この記事ではホラー漫画通のDMMブックス書店員が、ガチで怖いホラー漫画のおすすめ49作品をご紹介！ 映像化された有名作品、恐怖レベルがトラウマ級の作品、昭和の名作など、さまざまなジャンルのホラー漫画をピックアップしました。
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目次
書店員激推し！おすすめホラー漫画5選
早速ですが、書店員が厳選したホラー漫画を5作品画像付きでご紹介します。心臓の弱い方はご注意ください！
うずまき（全3巻完結）
じわじわと心を侵食されるねっとり系ホラー！恐ろしくも美しい伊藤潤二の傑作
【作品情報】
ホラー漫画の巨匠・伊藤潤二の代表作です。2000年には実写映画化、2024年にはアニメ化もされています。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
伊藤潤二の緻密な描写と独特の世界観が際立つホラー漫画の傑作！ 黒渦町に住む女子高生・五島桐絵とその恋人・斎藤秀一の周囲で、「うずまき」にまつわる怪奇現象が次々と発生します。つむじ風や草木、火葬場の煙など、あらゆるものが渦を巻き始めます。髪が渦巻き、身体がねじれ、カタツムリに変身……。うずまきに取りつかれ狂気的になっていく住人たちの様子も不気味でクセになります。日常が徐々に異様なものへと変貌していく過程がじわじわとした恐怖を与える名作ホラー漫画です！
▼第1話/うずまきマニア:その1▼第2話/うずまきマニア:その2▼第3話/傷跡▼第4話/窯変▼第5話/ねじれた人びと▼第6話/巻髪▼あとがき●登場人物/五島桐絵（黒渦高校の生徒。本作の主人公）、斎藤秀一（桐絵の元同級生。隣町の高校に通っている）●あらすじ/女子高生の五島桐絵は、隣町の高校に通う斎藤秀一を駅に迎えに行く途中、路地に座り込んで壁をじっと見つめている秀一の父親を見つけた。彼は桐絵のあいさつにも気付かない様子で、壁にはりついたカタツムリの殻を見つめ続けていた。駅で秀一を出迎えた桐絵は、彼にさっきの出来事を話すが、秀一はその話題を避けた。公園で秀一は、自分の住む街、黒渦町に嫌悪を抱き始めていることを打ち明ける。帰り道、秀一はつぶやく。「渦…渦だ…うずまきだ…このまちはうずまきに汚染され始めている …」（第1話）。同シリーズ（3冊）
不安の種＋（全4巻完結）
理由もオチも説明されない正体不明の恐怖！ホラー好きにはおなじみのガチで怖い短編集
【作品情報】
ホラーファンの間ではよく知られた短編ホラー漫画集。日常にひそむ奇妙なできごとを描いたオムニバス形式の作品です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
日常生活の中でふとした瞬間に感じる違和感や恐怖を巧みに描写しています。不可解な現象や怪異に対して具体的な説明がないまま終わるエピソードが多いため、想像力が刺激されゾクリと背筋が凍るような恐怖を味わえますよ。「#5.オチョナンさん」「#16.おじいちゃんのオチョナンさん」「♭6.棒が一本」などのエピソードに登場する怪異「オチョナンさん」は知る人ぞ知るキャラクターで、ジャンルを超えた知名度を獲得しています。実在の場所や日常的な状況が題材になっているので、読後は夜1人で歩くのが怖くなるかも……！？
トミノの地獄（全4巻完結）
唯一無二の芸術的怪奇幻想譚！恐怖と耽美が交錯するロマネスクホラー
【作品情報】
耽美・奇想漫画の大家、丸尾末広が作者。西條八十の詩「トミノの地獄」をモチーフに描かれた長編漫画です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
舞台は戦前の日本。双子の姉弟・トミノとカタンがたどる数奇な運命の物語です。親に捨てられた2人は親戚からも邪険に扱われ、ついには人買いに売られてしまいます。たどりついた浅草の見世物小屋で蛸娘・エリーゼをはじめ優しい仲間たちと出会い、束の間の穏やかな時間を過ごしますが、無情にも、トミノとカタンは引き離されてしまうことに……。
耽美的で惚れ惚れしてしまう絵柄と、残酷でショッキングな展開のギャップがたまらないロマネスク・ホラー漫画。人間の狂気や欲望、倒錯がグロテスクにうずまく世界で、双子がどのように生き残っていくのか注目です！
地獄先生ぬ〜べ〜（全20巻完結）
初心者にもおすすめの学園ホラー！バトルあり、ギャグあり、涙ありの名作
【作品情報】
90年代に『週刊少年ジャンプ』で連載された大ヒット作。教師と生徒たちが妖怪や悪霊と対峙する学園ホラー漫画の傑作で、2025年7月から新アニメが放送予定です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
主人公は童守小学校の教師、鵺野鳴介（ぬえの・めいすけ）。彼の左手は鬼の力が封印された「鬼の手」で、さまざまな妖怪や悪霊から生徒たちを守るために戦います。
少年漫画らしい迫力あるバトルシーンや、キャラクターたちのコミカルなやり取りも楽しい本作ですが、メインテーマはあくまで妖怪や怪奇現象！ 油断していると本格的なホラー描写に度肝を抜かれますよ。特に日本の伝承や都市伝説をもとにしたエピソードはゾワッと鳥肌が立つような恐ろしさがあります。メリハリがあって読みやすいので、ホラー漫画初心者の方にもおすすめです！
【ページ数が多いビックボリューム版！】この世には目に見えない闇の住人達が、時として牙をむいて君達を襲ってくる…。だが、そんな奴らから君達を守る正義の使者がいる。あらゆるものを無に帰す力を宿した「鬼の手」を持つ鵺野鳴介は、子供達から「ぬ〜べ〜」と呼ばれて親しまれる日本で唯一の霊能力教師。普段は頼りないが、子供達を悪霊から守るために命を懸けて戦う！！
光が死んだ夏
じっとりとした恐怖と、危うげで繊細な感情表現に引き込まれる！青春ホラーサスペンス
【作品情報】
KADOKAWAが運営するWebコミック配信サイト「ヤングエースUP」で連載中の青春ホラー漫画。2025年7月4日からTVアニメが放送予定です。単行本最新7巻も同日に発売予定！
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
とある田舎の集落で暮らす高校生・よしきは、一度行方不明になってから戻ってきた幼なじみの光が別の「ナニカ」にすり替わっていることに気づきます。よしきは光の体に乗り移ったそれを「ヒカル」と呼び、たとえ光のニセモノでもいいから一緒にいたいと願うように。ヒカルもまた、よしきに対する執着心があります。
2人の関係性と、集落で次々と起こり始める怪奇現象が絡み合ってストーリーが展開します。じっとりまとわりつくような恐怖、そして息苦しくなるような切なさに引き込まれますよ。古い慣習の残る田舎で、謎が謎を呼ぶ和風ホラーサスペンスです！
【心霊・オカルト】おすすめホラー漫画
幽霊や妖怪、超常現象など心霊・オカルト系作品はホラー漫画のなかでも特に人気のジャンルです。怪異それ自体に魅力があるのはもちろん、恐怖におびえる人間たちの姿もまたおもしろい！
昭和の名作から最新作まで幅広くピックアップした、心霊・オカルト系ホラー漫画のおすすめ作品をご紹介します。
コワい話は≠くだけで。
恐怖がひたひたと侵食してくる巻き込み型のホラー漫画！
【作品情報】
原作は気鋭のホラー作家・梨、漫画は景山五月が担当。人から聞いた怪談を漫画化する仕事をしていたはずの主人公が、聞いていただけの怪談にいつの間にか巻き込まれていく新感覚のホラー漫画です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
漫画家・景山五月は怪談を取材して漫画にする仕事を引き受けます。しかし、いつの間にか取材対象の怪談が自分の生活にも影響を及ぼし始め……！？
主人公の日常と非日常の境界が曖昧になっていくのと同時に、漫画という虚構と私たちの現実の境目も揺さぶられる感覚を味わえる巻き込み型のホラー漫画です。ラストには衝撃のどんでん返しが待ち受けており、思わず1巻から読み返したくなってしまうほど！ 全3巻と読みやすい長さなので、ぜひ一気読みしてほしい作品です。「こちら側」と「あちら側」の境界が侵食されるじわじわとした恐怖を味わいたい方におすすめ！
ねがい（全1巻完結）
「ホラー漫画の神様」の傑作短編集！恐怖の後に切ない余韻が残る表題作に注目
【作品情報】
ホラー漫画界の大御所、楳図かずおの傑作短編集です。表題作は2005年に実写映画化もされています。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
表題作「ねがい」では、友達と遊ばず一人で過ごすことが好きな少年・等が、ゴミ捨て場で拾った木片から人形・モクメを作ります。等はモクメに強い愛着を抱き、「モクメが本当に動きますように」と願うほどに。しかし、その不気味な姿を疎ましく思うようになるとモクメを捨ててしまいます。その後、等の身には一体何が……！？
子どもの純粋な願いが引き起こした予測不能な恐怖と、心がちくりと痛むような切ない余韻がたまりません。ダイナミックで圧倒的な怪異の登場シーン、恐ろしさとシュールさが紙一重の表現など、楳図漫画のエッセンスがたっぷりつまっているイチオシの短編集です！
ひぐらしのなく頃に 鬼曝し編（全2巻完結）
話題のサウンドノベル「ひぐらしのなく頃に」の竜騎士07書き下ろしシナリオで贈るサスペンスホラー！ 公由夏美に襲いかかる悲劇。かつて暮らしていた街を襲ったガス災害をきっかけに全ての歯車が狂い始めた！
あの大人気シリーズの外伝！雛見沢から離れた街で起こる切なくて恐ろしい惨劇
【作品情報】
2000年代に一斉を風靡したサウンドノベルゲーム『ひぐらしのなく頃に』の外伝的作品です。原作はひぐらしシリーズのシナリオを手掛けている竜騎士07の書き下ろしで、漫画は鬼頭えんが担当しました。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
公由夏美（きみよし・なつみ）は、かつて暮らしていた街を襲ったガス災害をきっかけに、避難先で新たな生活を始めます。しかし、避難先でも不可解なできごとが夏美を襲い、次第に精神的に追いつめられていった彼女は……！？
ひぐらしシリーズは村社会の閉鎖性がテーマの一つとなっていますが、この外伝は村社会の因果が都市部に染み出してくる恐怖を描いています。伏線の張り方や構成が巧みで、全2巻とは思えないほどの満足感が得られる良作。ひぐらしシリーズに詳しくない方でも楽しめる内容です。どんでん返しのある展開が好きな方にぴったりの作品ですよ。
りんたとさじ（全1巻完結）
日常と非日常が溶け合う青春ホラー！恐怖の切れ味が鋭い連作短編集
【作品情報】
1巻完結の異色青春ホラー連作シリーズ。青年・りんたと少女・さじが、思いもよらなかった恐怖と不条理に直面する物語です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
眼鏡をかけたクールな印象の青年・りんたと、りんたのことが大好きな明るい性格の女の子・さじ。カップルの2人がさまざまな場所で奇妙なできごとに巻き込まれていく連作短編集です。ラブコメ調の雰囲気で始まったかと思いきや、突然崖から突き落とされるような恐怖に襲われる「炬燵の人」をはじめ、どの短編も見事に作り込まれています。
りんたとさじの恋愛模様もこまめに描かれていて、日常と非日常が交錯するストーリー展開が、事態をどんどんねじれた不条理なものにしていきます。ホラー好きはもちろん、恋愛漫画好きにもおすすめの傑作ですよ。
決定版 ゲゲゲの鬼太郎（全14巻完結）
日本を代表する傑作妖怪マンガ「ゲゲゲの鬼太郎」をはじめて一挙掲載する文庫の決定版、刊行開始！あらゆる妖異に立ち向かう鬼太郎の旅がここから始まる！1巻には、南の島で西洋の妖怪と日本の妖怪が決死の戦いに挑む「妖怪大戦争」、天才少年によって大海獣に変身させられた鬼太郎の死闘を描く「大海獣」など、長編を含む全13話を収録。〈収録作品〉手/夜叉/地獄流し/猫仙人/おばけナイター/水虎/吸血木/ゆうれい電車/妖怪大戦争/大海獣/だるま/妖怪城/鏡爺巻頭カラー口絵を掲載。
日本を代表する妖怪漫画！妖怪だけでなく人間の恐ろしさも描いた傑作ホラー
【作品情報】
アニメでもおなじみの、水木しげるの代表作を時系列でまとめた文庫シリーズです。主要作品を網羅しているので、初心者の方にもおすすめですよ。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
実は原作とアニメ版で大きく作風が異なるのが本作、『ゲゲゲの鬼太郎』です。原作の漫画版はアニメとは異なり、勧善懲悪のストーリーではありません。数多くの不気味で奇妙な妖怪が登場しつつも、なんだか憎みきれない奴らばかりでシュールな世界観となっています。
そうはいっても、怖いエピソードは本当に怖い！ 日本各地の妖怪たちが織りなす物語は単なる怪奇譚にとどまらず、人間社会への風刺や教訓も含まれています。作者の妖怪愛はもちろん、人間という生き物への深い洞察も感じられる名作です。
完本 地獄くん（全1巻完結）
知る人ぞ知る伝説的作品！予測不可能な展開がスリリングなホラー短編集
【作品情報】
学習漫画などでも知られるムロタニ・ツネ象の伝説的ホラー漫画！ 冷たい正月の海から現れた謎の少年・地獄くんをめぐる物語です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
地獄くんは、罪を犯した悪人のもとに現れておぞましい罰を執行する謎の存在です。次々と奇想天外な現象が起こり地獄くんは悪人を追い詰めていくのですが、その容赦ない攻撃は恐怖をかき立てると同時にとてもエキサイティング！
絵柄からは古い印象を受けるかもしれませんが、ほぼ毎ページ予想外のことが起こるスピード感は、今の漫画にも決して負けないおもしろさです。ホラー漫画ファンの方、疾走感のある短編集を読みたい方には特におすすめの作品です！
口裂け女あらわる！〜昭和怪奇伝説〜（全1巻完結）
誰もが耳にした事がある都市伝説。人から人へとつながるその奇妙な噂話の真相を描いた呪みちるの極上ホラー集！口裂け女の秘密とは？奪い合う程に求められる人気飲料水の原料とは？つまらない日常に飽き飽きしていた少女が手にした地獄を覗ける鏡とは？恐怖から目がそらせない注目の怪奇伝説集！
都市伝説をアレンジした傑作短編集！予想を裏切るまさかの展開に注目
【作品情報】
ホラー漫画界の鬼才・呪みちるの短編集です。都市伝説を題材にした作品が集められています。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
「口裂け女」「黒い清涼飲料水」など、誰もが一度は耳にしたことのある都市伝説や、人々の間で語り継がれる噂話をテーマにしたホラー短編集。噂の真相にたどりついておしまい……というわけではなく、呪みちる流の解釈が加えられ、伝承をひとひねりした結末が待っています。どこかで聞いたことがある話でも、予想外の展開に驚くこと間違いなし。人間の欲望の醜さや残酷さが巧みに切り取られていて、背筋がゾッと冷たくなります。オカルトと現実世界のリアリティの混じり合った世界観が魅力的な、完成度の高い短編ホラー漫画集です！
拝む女
幻想怪奇ホラーの傑作！美しくも静かな恐怖を味わえる名作集
【作品情報】
怪談漫画を多く手がけてきた高橋葉介が、15年間にわたり連載した幻想怪奇漫画を一冊にまとめた作品集です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
猟奇的で、お色気要素もある幻想怪奇漫画30作が収録されている本作。各話に登場する「拝む女」の存在が不気味さを際立たせます。日常の中にに潜む異変や、人間の内面に潜む狂気が巧みに描かれ、読者の心をざわつかせます。作者独特の美麗な筆致と相まって、幻想的でありながらもリアルな恐怖を感じさせる作品です。耽美的な作品、幻想的な作品が好きな方には特におすすめ！
双亡亭壊すべし（全25巻完結）
大正時代より、東京・沼半井町に傲然とそびえ立つ奇怪な屋敷、名を「双亡亭」。立ち入った先で闇と出会ってしまったら、もはや己は己でなくなるだろう。遺恨を辿る者達はその門戸へと導かれ、集い、挑む。おぞましき屋敷を破壊する為に…！！
呪われた幽霊屋敷を破壊せよ！スピード感のある怪奇ホラーアクション漫画
【作品情報】
『うしおととら』『からくりサーカス』などで知られる藤田和日郎の怪奇アクション漫画です！
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
一度入ると人ならざるものになってしまう呪われた屋敷・双亡亭。本作はこの双亡亭をめぐって展開されるいわば「おばけ屋敷もの」です。おばけ屋敷という言葉からはどこか間の抜けたかわいらしい印象を受けるかも知れませんが、侮ることなかれ！ 双亡亭に迷い込んだ人間のおぞましくも痛ましい姿に衝撃を受けますよ。屋敷で巻き起こる怪奇現象はもちろん、ミサイル攻撃でも全く傷つかない双亡亭が描かれるなど、ハチャメチャなアクション要素も満載。双亡亭の底知れぬ恐ろしさと、双亡亭をどうにか壊そうと奮闘する登場人物たちのバトルが両方楽しめる、疾走感のあるホラーアクション漫画です！
禍話 SNSで伝播する令和怪談
夜な夜な奇妙で禍々しい話を語るネットラジオ「禍話」が、漫画化。SNSで多くのファンが漫画や小説作品にした怪談をアップし、人々の間に拡散されている話題の怪談ラジオ。ちなみに、書（描）いた人・聞いた人の身に何が起こってもそれは自己責任なので気を付けてください。今回は、400以上の話から11の恐怖体験を厳選。理解を超えた存在、浅ましき人の情念ーー身の毛もよだつような恐怖を感じられること間違いないでしょう。とある森、地面に刺さった無数のアイスの棒はまるで――『アイスの森』肝試しに行こうとした女子高生の父が見た夢とは――『模型上の死』自責の念にかられる少女に会いに来た、死んだはずの友達は――『で、どうする？』マンションに投函される奇妙なビラから始まる恐怖――『赤い女のビラ』山の中、林間学校中の夜、1人起きていた少女は――『9人いるぅ…！』九死に一生を得たとある夜の出来事――『九死の夜』感染症が流行る前に遭遇した、迷信と妄信の恐怖を描く――『マスク大家族』間違えてはいけない取り決めを破った者への罰とは――『燃やすバイト』決して開けてはいけない襖の向こう、そこから聞こえる音は――『扇風機の家』死んだ母の幽霊を信じる少年と父だけが知る真実――『線香の母』これはあなたの町にもあるかもしれない、とある路地の話――『夜の行列』
令和時代の最先端ホラー！日常をじんわりと侵される恐怖が描かれた傑作
【作品情報】
人気の怪談ネットラジオ「禍話」で語られたエピソードを原作に、オムニバス形式でコミカライズした漫画シリーズです。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
私たちが今まさに生きている、SNSが普及した現代社会に潜む新たな恐怖を描いている本作。ネット上で広がる噂話が現実となる様子や、デジタル時代特有の怪異がリアルに表現され、まさに令和型のホラーと呼びたくなるエピソードが集まっています。
多くのエピソードも日常的なシチュエーションでありながら、徐々に日常とかけ離れた怪奇現象に襲われるようになり、まるで自分もその場に立ち会っているかのような感覚を味わえますよ。心にじわじわと恐怖が染み込んでくるタイプのホラー漫画が好きな方にぴったりの作品です！
【サスペンス】おすすめホラー漫画
この章では、恐怖と謎解きが一体となったホラーサスペンス漫画のおすすめをご紹介します。謎が明らかになっていくスリルと、背筋が凍るような恐怖を同時に味わえる名作ばかりですよ！
奇子（全3巻完結）
手塚治虫のもっとも「黒い」作品！？人間のおぞましさに心をえぐられる社会派サスペンスホラー
【作品情報】
巨匠・手塚治虫による社会派サスペンスホラー。戦後の日本を舞台に、地方の大地主一家の闇と奇子という少女の数奇な運命を描きます。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
手塚治虫作品の中でももっとも複雑でダークな漫画の一つとして知られているのが本作。家族間の複雑な人間関係や戦後社会の混乱を背景に、人間の欲望や狂気がリアルにおどろおどろしく描かれています。物語は、大地主・天外家の秘密を守るために地下の土蔵に幽閉された少女・奇子（あやこ）。『鉄腕アトム』などの明るいイメージで手塚治虫を捉えている人は、人間の心の闇をめぐる強烈な描写に圧倒されることでしょう。巨匠の多面的な才能が光る、一度読んだら忘れられないサスペンスホラー漫画です。戦後日本の混沌とした雰囲気も巧みに描写されているので、戦後史に興味がある方にもおすすめですよ！
変な家
間取り図から始まる不動産サスペンスホラー！ドキドキとゾクゾクが止まらないヒット作
【作品情報】
ベストセラーになった原作小説を漫画化した作品です。2024年には原作小説の実写映画版も公開され話題になりました。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
オカルト専門ライターの「私」が、家の間取り図を建築設計士・栗原に見せるところから物語は始まります。よく見るとそこには正体不明のスペースがあって……！？
一見普通の家の間取りに潜む小さな違和感が、次第に恐ろしい真相へと繋がっていく過程がじわじわと恐怖を引き立てます。一緒に間取り図を見ながら登場人物たちが繰り広げる推理を読み進めていくと臨場感を味わえるので、原作小説や映画版が好きな方にもおすすめです。謎が謎を呼ぶドキドキ感や恐ろしい真相が待ち受けているゾクゾク感がたまらない作品です！
ヒメアノ〜ル （全6巻完結）
人生、黄色信号点灯中！ ゆらゆらと――ヒシヒシと――けっして交わってはならない2つの世界！ ショボくれた青春を送ってきた岡田（おかだ）君。ビル清掃のバイトしかない、モヤモヤした日々。職場の先輩・安藤（あんどう）さんに相談したけど、逆に片思いのお手伝いをさせられる始末。同時期、岡田君の高校時代の同級生・森田（もりた）は、抜け出せない深い闇をさまよっていた――。
隣り合わせの日常と狂気が心を揺さぶる！怖さと切なさが同居した古谷実の傑作
【作品情報】
『行け！稲中卓球部』『ヒミズ』などで知られる古谷実による作品。平凡な青年と連続殺人鬼の交錯を描くサスペンスホラー漫画です。2016年には実写映画化もされました。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
主人公はパッとしない青春を送ってきた平凡な若者・岡田くん。バイト先の先輩の安藤さんにくすぶっている胸の内を明かしたりして、序盤はコメディ調でストーリーが進みます。しかし彼らのすぐ近くで、岡田くんのかつての同級生・森田は、人を殺さずにはいられない自分の歪みと戦っていました。絶対に共感できない、社会にも受け入れられないであろう森田を、それでも完全な悪役としては描かない手つきが絶妙です。森田以外の登場人物の心理描写も見事で、善悪の境界が曖昧になる瞬間に心が揺さぶられます。読後に深い余韻が残る作品、スピード感のある作品を読みたい方におすすめです。
オゲハ（全3巻完結）
少年は未確認生命体をどうするつもりなのか？じりじりと不穏な空気が漂う話題作
【作品情報】
純粋無垢のように見えるものの、いまひとつ何を考えているかわからない少年・キジと、彼に拾われた謎の生物・オゲハの物語です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
中学生の男の子・キジはある日公園で大きな卵を発見。その卵を切り裂き、中にいた奇妙な生物を引きずって家へ連れて帰ります。その生き物を「オゲハ」と名付けて飼い始めたキジですが、行動の端々に無邪気な暴力性をのぞかせます。オゲハもそれを感じ取ったのか、キジのもとを抜け出そうとしますが……。「いつかキジはオゲハを殺してしまうのではないか」という不穏な雰囲気が作中を通して漂い続けていて、ずっとじんわりと怖いタイプの漫画です。わっと驚く衝撃的なシーンはありませんが、少年・キジとオゲハの空気感にリアリティーがあって一気に読み進めてしまいますよ。意外なラストにも注目です！
蔵六の奇病（オリジナル版）（全1巻完結）
奇病を患って生を得た蔵六とその家族、そして忌み嫌う村人たちの恐ろしく、美しく、そして悲しい怪奇物語。全体に民話調が漂い、独特の世界観を描くのに成功している。筆者が1年かけて完成させた代表作。発表当時のオリジナル表紙で配信。
おぞましくも悲しい、民話調のホラー短編集！ホラー漫画好きなら絶対に読んでほしい隠れた名作
【作品情報】
ホラー漫画界の重鎮、日野日出志の代表的作品集です。民話調のエピソードが多く、オリジナル単行本の表紙で電子化されています。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
通好みのホラー漫画として名前があがることも多いのが本作『蔵六の奇病』。表題作は、正体不明の病にかかってしまった男・蔵六が、死を予感しながら自分の体液で絵を描こうとするストーリー。蔵六をむしばむ病気のおぞましさ、蔵六に暴力をふるう村人たちの恐ろしさと、無心に絵を描き続ける蔵六の純粋さが対比され胸に迫る……。暗くむごたらしいのに、どこか美しく目が離せない画面が続きます。他の収録作も一度読んだら忘れられない名作ばかり。1970年代の作品と時代は少々古いですが、ホラー漫画が好きなら一度は読んでほしい作品集です！
岸辺露伴は動かない
杜王町在住の人気漫画家・岸辺露伴。好奇心に溢れ、リアリティを追求する彼が、さまざまな取材先で体験した恐怖のエピソードとは…！？ 『懺悔室』『六壁坂』『富豪村』『密漁海岸』『岸辺露伴 グッチへ行く』の5編を収録。
実写化で話題の大人気シリーズ！バラエティ豊かな怪異を楽しめるサスペンスホラー
【作品情報】
『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ作品。『ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない』に登場する人気漫画家・岸辺露伴が、取材先で遭遇する奇怪なできごとを描いた短編集シリーズです。2025年5月には実写映画第二弾の『岸辺露伴は動かない 懺悔室』が公開予定ッ！
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
アクションのイメージが強いからか、実は『ジョジョ』シリーズがホラー作品でもあることはあまり意識されていないかもしれません。吸血鬼あり、幽霊あり、怪奇現象ありの『ジョジョ』は恐怖体験に満ちています。特に『岸辺露伴は動かない』シリーズは、そのホラー要素に改めて焦点を当てた作品とも捉えられます。1巻に収録されている「六壁坂」や「懺悔室」は妖怪や怨霊に翻弄される人々の恐怖を描いており、じっとり冷や汗が出るような和風ホラーの恐怖のエッセンスが感じられます。『ジョジョ』を読んだことがない方、また実写版を先に見た方でも、サスペンスホラー漫画として存分に楽しめる作品ですよ！
さんかく窓の外側は夜（全11巻完結）
書店員の三角は、昔から不気味なモノを視てしまう体質で、除霊師の冷川にその才能を見い出され、無理やりコンビを組まされてしまう。冷川はすご腕ではあるが、情緒や生活能力に欠けており、お茶出しや「空気読み」など三角の出番は多い。そんな中、ある殺人事件に遭遇し…。日常に潜む恐ろしくかつ不思議な現象を見つけてはズバリ解決☆ 凸凹コンビの霊感エンタメ！
凸凹コンビの除霊ミステリーホラー！除霊を通して深まる2人の絆にも注目
【作品情報】
作者は『違国日記』などで知られるヤマシタトモコ。書店員と除霊師のコンビが、心霊現象や事件の謎を解明していくミステリー・ホラー作品。2021年にはTVアニメ化し、同年に岡田将生・志尊淳を主演に実写映画化もされています。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
霊視体質の三角康介（みかど・こうすけ）は、除霊師の冷川理人（ひやかわ・りひと）にその才能を見込まれ、冷川の助手をつとめることに。2人が除霊の仕事を引き受けながら、ある謎を追いかけていくというストーリーです。彼らが出会う霊的存在は、じわじわと恐怖を伝えるタイプのものが多いです。除霊する行為自体が主人公たちの内面や過去にも深く関わり、2人の内面描写をも兼ねているのが特徴。除霊の過程で明らかになる人間関係の闇や、隠されたおぞましい真実に戦慄が走ることでしょう。三角と冷川の凸凹コンビの絆にも注目で、ブロマンス要素のあるホラー漫画が好きな方には絶対に刺さること間違いなしです！
約束のネバーランド（全20巻完結）
母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。エマ・ノーマン・レイの三人はこの小さな孤児院で幸せな毎日を送っていた。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた。真実を知った彼らを待つ運命とは…！？
恐怖と絶望に立ち向かう子どもたちを描いた、ファンタジー系サスペンスホラー！
【作品情報】
『週刊少年ジャンプ』で連載されていた作品。TVアニメ化、実写映画化など、メディアミックスも幅広く展開された人気作です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
グレイス=フィールドハウスという孤児院で平和に暮らしていた子どもたち。その中でも特に賢いエマは、ある日自分たちが「食料」として育てられている衝撃的な事実に気付いてしまいます。エマは仲間とともに孤児院を脱出する計画を立てることに。正体がつかめない不気味な大人たち、そしてその背後にいる「鬼」……それまで穏やかで優しい世界だと信じていた場所が、自分たちを搾取するための施設だったと知った子どもたちの絶望と恐怖が生々しく伝わってきます。命を危険にさらしながらも、脅威に立ち向かっていく彼らの行く末を見届けてください！
【サイコ・スリラー】おすすめホラー漫画
「どんな化け物より、本当に怖いのは人間」という決まり文句もあるくらい、人間の心の闇は底知れません。この章では、人間の恐ろしさがいろいろなかたちで表出したサイコ・スリラー系ホラー漫画のおすすめをご紹介します！
SUBURBAN HELL 郊外地獄（全1巻完結）
360度パノラマのVRの臨場感に飲まれてゆく男。マッチングアプリで憂さ晴らしする男。忘却の彼方からトラウマを蘇らせる男。何者かわからないものに日常を蝕まれ続ける女。ゾンビの溢れる街でデリバリーに励む男。積年の恨みつらみが臨界点を突破する街……よくある日常の風景がほころぶとき、その僅かな隙間から怪異と狂気に彩られたアメーバ状の恐怖が侵入する！ 令和のホラーコミック界を牽引する蒼き新星の初単行本がついに刊行。
日常にひそむ不安をあぶり出す！緻密な画面が恐怖を増幅させる令和のホラー漫画
【作品情報】
Web漫画サイト「リイドカフェ」で連載され話題を呼んだ、日常の別の姿を描くハードコア・ホラーコミック！
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
VR、マッチングアプリ、デリバリーサービス……現代的な技術や文化の奥底に潜んでいる不気味さをえぐり出す、令和時代のホラー漫画オムニバスです。異様に細かい線と点描で描き出される世界はまるで古いビデオカメラで撮った映像のようで、「何か」が起きる前からざわざわと不安な気持ちにさせられます。現代的な設定や小道具とのギャップも恐怖を加速させるポイントです。事件の真相や人物の行動動機などが説明されることはなく、怪奇的な現象と、それが終わった後の気味の悪さだけが印象に残ります。複雑な読後感のあるホラー漫画が好きな方におすすめです！
血の轍（全17巻完結）
「毒親」との関係を描いたサイコホラー！毒親が生まれる背景にも踏み込んだ力作
【作品情報】
作者は『惡の華』『ぼくは麻理のなか』などで知られる押見修造。いわゆる「毒親」をテーマにした、母と息子の歪んだ関係性を描くサイコ・サスペンスホラーです。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
母・静子からあふれるほどの愛情を注がれ、一見平和で穏やかな日常を送っていた中学生の静一。しかしある事件をきっかけに、静子の過剰な愛情が静一を徐々に侵食していく様子が生々しく描かれています。外部からはうかがい知ることができない「家」という閉鎖的な空間の中で、母が徐々に狂気を加速させ息子を追いつめる様子は息をのむほど恐ろしい……。中盤くらいまではまさにサイコスリラーといった展開が続きますが、終盤では母子の関係が更にもう一段階深まり、悲しみと慈しみが描かれていきます。母を悪者にするばかりではなく、「毒親」になってしまう人の心理に深く踏み込んだ作品です。
ひとりかごめ（全1巻完結）
美少女×怪異ホラー！かわいいけれどしっかり怖い実力派短編集
【作品情報】
美少女と恐怖の漫画家・イラストレーター、雨がっぱ少女群によるホラー短編集です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
さまざまな題材の短編ホラー漫画が収録されていますが、美少女が登場するエピソードが多めです。可憐な美少女キャラクターと、彼女たちに迫るおぞましい怪異との対比は見事！
そして何より目を引くのは、平穏な生活を送っていた美少女たちが怪異の側に行ってしまう・なってしまう瞬間の筆致や絵柄でしょう。かわらしい少女に惚れ惚れして油断していると、崖から突き落とされるような恐怖を感じます。目まいがしそうなこの落差が本作の魅力です。ホラーと美少女の組み合わせが好きな方には絶対に刺さるはず！
黄色い悪夢（全1巻完結）
圧倒的なオリジナリティ！怖すぎて笑いが誘われる奇想ホラー短編集
【作品情報】
リイド社のWebコミックサイト「リイドカフェ」にて連載されていたホラー・オムニバス作品です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
日常と非日常の境界を曖昧にし、現実とも幻想ともつかない不思議な世界へ誘う奇想ホラー短編集です。美女を圧縮袋に入れることが真の芸術だと信じている男や、「人の”上っ面”を剥ぐ」風習が残っている地域の話など、神経をゾワゾワ刺激されるような奇抜でクセになるエピソードばかり。グロテスクな描写もありますが、恐怖はいきすぎると笑いと紙一重になることを感じさせる表現も多くあります。便宜上1巻で完結となっていますが、このシリーズは『黄色い円盤』など別のタイトルで単行本として続いています。独創性あふれるナンセンスな世界観が好きな方におすすめ！
▼『黄色い円盤』はこちら！
復刻版 怪談人間時計
これは’読むドラッグ’である。マニアの間では10万円以上の値段で取り引きされていた奇書「人間時計」が、ついに復刊。もう一つの怪作『猫の喪服』も同時収録で、消えた天才マンガ家・徳南晴一郎の世界が今よみがえる。
通称「読むドラッグ」！精神を直接揺さぶられるような感覚に陥るカルト・ホラー漫画
【作品情報】
マニアの間で珍重されていた昭和のカルト・ホラー漫画の復刻版です。「読むドラッグ」とまで言われた作品です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
なんというべきか……。どんな言葉もこの作品を説明するにはふさわしくないと思えてしまう唯一無二のカルト・ホラー漫画。率直に言って、物語自体はそこまで怖いものではありません。むしろ、読んでいる私たちのほうがおかしくなっていくかのようなある種の「トランス状態」へと誘うような作品です。読みにくいようでかろうじて読める、何が起こっているのかわからないようでギリギリわかる、そういった奇妙で歪んだ画面が延々と続きます。描かれている内容が怖いのではなく、この漫画を読むこと自体が怖いと感じる奇書です。
空が灰色だから（全5巻完結）
思春期の不安定さや心の歪みを見事に表現した、心がざわつくオムニバス短編集
【作品情報】
『週刊少年チャンピオン』で連載されたオムニバス短編集で、10代の女の子たちを中心に、さまざまなキャラクターの上手くいかない日常を描いています。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
基本的には1話完結型のエピソードが連なるタイプの連作集です。必ずしも怖い話ばかりが描かれるわけではなく、ティーンたちの交流をメインテーマにしたかわいらしいエピソードも多数あります。日常も丁寧に描いているからこそ、キャラクターの歪んだ内面があらわになるサイコスリラー的なエピソードが本当に怖い！ トラウマ級のサイコホラー要素がちりばめられているので、その他のシーンにも独特の緊張感が走っています。思春期特有の不安定さや人間関係のもつれをリアルに描写しながら、心の歪みも隠すことなく表現した傑作です。青春ホラーテイストの作品や、鬱要素のあるホラー漫画が好きな方はぜひ！
OMORI
心がズタズタになる青春ホラーゲームを漫画化！今後の展開に期待の注目作
【作品情報】
OMOCAT原作の人気インディホラーゲームを、此糸縫がコミカライズした作品。『月刊アフタヌーン』で連載中です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
引きこもりの少年・サニーが、幼なじみとの再会を機に奇妙な世界へ足を踏み入れるところから物語が始まります。サニーの前に現れた、彼によく似た少年・オモリ。オモリは一体何者なのか？ 現実と幻想が交錯し、何を信じていいのかわからない不安定さ……そんなゲームの魅力を、漫画でも忠実に再現しています。青春の痛みや喪失感、心の闇を深く掘り下げた繊細な描写に引き込まれること間違いなし。胸が引き裂かれそうになる切なさと恐怖を感じる青春ホラーです！
邪図（全1巻完結）
【デジタル版限定！「少年ジャンプ＋」掲載時のカラーページを完全収録！！】恐怖、嫉妬、懺悔、嫌悪、憤怒、激情が奏でる不協和音。読めば最後、貴方も奇々怪界の世界へと誘われる…。さぁ、ようこそ、邪図の世界へ。
個性的な絵柄とシュールで不気味な雰囲気がクセになるホラー連作
【作品情報】
『少年ジャンプ＋』で連載されていた知る人ぞ知るホラー連作！ 独特な絵柄と不穏な空気にぐっと引き込まれる作品です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
「ジャンプルーキー！」出身作家・ブーメランパンツ野郎の連載作品です。荒削りながら勢いのある絵柄はホラージャンルと相性が良く、全体を通してシュールで不気味な雰囲気が漂っています。それにも増して注目してほしいのは、作者本人の感じている不安や恐怖がひしひしと伝わってくること。詳しくはぜひ本編を読んで感じていただきたいのですが、最終話に作者本人を思わせる人物が登場してからは、恐怖のレイヤーが一気に上がります。少し変わったホラー漫画を探している方や、「世にも奇妙な物語」的な雰囲気が好きな方におすすめです。
ウルトラヘヴン
圧倒的な密度で襲いくる幻想に溺れる！一度読んだら忘れられないサイケデリックホラー漫画
【作品情報】
レトロフューチャーな近未来を舞台にしたSF作品で、薬物による精神世界の体験をテーマにした衝撃的なサイケホラー漫画です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
主人公が薬物を通じて体験する幻覚や異世界の描写が圧巻です！ 読み進めるうちに現実と幻想の境界がどんどん曖昧にされていきます。不規則なコマ割りや緻密な描き込みによってさまざまな薬物の効果が漫画的に表現されていますが、特に凄まじいのが題名にもなっている薬物「ウルトラヘヴン」。本当に危ないモノを身体に入れてしまった時の恐怖と酩酊感がとんでもない密度で表現されていて、恐ろしいほどのリアリティーがあります。視覚的なインパクトと心理的な恐怖が融合し、独特の読後感を味わえる本作。ジェットコースターのような疾走感のあるサイケデリックな漫画を探している方にぴったりです！
フランケンシュタインの男
1980年代サイコ・ホラーの傑作！伊藤潤二先生推薦！都市生活に疲れたサラリーマンが、心療内科で少年時代を思い出す「フランケンシュタインの怪物」にご執心のお嬢さんと、禁じられた遊びに興じて…フランケン！フランケン！の怒号とともになだれ込むクライマックスは必見！！恐怖、熱狂、郷愁、お嬢さん、劣等感…全部揃ってます！しかし著者が消息不明！ひばり書房というホラー・マンガ出版の老舗に彗星のように現れて消えた川島のりかず。21世紀に入ってから再評価され古本の価格が急騰。中でも絶筆『中学生殺人事件』は過去に33万円で取引されたこともあります。ながらく復刊が望まれてきましたが著者は消息不明。その生死もわかりませんでした。この度、ご親族の方とコンタクトが取れついに復刻されます！著者略歴や解説などの文章記事も20ページと充実！・編集後記（出版経緯）・川島のりかず略年譜・ホラー・マンガ・コレクター緑の五寸釘氏による、川島のりかず推薦図書・川勝徳重による解説文※電子版は記事に掲載された図版や写真がカラーになります。＜伊藤潤二先生の推薦文＞主人公の身の回りに姿を現す血みどろの少女…「ひばりコミックス怪談シリーズ」ならではの怪奇な導入がそそられます。そして物語はさらに深いテーマへ。望まれない人間が、本来の自分を求めてさまよう物語。それが「フランケンシュタイン」の怪物に重ね合わされ、破滅へ突き進む…恐ろしくも悲しい物語です。（本作は1986年にひばり書房から出版された同名のコミックスの復刻本です。オリジナルは新書判ですが、A5判にサイズを大きくしております。オリジナルをスキャンして復刻しているため、見づらい点もございます。ご了承ください。）
1980年代サイコ・ホラーの傑作！もの悲しく恐ろしい結末を迎えるエモーショナルな作品
【作品情報】
知る人ぞ知るサイコ・ホラーの傑作！ 1980年代に発表され、昨今再評価の機運が高まっているホラー漫画単行本の復刻版です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
都市生活に疲れたサラリーマン・空木鉄雄は、あるときから少女の幻覚を見るようになります。心療内科にかかった彼は、ぽつりぽつりと過去の忌まわしい記憶を語り始め……。「フランケンシュタインの怪物」に執心する少女との禁じられた遊びのトラウマが、現実と幻想の境界を曖昧にしていき、やがて戦慄のラストが訪れます。しかし恐ろしいだけでなく、切なさや悲しさを感じさせる余韻の残る結末です。巻末にはホラー漫画マニア向けの情報も掲載されているので、通にはたまらない一冊となっています。エモーショナルなホラー漫画に興味のある方におすすめです！
ガンニバル（全14巻完結）
村ぐるみの狂気に震えが止まらない！読む手が止まらなくなる骨太サイコホラー・サスペンス
【作品情報】
地方の集落とカニバリズムを題材にしたサイコホラー・サスペンス。実写ドラマ化もされており、2025年3月からシーズン2が配信されています。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
主人公・阿川大悟が、山間の村「供花村」に警察官として赴任してくるところから物語は始まります。その村では次々と不可解な事件が起こり、村人たちも不穏な言動を見せます。「この村の人間は人を食べているのではないか」という疑念が生まれる中、大悟は真相を追って奮闘するが……？
息つく暇もなく奇怪な事件が続き、ヒリヒリと高まっていく緊張感がたまらない！ 村ぐるみの狂気と混沌が重くのしかかる本格サイコホラー・サスペンス漫画です。食人というタブーを題材にしているためグロテスクなシーンも多いですが、ショッキングなだけではなく、次の展開が読めないスリルを味わえる骨太な作品ですよ。
【パニックホラー】おすすめホラー漫画
ゾンビなどのモンスター、大災害、ウイルスなど……とんでもない脅威に襲われる恐怖や混乱を描いたパニックホラーも根強い人気があるジャンルです。この章では、パニックホラーのおすすめ漫画をご紹介します！
アイアムアヒーロー 完全版（全22巻完結）
シリーズ累計発行部数830万部超！ゾンビ漫画の金字塔、「アイアムアヒーロー」が表紙デザインを一新し、連載時のカラーページを復刻、更に最終22巻に80ページを超える渾身の描き下ろしを収録した『完全版』として登場！！新たな結末を目撃せよ！！鈴木英雄、35歳。漫画家のさえないアシスタント生活を過ごす中、悶々とした現実に勝つため時に妄想に逃げ込み、救いであるはずの恋人にも不安と不満が募る。だがある日、気付かぬうちに謎の感染症が蔓延し始め…現実の世界が壊れ、姿を変えていく…！？迷い込んだのは、日常と非日常、平凡と狂気が交差する世界。極私的サバイバルパニックホラーここに開幕！！＜カラー2ページ増量！！＞※本商品は過去に発行されていた商品の収録内容から変更はありません（カラー増量ページ除く）ので、重複購入にご注意ください。
ゾンビ漫画の金字塔！冴えない漫画家が生き残りをかけて戦う王道パニックホラー
【作品情報】
『アンダーニンジャ』でさらなる注目を集めた漫画家・花沢健吾によるゾンビパニックホラー漫画の傑作！ 元々の単行本と異なり、カラーページや描き下ろしを加えた「完全版」です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
主人公はうだつの上がらない35歳の漫画家志望・鈴木英雄。連載も短期間で打ち切りになり、編集者とも上手くいっていない彼が、突如として発生したゾンビパンデミックに巻き込まれ、生き残りをかけて戦うストーリーです。冴えない日常を描いた序盤パートから、徐々にゾンビによるパニック状態に移行していく展開がリアルで本当に怖い！
平凡で平和な日常が無情にも終わっていく切なさと恐怖、ゾンビの不気味さ、絶望的な状況に追い込まれた人間の勇気など、ゾンビ漫画としての魅力が存分につまっています。実写映画版が好きだった方にもぜひ読んでいただきたい作品です！
モンキーピーク（全12巻完結）
未知の巨大猿に襲われる！ミステリー要素も楽しめる山岳パニックホラー
【作品情報】
『ラクガキ〜呪いの館〜』と同じく、原作・志名坂高次＆作画・粂田晃宏のコンビが送るサバイバル・パニックホラー。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
藤ヶ谷製薬社員の早乙女稜は、社員の絆を深めるためのレクリエーション企画に参加します。社員全員で登山をする藤ヶ谷製薬一行ですが、巨大な猿のような謎の化け物に襲われ次々と命を落としていき……！？
水も食料も足りない山中で巨大猿に狙われるという恐ろしい極限状況の中、ギスギスした緊張感のある人間ドラマが繰り広げられます。パニックホラーのだいご味である混沌とした人間関係が展開される一方、巨大猿の狙いや正体をめぐる謎も語られるので謎解きのハラハラ感も味わえます。ミステリーやサスペンスが好きな方にもおすすめできる、山岳パニックホラーです！
ハカイジュウ（全21巻完結）
突然現れる怪物、逃げ惑う人々、極限のサバイバル……パニックホラーのだいご味を全て味わえる名作！
【作品情報】
『月刊少年チャンピオン』で7年にわたって連載された、 パニックホラー漫画の代表作の一つです。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
主人公は将来への希望を燃やしていたバスケ少年の鷹代陽（たかしろ・あきら）。しかし、突如出現した謎の怪物たちが人々を襲い、一瞬で平和だった日常が崩壊します。高密度に描かれた多種多様な怪物たちが次々と登場し、わけもわからず逃げ回る人々……「これぞパニックホラー！」と言いたくなるような息つく暇もない展開が続きます。逃げ場のない状況下での極限のサバイバル状態。容赦のない残酷な描写と予測不可能な展開に、否応なしに心拍数を上げられる恐ろしい作品です！
渋谷金魚（全11巻完結）
平凡で、冴えない毎日を過ごす少年・月夜田初。その予定調和な日常は突如として終わりを告げる…。大都市・渋谷に大量発生した‘人喰い金魚’！ 大きい‘金魚’も小さい‘金魚’も、人を喰って、喰って、喰いまくる！！ ハチ公も、スクランブル交差点も、センター街も。渋谷に襲い来る未曾有の大パニック！！ 覚悟を決めろ。絶望に挑め。史上最悪の生存競争が始まる！！！
人喰い金魚の大量発生！？本能的な恐怖に支配される金魚パニックホラー
【作品情報】
突如渋谷に現れた人喰い金魚に人類が襲われる、斬新なパニックホラー漫画です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
主人公は映画鑑賞が趣味の平凡な高校2年生、月夜田初（つきよだ・はじめ）。彼が渋谷を訪れたその日、なんと巨大な金魚が突然出現し人間たちを襲いはじめるというショッキングなストーリーです。
人喰い金魚が人間を捕食するシーンや、恐怖に駆られ逃げ回る人々の描写がとにかくすさまじい……！ 金魚のどろんとした大きな黒目が不気味で、理屈ではない生理的な恐怖を感じます。。どうにもならない絶望的な状況から、果たして人間は生き延びることができるのか。最後まで一気読みしたくなる作品です。
マオニ
ゾンビ×ギャルの新感覚パニックホラー！リーダーを失ったギャルたちの行く末は？
【作品情報】
作者は『アマゾネス・キス』などの意志強ナツ子。ゾンビ禍に見舞われた世界でサバイバルするギャルたちをテーマにした作品です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
ゾンビが徘徊する世界で生き残るために奮闘するギャルたちの姿が描かれています。リーダー・真央を中心に楽しい青春を満喫していた7人組「マオセブン」。しかし、ゾンビ襲来の混乱のなかで真央が行方不明になってから、残された6人の信頼関係にはヒビが入り……。「サバイバル状態になったとしても人間はいきなり実践的に行動できるわけではない」という、どこか突き放した視点から描かれるギャルたちの生きざまに説得力があります。また、リーダーが消えたギャルたちの間に漂う緊張感も非常にリアル。今後の展開に注目したい、新感覚のゾンビパニックホラーです！
エンブリヲ（全3巻完結）
とてつもない量の虫に本能的な恐怖を感じる、通好みのパニックホラー漫画
【作品情報】
小川幸辰による虫をテーマにしたパニックホラー作品。とにかく虫が大量に登場するので、苦手な方は閲覧注意です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
主人公は虫好きで生物部に所属する女子高生・エリ子。ある日エリ子は学校の裏の森で奇妙なイモ虫に首を刺されます。その日の放課後、あやしい行動が多く悪い噂が立っている図書館司書の安房（あわ）に襲われてしまいますが、どこからともなく無数のイモ虫が現れ、なんと安房を噛み殺します。それ以来、次々と人間が虫に襲われる事件が発生するようになりますが、どうやらエリ子と関係があるようで……？
ページを埋め尽くす信じられない量の虫に本能的な恐怖を刺激される本作。パニックホラー好きで虫が苦手ではない方は、ぜひチャレンジしてみてください！
サユリ 完全版（全1巻完結）
次々と家族が殺されるパニックホラー展開から一転！人間の反撃が爽快な異色作
【作品情報】
押切蓮介による傑作ホラー漫画に、描き下ろしエピソードを加えた完全版。2024年に公開された映画版も大きな話題を呼びました。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
念願の一戸建てに引っ越してきた神木家。しかし幸せも束の間、新居に取り憑いている怪異によって、次々と襲われ命を奪われていきます。家族が一人また一人と姿を消していく中、頑固者で家族の中でも浮いていたおばあちゃんが立ち上がり……！？ 怪異に対してなすがままになる前半パートは恐怖心でいっぱいになりますが、怪異に立ち向かっていく後半の急転直下が爽快で非常におもしろい名作です。呪いに向かって正面から喧嘩を売る、異色のパニックホラー漫画！ 映画版が好きだった方は原作との違いもお楽しみくださいね。
アデライトの花
毎回クライマックス！！ 全員が曲者！！ 名家ハント家に南の国から嫁いできたアデライト。だが花婿にはすでに妻と娘がいた。アデライトは2番目の妻としてハント家にとどまり、やがて息子を出産。その子が成長した頃、次々と人が死んでゆく謎の病気が蔓延する。
クセ強の人物たちの人間ドラマが重たい余韻を残す、感染パニックホラー
【作品情報】
『チキタ★GUGU』などで知られる幻想怪奇漫画の名手・TONOが「Nemuki+」で連載中の、感染パニック漫画です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
主人公は、遠い南の国から名家ハント家に嫁いできた娘・アデライト。泥沼のような一家の確執に翻弄されるなか、アデライトが運んできたとされる伝染病「花の病」が、家族を越えて国中を襲います。その内面を反映しているかのように動物の姿で描き出されるクセの強い登場人物たち、男女関係や親子関係の絡まり合う複雑怪奇なコミュニケーション……。感染を契機に本性をあらわにするキャラクターたちの姿はずっしりと重たい余韻を残します。読み応えのある作品が好きな方、サイコ・スリラー要素もあるような人間ドラマが好きな方に強くおすすめします。
真説 ザ・ワールド・イズ・マイン（全15巻完結）
本能のままに暴力を振るい続ける、狂気じみた謎の男 モン。そのモンに憧れ、破壊行動に協力する爆弾魔 トシ。旅を続けながら二人は爆破テロを繰り返す。時を同じくして、巨大な熊のような謎の怪獣「ヒグマドン」が突如日本に出現、圧倒的な力で人々を殺戮していく…。多くのアーティストやトップ・クリエイターから絶賛を浴びる現代最大最凶のバイオレンス巨編が、大幅な加筆修正を加えた「真説」として新生！
人間と巨大生物、2つの暴力が交差する！バイオレンスパニックホラー
【作品情報】
過激な暴力描写と深い人間ドラマが特徴。連載版や単行本版に大幅な加筆修正を加えた「真説」版です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
理由なき殺人を繰り返す2人の青年と、突如出現した巨大生物「ヒグマドン」による無差別な破壊行為という、2つの脅威が並行して描かれていきます。片方だけでも大変なのに、両方が同時に起きているせいで社会はまさに大パニック状態！ 連載当時の社会背景も盛り込み、人の精神の暗いところまで踏み込んだ物語が、バイオレンスと絡み合いながら深い世界観を作り上げています。何が何だかわからないまま暴力に飲み込まれていく恐怖を味わえる作品です。
【その他】おすすめホラー漫画
最後に、この章では他の章に分類できない懐の広さを持った作品集や、怪談や妖怪をテーマにしているホラーギャグ漫画などをご紹介します。ホラー漫画の裾野の広さをお楽しみください！
関よしみ傑作集（全12巻完結）
ありとあらゆる恐怖がここにある！ホラーな少女漫画が好きだった全ての方へ
【作品情報】
ホラー漫画家・関よしみの短編作品を集めたコレクションです。さまざまなジャンルのホラー漫画が収録されています。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
少女漫画雑誌を購読していた経験のある方は、夏になるとホラーの短編読み切りが載っていた記憶がありませんか？ この作品集に収められているのは、必ずしも少女雑誌に載ったものばかりではありませんが、少女漫画誌に掲載されていたホラー短編の上質なものが揃っているという風にイメージしてもらえればわかりやすいかもしれません。かわいらしい絵柄ながら、鳥肌が立つような恐怖心をかき立てられるエピソードが多いです。悪いことは言わないので、ホラー漫画が好きな方は最初の巻の冒頭作「マッドハウス」だけでも読んでみてください！
レッツゴー怪奇組
「ハーーーッ！！」怪奇組、待望の書籍化！人間を脅かす幽霊や妖怪の元締め「怪奇組」組長メチャ子と、無類の怖がり男子が繰り広げる怪異コメディがついに単行本に！「オモコロ」連載エピソードを著者監修のもと再構成。「ゲッサン」に出張掲載された幻の’番外編’と、この本でしか読めない描き下ろし新作も特別収録します。’恐怖’に対し相反する感情をもつ2人を待ち受けるのは「十三階段」「呪いの人形」「口裂け女」そして「ドッペルゲンガー」！！
怖がりすぎる主人公の反応がおもしろい、ゆるっと笑える怪奇コメディ！
【作品情報】
『オモコロ』連載のホラーコメディ。連載時から再構成し、描き下ろしエピソードも追加されています。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
主人公のとても怖がりな男子高校生（主人公なのに名前が不明）は、大して怖くないものでも「ハーッ！」とよくわからない悲鳴を上げてひっくり返ってしまうほどのビビリです。そんな主人公がお化けの元締め「怪奇組」の組長・メチャ子と出会い、次々と怪異と出会うことに……なるのですが、全体的に恐怖心を覚えるほどのものではないのでした。怪奇現象を題材にしたオフビートなギャグ漫画です。ホラー漫画のよくあるネタでゆるーく笑いたい方におすすめです！
スイカ （全4巻完結）
シュールでオシャレな怪奇現象コメディ！かわいい絵柄のホラーギャグ漫画を読みたい方に
【作品情報】
『good!アフタヌーン』で連載され、2024年末に最終巻が発売されたばかりのシュールなホラーギャグ漫画です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
オカルトな噂が絶えない高校に赴任してきた関西人教師・園。教室に入って早々、高校の百七不思議の一つである謎の少女・物部スイカがダラダラしているのに出くわします。普通に怖いことが起こっているのに、園のキレキレな関西弁ツッコミや、なぜか英語で書かれるオノマトペが、怪奇現象をテンポの良いギャグにしてしまいます。絵柄もオシャレでかわいくて読みやすいですよ。シュールでセンスフルなホラーコメディを探している方にぴったりの作品です！
見える子ちゃん
恐怖と笑いのバランスが絶妙！女の子がお化けをシカトし続ける新感覚ホラーコメディ
【作品情報】
現在『ComicWalker』で連載中のホラーコメディ。2025年6月に実写映画の公開が予定されています。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
突然、見えてはいけないものが見えるようになってしまった女子・みこ。彼女が選んだ対処法は、なんと「無視」！ 異形の存在に遭遇しながらも、見えていないふりをしてやり過ごす様子が描かれています。高い画力で描かれる怪異は冗談抜きで怖いですが、スルーされ続ける彼らの姿はなんだか間抜けでおもしろい。恐怖と日常のギャップが生み出すシュールな笑いが特徴で、ホラーとコメディのバランスが絶妙な作品ですよ。しっかり怖いホラーギャグ漫画を読みたい方におすすめです。
ゾゾゾ変
YouTube総再生回数、1億5000万回以上！ 圧倒的超人気のホラー・エンタテイメント『ゾゾゾ』がついに漫画化！！ 『ゾゾゾ』とは――日本全国の心霊スポットを調査してホラーポータルサイトを作る、という壮大な目標を掲げたホラーエンタテイメント番組である。ヤバすぎる廃村・T集落、関東最恐の廃ホテル・K、かつての殺人事件の舞台・D神社……絶対に行ってはいけない場所に次々と足を踏み入れてしまう落合さん＆ゾゾゾスタッフが遭遇する、戦慄の瞬間――！ 話題作『束の間の一花』の新鋭・タダノなつが描き出す、恐怖と笑いの完全漫画化第1巻！ 巻末には描き下ろし短編も収録。電子限定カラーイラスト収録＆電子限定おまけ付き！！
YouTube発！実在の心霊スポットが描かれるリアルなホラー体験記
【作品情報】
YouTubeの人気ホラーエンタメチャンネル「ゾゾゾ」を、チャンネル視聴者でもあるタダノなつがコミカライズした作品です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
実際の心霊スポット探索をベースに、メンバーたちの体験を描いたホラー漫画です。実在する心霊スポットでの体験を基にしたストーリーが展開され、リアルな恐怖感が漂います。その一方で、メンバーたちのリアクションや会話は妙に生々しく、作り込まれたキャラクターと違ってリアクションが若干芯を食っていなかったり、ちょっとボケたみたいになってしまうことも。それがかえって現実味を増すというユニークな作品です。
伝説のサスペンス＆ホラー ベスト・オブ・恐怖傑作選（全2巻完結）
高クオリティー＆抜群のインパクトで、ホラー漫画誌のトップとなった伝説の「サスペンス＆ホラー」。その作品群から、脳天を直撃する、ギリギリの恐怖作品をセレクト！ 最恐の口裂け女がやってくる……。「口裂け女伝説」犬木加奈子/寝れば寝るほど、人が死ぬ……。「悪夢へいらっしゃい」関 よしみ/つまらない日常から逃げ出した先は……？ 「逃げても、逃げても」井口かのん/ヘッセも仰天！の、文芸（？）ショート。「ある朝、起きたら」谷間夢路/ほか、震えが止まらない7編を収録！【著者一覧】犬木加奈子/関 よしみ/井口かのん/谷間夢路/蕪木彩子/かずはしとも/日野日出志
あの『サスペンス＆ホラー』の傑作選！ホラー漫画好きなら読んで損なし
【作品情報】
ホラー漫画好きの間で名をはせた、伝説の漫画雑誌『サスペンス＆ホラー』の傑作選です。
【ここが怖い！書店員イチオシポイント】
犬木加奈子、関よしみ、日野日出志など、ホラー漫画界のレジェンドたちによる傑作短編が集められています。各作家の個性が光る短編が集められており、短いながらも強烈なインパクトを残すストーリーが満載です。心霊あり、オカルトあり、パニックホラーありと、ここまで紹介してきたホラーの全てが詰まっています。最後に言うのもなんですが、ここまで記事を読んでも何から読もうか決まらなかった方は、ひとまずこの作品集から読んでみるのがおすすめです！
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1位：光が死んだ夏
2位：伝説のサスペンス＆ホラー ベスト・オブ・恐怖傑作選（全2巻完結）
3位：アイアムアヒーロー 完全版（全22巻完結）
4位：不安の種＋
5位：変な家
終わりに
ホラーと一口に言っても、さまざまなジャンルがあります。この記事では幅広いジャンルのホラー漫画をご紹介しているので、きっとあなたのお気に入りも見つかるはずですよ。
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