『ジョジョの奇妙な冒険』第9部『The JOJOLands』(ザ・ジョジョランズ)の連載が、『ウルトラジャンプ』の2023年3月号ではじまりました。
2022年に誕生35周年を迎えた長編シリーズ『ジョジョの奇妙な冒険』。アニメやノベライズ・実写映画など、メディアミックスも数多く行われている大人気作品です。シリーズ累計巻数は100冊を超えており、なかなか手が出しにくい・全巻読むのが大変という人もいるでしょう。
今回は、そんな手を出しあぐねている方のためにも、ジョジョシリーズの魅力がつまった名場面をピックアップしました。
目次
『ジョジョの奇妙な冒険』とは?
『ジョジョの奇妙な冒険』の連載開始は1986年。現在まで続く長編シリーズ漫画です。
ジョースター一族の奇妙な運命を描く大河群像劇で、〈波紋〉や〈スタンド〉といった超常的な力を用いた能力バトルで人気を博しました。
ジョナサン・ジョースターが主人公の第1部からはじまり、主人公が入れ替わりながら第8部まで作品が発表されました。作品タイトルとタイトルのナンバリングも何度か刷新されています。
第1部から第6部まで大きな区切りを迎えた後、第7部で世界観を刷新。ある種のパラレルワールドを舞台に物語が展開されています。第6部以前のキャラクターを思わせる人物が登場するなどの小ネタはありますが、ストーリー自体は繋がっていないので、第7部から読んでも十分に楽しめます。
おすすめの名場面
『ジョジョの奇妙な冒険』に通底するテーマとしてよく言及される一つが「人間賛歌」です。第1部で登場した台詞に由来する言葉で、作者・荒木飛呂彦は『荒木飛呂彦の漫画術』の中で「人間は素晴らしいという前向きな肯定です」と述べています。
今回は、そんな人間の意思や気高さ・心の強さを感じられるようなおすすめの名場面を4つ厳選! 初心者の方にも、ジョジョシリーズの魅力が伝わるようにご紹介します。
【第7部】ジャイロ・ツェペリとジョニィ・ジョースターの出会い(第7部1巻)
第7部のはじまりとなる重要なエピソードです。
舞台は1890年のアメリカ。総距離約6,000kmの乗馬レース、スティール・ボール・ラン(通称SBR)の開催が決定。優勝賞金5千万ドル(60億円)のビッグドリームをつかむため全世界から参加者が集まりましたが、ジョニィ・ジョースターは参加を諦めていました。天才ジョッキーと呼ばれていたのは昔の話、彼は不運な事故に遭って歩けなくなっていたからです。
1巻の冒頭、ジョニィは参加者の一人・ジャイロ・ツェペリが「回転する鉄球」を用いて決闘する場面に遭遇。その鉄球に手が偶然触れたことで、動かなくなった彼の両脚が動く経験をします。「再び歩けるようになる」という希望を見出したジョニィは、その鍵を握るジャイロを追うため、下半身不随の状態でレースに参加することを決意します。
本エピソードがすばらしいのは、「絶望の中で再び再起する姿」を描いていること。自らの足が動いた瞬間、ジョニィは全てを失った時のことを思い出します。絶望の中で足掻く姿、希望を得て再び立ちあがる姿は、読む人の心を震わせる力があります。
二人は大陸横断レースを走り抜けることができるのか? なぜこの大会は開催されるのか? 最後まで読むと、二人が出会うシーンの感動はひとしおのものでしょう。ぜひその目で確かめてみてください。
【第5部】ジョルノ・ジョバーナとブチャラティの出会い
第5部の舞台は、2001年のイタリア。主人公・ジョルノ・ジョバーナは、幼少期に人間の尊厳を教えてくれたギャングに憧れ、ギャング組織に入団。強烈なカリスマ性と誇り高い精神を併せ持つジョルノが、仲間とともにボスを倒して組織を乗っ取るために奮闘する物語です。
ジョルノがギャングスタ―に登り詰めるための最初の一歩、仲間のブローノ・ブチャラティに出会うエピソードです。ジョルノがギャングの一人を倒したことで、ブチャラティはジョルノを始末しにやってきます。
二人はスタンド能力を使って殺し合いますが、戦闘中の言動に気高さを見出し、互いを認め合います。敵対していた二人が、夢を果たすために手を取り合う姿に胸が熱くなります。
【第1部】ジョナサンとディオの最終決戦
壮大な物語の原点が第1部。その終幕を飾るエピソードです。
第1部の舞台は19世紀末イギリス。ジョースター家の息子・ジョナサンと、貧民街から養子として引き取られた少年・ディオ。二人は互いに競い合う関係です。しかしディオは上昇志向が強く、ジョースター家を乗っ取ろうと画策していました。陰謀の中で、ディオは人間を吸血鬼に変える「石仮面」を発見し、人間を辞めてジョナサンの前に立ちはだかることに……。
このシーンは、ジョナサンがディオを葬り、全ての戦いが終わったと思われた時の話です。
新婚旅行で船旅に出たジョナサンですが、首だけとなりながら生き残ったディオに襲われます。妻・エレナとそのお腹にいる子どもを守るため、ジョナサンはディオを巻き添えに海の底に沈んでいきます……。
妻と子どもを守る為に命を賭けるジョナサンの気高さを示すエピソードです。そして、その意思と血統は続いていくのでした。ディオは、その後のジョースター一族に大きな影響を与えていくことになります。
【第3部】空条承太郎一行とディオの最終決戦
第3部の舞台は1989年の日本が舞台。主人公・空条承太郎は、〈幽波紋(スタンド)〉と呼ばれる能力に目覚めます。100年以上前に死んだと思われていたディオがよみがえったことが原因でした。時を超えた因縁を断ち切るため、主人公一行は、ディオの元に向かうことに……。
おすすめのシーンはやはり、100年の因縁に決着がつく一連の最終決戦。戦いの中で相手の能力を突き止め、それを撃破するべく頭を使う戦闘の数々は、何度読んでもドキドキが止まりません。
また、第3部は『ジョジョの奇妙な冒険』で初めてスタンド能力が登場します。シリーズの中でも非常に人気が高く、OVAやゲーム・アニメなど、さまざまなメディアミックス作品が出ています。
新連載
連載がはじまった『The JOJOLands』は現代のハワイが舞台。日本を舞台にした第8部とどう繋がっているかはまだ明示されていませんが、ここから読んでいくのも一つの手です。『The JOJOLands』をきっかけに興味をもった人も、前からジョジョシリーズに興味がありつつまだ未読の人も、ぜひこの機会に『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズを手に取ってみてください。
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