「演劇」は古くから世界中で人々を魅了してきました。演劇や舞台芸術を通して世界平和を願う日として、3月27日は世界演劇の日に制定されています。
今回は、演劇の日にちなんだおすすめの「演劇・歌劇漫画」を9作ご紹介します。往年の名作『ガラスの仮面』や、『ダブル』などの最新の人気作品に加え、『カメリアのカーテン』や『まくむすび』のような脚本家視点の物語まで、幅広くピックアップしています。
目次
最新のおすすめ演劇・歌劇漫画
演劇漫画は「演じる」ことを漫画として表現するため、迫力やケレン味のある表現が光る作品が多く、人気の高いジャンルです。今回は、その中からおすすめの最新演劇漫画を2作品ご紹介します。
カメリアのカーテン
【デジタル版限定！「少年ジャンプ＋」掲載時のカラーページを完全収録！！】「劇団椿座」――。男性のみで構成された劇団員は「男役（テイル）」「女役（ドレス）」を演じ、観る者を魅了する華やかさで、日本有数の劇団となる。かつて脚本家を目指していた八野田葉一は、「椿座」の研究生を養成する「椿課」を置く津葉木大学附属高等学校で、女性と見まごう容姿の林真檎と出会う。「女役」として演技を評価されている真檎だが、彼には悩みが…。
偶然の出会いが突き動かす、憧れへの挑戦！
かつて脚本家を目指していた主人公・八野田葉一（はちのだ・よういち）。「劇団椿座」の劇団員を養成する「椿課」をおく高校で、林真檎（はやし・しんご）に出会います。可愛らしい容姿と背の低さから林には「女役（ドレス）」に高い適性がありますが、実は「男役（テイル）」への諦め切れない思いを抱えていました。「男役」への挑戦すら許されない林のために、八野田は周囲を納得させる脚本を彼の為に書き始めることになります。
「椿座」はあくまでも商業演劇という前提があり、夢や憧れだけではどうしようもないシビアな世界で生きなければなりません。だからこそ、すべてを演劇にかける姿に胸が熱くなります。脚本家として役者として挫折を味わった二人が、再び夢へ走り出す最新のおすすめ演劇漫画です。
舞台に咲け！
部活紹介の日に出会った演劇部の先輩・伊万里の演技に心揺さぶられ、演劇部の門を叩いた新入生・尾庭旭。ここなら変われるかもしれないと意気込む旭だが、待っていたのは部員不足と1か月後に役者デビューの無理難題！？ 入学早々選択を誤ってしまったかもしれない（？）旭が演劇部を舞台に奮闘する青春ストーリー第1巻！！
自分を変えたくて演劇の世界へ飛び込む、青春演劇ストーリー！
主人公の尾庭旭（おにわ・あさひ）は、新入生向けの部活紹介で、演劇部・喜久寿伊万里（きくじ・いまり）の凄まじい演技力に圧倒されます。常に人の視線を気にしてしまう尾庭は、自分を変えられるかもしれない、と演劇部に仮入部を決めて……！
部活ものと青春ドラマが同時に進む、熱いヒューマンドラマが魅力の本作。演劇を通して、自分や他人と向き合い成長していく過程がしっかり描かれています。演劇初心者が演劇を始める話なので、予備知識ゼロでも楽しめるのも魅力。迫力ある演技シーンも見逃せません！
完結済みの学園演劇漫画
完結済みの作品から、学園を舞台にした青春演劇漫画を2作品ご紹介します。
Now playing（全4巻完結）
単調な日常・閉塞した感情…。灰色の教室に生きていた高校1年生 東雲東（しののめあずま）はある日演劇と出会い、自分を取り巻く世界を劇的に変えてゆく――。偽りの日常、狂熱の舞台、どちらが真実≪リアル≫！？ 現代の高校演劇ドラマ、開幕！！
演じることの快楽に魅せられる、学園演劇漫画！
主人公・東雲東（しののめ・あずま）は自分の意見をまったく言えず、周りから都合よく扱われてました。ですが、天才脚本家の西園寺彩（さいおんじ・さい）に声をかけられ、演劇の世界に踏み出します！
顔色を伺いがちだった少年が、演劇を通して「相手の予想を覆す」ことの歓びを知り、演劇の魅力に呑まれていきます。ケレン味と緊迫感にあふれる演技シーンが魅力です。
まくむすび（全5巻完結）
創作への熱い思いが、舞台の上ではなひらく！ 演劇部を舞台にした青春群像劇です。
漫画を描くのが好きだった主人公の土暮咲良は、あることがきっかけで書くことをやめてしまいました。しかし、創作ノートに描いた漫画が演劇部の手に渡ったことで、脚本のかたちで演劇の世界に踏みこむことになります。
力不足に苦しんだり、時には仲間との軋轢もある。そんな中でもみんなで演劇を創ることの感動を、本作は味あわせてくれます。
おすすめ歌劇漫画
歌劇の世界で舞台への夢を追う姿が美しい、おすすめの歌劇漫画を2作品ご紹介します。
吉祥寺少年歌劇（全1巻完結）
元宝塚歌劇団・雪組トップ娘役真彩希帆様 推薦！！「この作品は何てリアルなのでしょう！！主人公・瑞穂、彼の言葉一つ一つに大きく頷く自分がいました。」僕が娘役として舞台に立つ理由、それは君だったのです。吉祥寺少年歌劇は「男子のみ」で構成される伝統の歌劇団。入団へは、付属の音楽学校への入学が必須である。81期生の進藤瑞穂は、男役に憧れて入学したのに娘役と判定されてショックを隠せずにいた。首席候補の白井寿に、娘役への不満をこぼすと、 「じゃあ早くやめろ」と冷たく言い放たれてしまい…。2人はまだ知らない。その出会いは、互いを舞台の上へ導く運命だったのだと……ーー！自らの理想と、思い通りにならない現実の間で、少年達は己のすべてを懸けて夢の舞台を目指す。舞台芸術を愛するすべての人に捧ぐ青春輪舞曲！
舞台のリアルを描いた人気作品。
すべての団員が男性のみで構成される、吉祥寺少年歌劇団。憧れの歌劇団に入団するために、主人公・進藤瑞穂は吉祥寺音楽学校へ進学しました。しかし、娘役と判定されて愚痴をこぼしていたのを、主席候補の白井寿に聞かれてしまい……。
1巻完結の中で音楽学校への入学から卒業、そして現役引退までをしっかり描いてます。自身の才能と現実のギャップにもまれながらも舞台を目指していく姿は、さながら芸術作品のよう。色あせない思いを胸に、最後の瞬間まで舞台に立つ姿が読者の胸をうちます。
元宝塚歌劇団・雪組トップ娘役の真彩希帆もおすすめしている、人気の歌劇漫画です。
かげきしょうじょ！！
「渡辺さらさ、オスカル様になります！」大正時代に創設され、未婚の女性だけで構成された『紅華歌劇団』。その音楽学校に入学した少女たちの青春が、幕を開ける──！ 予科生の授業が講義ばかりで辟易としているさらさ達は、実習をしたいと講師に申し出て…？ さらさの音楽学校の合格発表＆入学当初からの物語を知りたい方は、前日譚となる「かげきしょうじょ！！ シーズンゼロ」上・下巻をお読みください。
2021年にアニメ化した、歌劇をテーマに挫折からの再生を描いた人気作品！
178cmの高身長を持つ天然少女・渡辺さらさと、元人気アイドルの奈良田愛。歴史ある紅華歌劇団への第一歩を踏み出すべく、音楽学校での青春の日々がはじまります。
人間味あふれるキャラクターたちがコミカルな絵柄で互いを高め合っていく本作。音楽学校の世界だけでなく、学校外の友人や家族を巻き込みながら話が展開され、人間ドラマが幅広く描かれます。演劇のみならず、歌劇や宝塚、歌舞伎がお好きな方にもおすすめです。
役者にフォーカスを当てたおすすめ人気漫画
同じ脚本でも役者の演技が違うだけで、ガラリと作品の内容やクオリティが変わるのが演劇です。舞台の上に限らず、演技をテーマに描かれたおすすめ漫画を3作品ご紹介します。
マチネとソワレ
「魔王JR」「Waltz」「VANILLA FICTION」の大須賀めぐみ最新作！「上がるんだ、対決の舞台へ！」上を見上げる弟と、それを見下ろす兄との激突演劇サーガ！！輝くのは――――どっちだ！？
『魔王 JUVENILE REMIX』『VANILLA FICTION』の大須賀めぐみが送る、異色の演劇漫画。
主人公・三ツ谷誠は、優秀な役者だった亡き兄・三ツ谷御幸の「2号」として役者人生を送っていました。誰からも三ツ谷御幸ととして見てもらえずにいたある日、「兄が生きている世界」に迷い込んでしまい……！？
芝居への恐ろしいほどの執念が巻き起こす怒濤の展開が、読者を一気に作品の中にひきずりこみます。超えられない兄への強いコンプレックスを抱く中、主人公は役者として再起できるのか。強いカタルシスを感じる漫画を読みたい方におすすめです。
ダブル
2020年、第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の優秀賞を受賞！ 2022年には千葉雄大・永山絢斗ら主演にドラマ化もした人気作です。
同じ劇団に所属する、俳優の鴨島友仁（かもしま・ゆうじん）と宝田多家良（たからだ・たから）。宝田の才能を知る鴨島は彼を隣で支えていましたが、宝田は芸能事務所からスカウトを受け……。
鴨島に依存しながらも才能にあふれる宝田と、彼を世に排出したいと願う鴨島。片方が役者として出世していく中で、歪な彼らの関係も変化を迫られます。その中の戸惑いと、障壁を乗りこえて成長していくさまが、迫力ある描写と相まって読者の胸を打ちます。心を震わす熱いヒューマンドラマが読みたい方におすすめです。
ガラスの仮面
演劇界に小さな巨人誕生！演劇への熱く激しい想いをもつ北島マヤ。その小さな小舟が、演劇界幻の名作「紅天女」というゴールに向かい、今荒波の大海に漕ぎ出す。そこでマヤを待ち受ける数々の怪物たち。はたしてマヤはどう戦っていくのだろうか？
舞台に魅入られた少女の女優人生を描いた、伝説の名作！
女優に憧れる女の子・北島マヤは、往年の大女優・月影千草に才能を見出され、劇団つきかげに入団します。伝説の舞台「紅天女」を巡る競争の中でさまざまな苦難に直面しながら、マヤは女優としての才能を開花させていきます。
圧倒的な演技の才能を持つマヤが女優として翼を広げていく本作。予想もつかないトラブルや妨害を、マヤが自らの演技力で乗りこえるのが痛快で、度肝を抜かれます。ライバル女優と切磋琢磨したり、芸能会社の御曹司とのラブロマンスなど、見どころが盛りだくさん！
1976年に連載開始以降、休載を挟みつつ現在も未完。最終回を迎える前に、往年の名作に触れてみてください。
終わりに
世界演劇の日におすすめの作品はいかがでしたか？ 実際の舞台を見ているかのような緊迫感や、演劇に対する思いがひしひしと伝わるような作品をご紹介しました。演劇という熱くて奥深い世界を、ぜひ漫画でも感じてみてください。
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