じわじわと心を侵食するような不穏な空気が漂う青春ホラー漫画『光が死んだ夏。7/4(金)に最新第7巻発売、7/5(土)からアニメ放送・配信開始とますます注目度が高まっています。今回は本作の大ファンであるDMMブックス書店員が、本作のあらすじや魅力・見どころを画像付きで徹底解説! アニメとともに原作もぜひチェックしてくださいね。
DMMブックスなら『光が死んだ夏』が最大28%pt還元で読める! DMMブックスでお得に漫画を楽しんでください。
目次
『光が死んだ夏』作品情報
『光が死んだ夏』は、モクモクれんがKADOKAWA「ヤングエースUP」にて2021年から連載している青春ホラー漫画です。作者・モクモクれんが昔から構想をあたためていたストーリーやキャラクターを描いた漫画をTwitter(当時)にアップしたところ大きな反響があり、その作品をもとに連載化したのが本作。モクモクれんの連載デビュー作となりました。
「次にくるマンガ大賞2022」Global特別賞【繁体字】や、「このマンガがすごい!2023(宝島社刊)」 オトコ編第1位に輝き、2025年7月からはアニメ版の放送も始まります。年々人気を高めている今大注目の作品です。
『光が死んだ夏』あらすじ
物語の舞台は自然豊かな山間部の集落・クビタチ村。高校生のよしきと光は、子どものころから仲の良い幼なじみです。ある日、光が山で行方不明になる事件が発生。一週間後に無事発見されますが、よしきは帰ってきた光の言動にどこか違和感を覚え……あるとき、駄菓子屋の前で彼に直接尋ねます。

よしきの予感は的中し、光の中身は得体の知れない「ナニカ」とすり替わっていました。光の体を借りて動く正体不明の存在「ヒカル」は、自らが光の偽物であると認めながらも、よしきと一緒にいたいと懇願します。見た目は光と何も変わらず、光と全く同じ記憶を持っている「ヒカル」。よしきは戸惑いながらも「ヒカル」との関係を続けることを選びます。しかし根本的に人間と異なる価値観を持った「ヒカル」の存在は、よしきの胸の内に複雑な葛藤を生み出し……。
一方、クビタチ村周辺では次第に不可解な事件が頻発するようになります。よしきは「ヒカル」の正体について調べながら、集落に隠された歴史や風習の謎にも迫っていきます。
『光が死んだ夏』のメインキャラクター一覧
本作のキャラクターはそれぞれに謎や秘密を抱えており、彼らの織りなす一筋縄ではいかないナイーブで情緒的な関係が作品の大きな見どころの一つです。そこで、まずこの章では『光が死んだ夏』のメインキャラクターをご紹介します。
辻中佳紀(つじなか・よしき)

辻中佳紀は本作の主人公で、クビタチ村に暮らす高校生です(通称・よしき)。黒髪のショートヘアで、何かを隠すかのように前髪を伸ばしています。幼なじみの光が「ヒカル」にすり替わってしまったことに困惑し、恐怖を感じつつもヒカルを受け入れようとしています。一見物静かで控えめな少年ですが、動物や昆虫が好きで感受性豊かな一面も。クビタチ村の閉鎖的な雰囲気には抵抗感を抱いています。
ヒカル

よしきの幼なじみで、明るく社交的な性格の少年「光」……と、ある日すり替わっていた正体不明の存在。山で行方不明になった光の身体に入り込み、何事もなかったかのようによしきと過ごそうとしますが、よしきにすぐ悟られてしまいます。光の記憶や感情を持ち合わせていて、よしきになついているように見えます。 しかし人間とは全く異なる感受性や価値観を持っていて、よしきを危険な目に合わせてしまうこともあります。自分が何者なのかは自分でもわかっていないようです。
巻ゆうた

よしきたちのクラスメイトで、坊主頭が特徴的な少年。明るく人懐っこい性格で、クラスのムードメーカー的存在です。よしきや光とも仲が良く、彼らが落ち込んでいるときには励ましてくれることも。基本的にはいわゆるボケ役に見えますが、ふとしたときに物語の核心に触れるようなことを口にしたり、油断ならない存在です。
山岸朝子

よしきたちのクラスメイト。霊的な感受性を持っていて、普通の人にはわからないものが聞こえる能力を持っている少女です。そのおかげで村の異変にいち早く気づくこととなります。幼いころから異界の存在と触れ合っており、村にいる怪異は決して悪いものばかりではないと考えています。ヒカルに違和感を覚えているようで、やがて異変に反応し、物語の鍵を握る存在となっていきます。
田所結希

よしきたちのクラスメイト。朝子とは幼なじみで仲が良く、「あーちゃん」「ユーちゃん」と呼び合っています。料理以外は超不器用と言われていますが、やるときはやる様子。今のところ物語に深く関わってはいませんが、不思議な魅力を放つキャラクターです。
暮林理恵

強い霊力を持ち、その筋では知られているという主婦。異界の存在を見ることができるほか、ある程度“祓う”こともできます。あるとき、ヒカルと一緒にいるよしきに声をかけ警告を発します。 かつて夫の姿をした怪異を受け入れたことで、子どもを傷つけてしまったことがあり、よしきに同じ目にあってほしくないようです。2人の調査にも積極的に協力し、何かと頼りになる存在です。
田中

詳細不明の“会社”に属し、クビタチ村近辺で何かを調査しているらしき男。いつもひょうひょうとしていて掴みどころがない人物ですが、自分の身体を犠牲にして怪異と渡り合う方法を熟知しています。よしきの前に突如として現れ、ヒカルの正体について重要な情報を教えるなど、物語の鍵を握っているらしいことが伺えます。相棒としてハムスターをケージに入れて連れ歩いています。
【ネタバレ】『光が死んだ夏』の見どころ考察
続いて、この章では『光が死んだ夏』の魅力・見どころをテーマ別にご紹介! ホラー漫画としての圧倒的なおもしろさと、青春漫画としての類いまれな表現力が伝わる3つのポイントにわけて徹底解説していきます。
ヒカルとは何者なのか?

よしきの幼なじみと入れ替わっていた「ヒカル」は一体何者なのか? これが『光が死んだ夏』の最も重要な謎であるといえるでしょう。
傷口からときおり漏れ出てくるヒカルの本体らしきものは、万華鏡模様をした液体のように見え、人間や動物とは全く異なる存在であることが感覚的に伝わってきます。ヒカル自身も、自分が何者なのかをよく知りません。よしきたちは地元の言い伝えや霊能者たちの力を借りて、少しずつ謎を解いていきます。それと同時に、ヒカルと一緒にいるにはどうすればいいのかを必死に考えます。「完全に悪いものではない」ということは信じてよさそうですが、ヒカルの存在をめぐる謎がホラー漫画としての本作に奥行きをもたらしていることは間違いありません。
恐怖を煽り立てる擬音

ホラー漫画としての『光が死んだ夏』の大きな特徴の一つは、画面中の擬音の不気味さです。本作で用いられる擬音は、活字フォントで印字されています。緻密に描き込まれた村の風景に浮かび上がる活字フォントの擬音……その不調和が読者の心に恐怖をかき立てます。不協和音のように突然景色に入り込んでくる不気味な音は、怪異と人間の関係のメタファーとして捉えることも、村の人間同士の緊張関係を暗示しているという風に読むこともできるかもしれません。
作者・モクモクれんによると特に読者に読んでほしい擬音はフォントで、特別に意識しなくてもいい擬音は手描きでという風に使い分けているとのこと。本作を読む際はぜひ「音」に注目して読んでくださいね。
圧巻の感情表現

キャラクターの複雑で繊細な感情を独特の演出で描いているのが、本作の忘れてはならない魅力の一つ。罪悪感や恐怖、抗えない欲求……彼らの心情を視覚的に伝える卓越した表現力にはこれ以上はない説得力があります。感情の動きが描かれるシーンではキャラクターの輪郭線がしばしば液体のように曖昧になります。感情や欲望に連動してキャラクターの体に変化が表れる様子は、読者の心をも波立たせます。
【ネタバレ】『光が死んだ夏』の名シーン
現在単行本6巻まで刊行されている『光が死んだ夏』。作品に漂う空気感が伝わる2つの名シーンをご紹介します!
入れ替わっていたヒカルと、受け入れるよしき

最序盤の名シーンにして、本作を象徴する衝撃的なシーンです。駄菓子屋でアイスを食べる2人。炎天下のマラソン授業について「普通にゴーモンやったなー」と愚痴を言う幼なじみに対し、よしきは「拷問」のイントネーションが違うと指摘します。「気ィつけよ」と独りごちる光。よしきはもうこの時点で確信していたのかもしれません。セミの声がうるさくなっていく中、よしきが「お前やっぱ光ちゃうやろ」と切り込むと途端にセミの声が聞こえなくなります。わずか数ページで高密度の恐怖と切なさを叩きつけてくる、漫画史に残るといいたいほど見事な第1話です。
「く」(?)来襲

ホラー的な演出として特に注目したいのがこのシーンです。ある日、よしきたちの同級生・巻ゆうたが「森の中の小道を歩いていると異様な気配を感じる」と言い出します。よしきやヒカル、朝子たちは実際にその小道を通ることにしますが、よしきは木々の中にひらがなの「く」を見つけます。よく見ると「く」は左右に揺れていて、よしきは目が離せなくなります。さらに良く見てみると「く」はよしきに近づいてきて……!? 本作には他にも異界的な存在が登場しますが、この「く」は段違いに怖い……!
『光が死んだ夏』DMMブックス読者の感想紹介!
- 絵媒体からでも、夏の暑さ、生と死のにおい、仄暗さを感じる漫画。
- だんだんと村で起こっている謎の正体、昔からある村の違和感がふつふつと出てくる。このタイプの漫画は初めてだが、とても続きが気になる。
- 話題になっていたので、読んでみました。なかなかに、グロくて、内容もおどろおどろしい感じですね。夜には読みたくないタイプの内容です。でも、先が気になって、読み進めてしまう。
- 効果音の描き方が不気味な漫画だなといつも思ってます。キーパーソンになりそうなキャラもハムスターも出て来てこれからの展開に期待してます。
『光が死んだ夏』2025年7月からアニメの放送スタート!
【スケジュール】
・2025年7月5日(土)24:55~ 日本テレビ系にて放送開始
・2025年7月5日(土)25:55~ Netflix世界独占・ABEMA無料独占配信開始
【キャスト】
・辻中佳紀:小林千晃
・ヒカル:梅田修一朗
・田中:小林親弘
・暮林理恵:小若和郁那
・山岸朝子:花守ゆみり
・巻ゆうた:中島ヨシキ
・田所結希:若山詩音
【主題歌】
・OP:「再会」Vaundy
・ED:「あなたはかいぶつ」TOOBOE
【アニメーション制作】
CygamesPictures
終わりに
ホラー、サスペンス、青春……さまざまな要素が絡み合って唯一無二のストーリーを展開している『光が死んだ夏』には、この記事では紹介しきれなかった数多くの魅力があります。美しくも恐ろしい漫画表現が駆使された本作。ぜひアニメ版とともに原作もお楽しみくださいね!
DMMブックスなら『光が死んだ夏』が最大28%pt還元で読める! ぜひDMMブックスでお得に漫画を楽しんでください。
関連記事
『光が死んだ夏』が好きな方は、こちらの記事もおすすめ!
・【ブロマンス漫画特集】ただの友情じゃない!特別な絆が尊い