秩父の寮に住む大学生・上伊那ぼたん(かみいな・ぼたん)と、お酒好きの寮長・いぶきの交流が描かれた漫画『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』。かわいい女の子たちが、ほろ酔い気分でイチャイチャする姿も楽しめる百合コメディです。
タイトルからもわかるとおり、本作は「お酒」がキーアイテム。クラフトビールや日本酒から、なかなかお目にかかれないレアなものまで幅広いラインナップのお酒が作中に登場します。この記事では、その中でも特に印象に残ったお酒を9種類ピックアップしてご紹介します。(©堀(秋田書店))
目次
秩父が誇る、地元で作られたお酒4選
本作は、舞台になっている秩父の地酒がたくさん紹介されています。それもそのはず、秩父には酒蔵や酒どころが多くあり、地元だけで日本酒・ウイスキー・ワイン・ビール・焼酎など多種多様なアルコールが造られています。作中に登場する秩父の地酒を、4種ピックアップしてご紹介します。
ビール:秩父麦酒(1巻表紙/3話/6話、2巻17話など)

「秩父麦酒」は、2017年に誕生した秩父麦酒醸造所が作っているお酒です。香りが楽しめる桃やいちごのフルーツビールを作るなど、ビールが苦手な人でも楽しめるように工夫されています。
1巻の表紙でぼたんが持っている瓶にも、秩父麦酒のモチーフ・クマをあしらったかわいいデザインのラベルが見えます。作中で登場したのは2巻の17話。お酒の知識が豊富ないぶきが、クラフトビールを詳しく説明する様子が印象的な回です。
日本酒:秩父錦(1巻3話)

「秩父錦」は270年以上の歴史がある日本酒。1巻の3話で、ぼたんと郡上(ぐじょう)先輩が談話室で飲んでいたお酒です。
秩父錦を作る酒蔵は「酒づくりの森」という観光酒蔵も運営しており、お酒や焼酎・リキュールが買える物産館や酒蔵の道具が展示された酒蔵資料館が併設されています。秩父を観光する際は、ぜひ訪れてみてください。
日本酒:武甲正宗(2巻18話)

秩父駅の近くにある、武甲酒造が作っているお酒が「武甲正宗」。長年の歴史があり、品評会や鑑評会で多くの賞を獲得しています。作中ではバル併設の民泊に泊まる回で、冷蔵庫の中から登場しました。
そして、武甲と言えば秩父の名山「武甲山」。3巻収録の19話では、武甲山に登るエピソードが登場するので要チェックです。
蜂蜜酒(ミード):秩父百花(2巻18話)

蜂蜜酒(ミード)は、その名のとおり蜂蜜から作られるお酒。蜂蜜由来の芳醇な香りが特徴です。人類最古のお酒としても有名で、中世フィクションやファンタジー作品で名前を見ることも多いはず!
「秩父百花」を作るのは、秩父の小鹿野にあるディアレットフィールド醸造所。人気漫画『魔法使いの嫁』や『ヴィンランド・サガ』とのコラボ商品を作ったこともある、ミード専門の醸造所です。
作中に登場した関東周辺のクラフトビール3選
ぼたんたちは、ときには秩父から飛び出しさまざまな場所でお酒を楽しむことも。そこで特に注目したいのがクラフトビール。作中で印象的だったクラフトビールを3銘柄ご紹介します。
ビール:コエドビール(2巻表紙/12話)

「コエドビール」は、川越市のコエドブルワリーが作るクラフトビールです。名前は「小江戸川越」の小江戸に由来していて、どくしょ部の編集部員の豆知識によると「本川越を通る西武線では、駅のコンビニにコエドビールが置いてあるのをよく見かける」そうです。
2巻の表紙に描かれている青いラベルは、プレミアムピルスナービールの「瑠璃」。作中では、寮のみんなで川越にお出かけした回で登場しました。足湯につかりながらビールを飲む様子がとても楽しそうでしたね。
ビール:VERTERE(バテレ)(3巻24話)

「VERTERE」は、東京の奥多摩にある麦雑穀工房マイクロブルワリーで作られるクラフトビールです。500mlのラージ缶サイズで販売されていること、白いシンプルなラベルデザインがおしゃれなのもあって店頭で見つけると目を引きます。
作中では、ぼたんといぶきが奥多摩・氷川渓谷の河原でおいしそうに飲んでいました。醸造所直営のビアカフェが奥多摩駅そばにあるので、寒い時期はそちらで飲むのがおすすめです。
ビール:UCHU BREWING(3巻20話)

山梨県の宇宙カンパニー合同会社が発売している「UCHU BREWING」(うちゅうぶるーいんぐ)、すごい名前ですよね。ラインナップも「WHITE HOLE」「DARK MATTER IPA」「宇宙DRAGON」など、一度聞いたら忘れられないものばかり。醸造所独自の世界観を楽しめるのも、クラフトビールの醍醐味の一つです。
作中では、ぼたんといぶきが東京スカイツリーのプラネタリウムを訪れた際に飲んでいました。プラネタリウムにぴったり……かも?
なかなか見かけないレアなお酒2選
エピソードごとにさまざまなお酒が出てくる本作ですが、中には珍しいお酒もちらほらと。今回はその中でも2本に注目してご紹介します。
ジン:アルケミエ(3巻表紙/25話)

岐阜県の辰巳蒸留所が作る「アルケミエ」シリーズ。3巻の表紙にも描かれています。
アルケミエは、2017年に立ちあがって間もなく大人気になりました。そのため、バーで見かけることはあっても、酒店の店頭ではめったに買えません(編集部員談)。
作中では、3巻の25話で郡上先輩がいぶきのために持ってきていました。おそらく探すのが大変だったはず。そう考えると、物語の余韻がますます深まります。
アブサン:EMERAUDE(1巻7話)

「EMERAUDE」は、スイスの蒸留所で作られたハーブ酒のアブサンです。77%とパンチの効いたアルコール度数と、名前通り緑(エメラルド)色をしているのが特徴。作中では寝酒として登場しました。
お酒を調べるのが好きな編集部員いわく「店頭でいろいろ探してみたけど、まだ見つけた事はない」とのこと。いぶきのお酒好きが伝わってくるセレクションですね。
終わりに
『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』の世界を彩る特徴的なお酒を、今回は9種類取り上げてみました。紹介したお酒は作中に出てくるうちのほんの一部。今後もどんなお酒が出てくるのかが気になって仕方ありません。
お酒はもちろん、かわいい女の子たちのほろ酔いシーンも見どころの本作。酒好きならきっと楽しめる本作の魅力にぜひ触れてみてください。
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