’についてひたすら考えたことを漫画にしています。皆さんも一緒に考えましょう。考えて考えて…そうすると貴方の頭にねじが生えてきます。ねじは考える度にぐるぐる回ります。ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる…ほら貴方も『ねじの人々』の仲間入り!!
少しシュールな……学園コメディ? 『神のみぞ知るセカイ』の若木民喜が送る、超実践哲学漫画です。
高校生の根地大地は、いつもいろんなことを考えていて、なぜか頭からねじが生えています。彼の考えは周りの世界の見え方も、なんなら漫画の枠すら抜け出していって……。
主人公が哲学に関するさまざまな思想に沿って「思索」にふける様子をコミカルに描きます。ゆるい雰囲気の会話が積み重なっていくと思えば、いつの間にか不思議な話に突入していったりと、先が読めない展開や演出がユニークです。
難しい問題を演出と会話劇で楽しく読ませてくれる、魅力あふれる作品です。
児玉まりあ文学集成
「言葉」をめぐる、ファンタジック学園ラブコメ! 第24回手塚治虫文化賞にノミネートされた話題作です。
文学部に入りたい笛田くんと、文学部長の児玉さん。二人が部室で繰り広げる会話の内容はとても不思議で、なんなら周りの見え方すらも変えてしまい……。
人々が日常的に使っている「言葉」というものの不思議さ・奥深さを、ポップな絵柄と独特のテンポで描いた本作。比喩や記号、神話や詩といったテーマで、奇想天外のエピソードが綴られる作風は圧巻です。
想像力に限界がないということを実感させる、オンリーワンの名作です。
哲学者をモチーフに使う異色の哲学系漫画
JKさんちのサルトルさん
女子高生の巫(かんなぎ)マリオが拾った犬が……喋った!? しかも、その犬はジャン=ポール・サルトルと名乗っていて……。女子高生と哲学者(犬)の日常がはじまります。
実存主義の哲学者・サルトルを犬として登場させるアクロバティックな展開が、読者を一瞬で魅了します。切実な悩みを、サルトルさんの言葉が解決していくこともあれば、しないこともある……。時には感動的で、時にはコミカル。シュールな設定と内容の真面目さのギャップが癖になる異色の作品です。
ニーチェ先生〜コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた〜

ニーチェ先生〜コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた〜 1
「神は死んだ」――閲覧数4000000数以上!!! Twitterを騒然とさせたさとり世代のコンビニ店員、ニーチェ先生ついに解禁!!
コンビニを舞台に描かれる、癖が強すぎる日常コメディ!
コンビニ店員の仁井智慧(にい・ともはる)は、接客業とは思えないほどあけすけな性格。出てくる言葉ほぼ全てが鋭く尖っていて……これがさとり世代の若者……!?
原作者・松駒のコンビニバイト体験投稿がSNSで話題になったことで漫画化された作品です。本作に哲学要素はほぼありませんが、テンポの良さとセリフの鋭さがおもしろく、つい読みふけってしまう魅力が備わっています。
終わりに
言葉とは何か、世界とは何か、生きるとはどういうことか……。簡単に答えが出ない問いであっても、問い続けることが重要なのだと、哲学は教えてくれます。哲学の奥深さを知る入り口として、この記事で紹介した漫画を手に取ってみてください。
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