DMMブックス公式Xが展開するソーシャルマガジン「#本とーく」から、今回は鬼ノ仁先生のスペシャルインタビューをお届けします。『一級建築士矩子の設計思考』裏話や制作秘話をたっぷり聞きました!
※インタビューはDMMブックス公式Xに投稿したものと同じ内容です。
『一級建築士矩子の設計思考』の裏話
ーーー『一級建築士矩子の設計思考』は設計事務所と立ち呑み(お酒)という珍しい組み合わせがテーマになっているお話ですが、描こうと思ったきっかけなどはありますか?
鬼ノ仁先生:20代に設計事務所に勤めていたことから、いつか設計漫画を描ければいいなと思っていましたが、建築は年を取らないと説得力が出ないので50過ぎるまで待ってようやく描けるようになったかなという感じです。設計事務所には部外者がふらっと来ないので、医療漫画みたいに「先生!急患です!」って見ず知らずの患者がいきなり現れてドラマが始まるという技が使えないので誰でもふらっと事務所に来るような工夫が必要だなと思って考えた結果が立ち呑みでありお酒です。
ーーー『一級建築士矩子の設計思考』でお気に入りのシーンやエピソードはありますか?
鬼ノ仁先生:8話で探偵のごとく歩き回りながら理事長を追い詰めるシーンでしょうかね。
ーーー作中では建築に関する専門的な話題が多く登場しますが、図を使ったりセリフで説明していて建築初心者でもわかりやすいなと感じています。専門的な話題を入れる際に気をつけていることなどはありますか?
鬼ノ仁先生:わかりやすさは本当に気を使うところで、専門家が得意顔で難しそうなことを話して終わるような漫画には絶対したくないなと。ほんとに読めば分かる、というのを考えて描いてるつもりです。ただ、連載開始に狙っていたのは矩子と同じく建築設計を生業にしてる人たちをまずはファン層として掴みたいなということでした。仕事として設計をやってる人たちが評価してくれれば一般読者も「どうやらこの漫画は信用していいらしいぞ」となってファン層が拡大していくだろうと。なので本業の人が読んでも面白くしたい、簡単すぎてもよくない。でも一般読者もわかるように……となるとやっぱり難しい。毎回悩んでます。
ーーー矩子の事務所には色々な人がきますが、生み出すのが難しかったキャラクターはいますか?
鬼ノ仁先生:3話で社会見学で矩子の事務所に姉妹が来る回があるんですが、最初は「社会見学で来た子に設計事務所で何をやってるか説明すればいいんだな、簡単だな」と思ってたんですが、これが全然面白くならなくて100枚くらいネーム描いた結果、結構複雑な構造を持ったものになりました。難しかったキャラというかストーリーでしたね。
ーーー建築に関するお話に加え、たくさんのお酒や料理も登場します。どれも美味しそうで、キャラクターの表情からも美味しさが伝わってくるのですが、作画で気をつけていることや工夫していることがあれば教えてください。
鬼ノ仁先生:頭を使った後って飲食が美味しく感じると思うんです。正直料理描くのは得意じゃないんですが、美味しそうに見えるとすれば、多分建築ネタで頭を使ったからです。
ーーー会話から家の形を当てたり、建築士ならではの思考で事件を推理する回があるのは、この作品ならではだと思います。こういったネタはどうやって作っているのでしょうか?お答えできる範囲で教えていただけると嬉しいです。
鬼ノ仁先生:推理小説は好きで布団に入りながら読んでます。理想はよく出来た推理小説みたいな漫画を描ければいいなと思ってるのですが、やっぱりなかなか難しくて……家の形を当てるネタも「矩子、それちょっと弱くないか?」と本人は思いつつ、いや、このくらいでいいのかなと思ったり、一般読者が面白いと思うものは専門家からすればちょっと簡単くらいのものなのかなとも思ったり、いやほんとネタ出しは難しいです。
ーーーご自身も「一級建築士」「一級建築施工管理技士」の資格をお持ちとのことですが、建物で注目して見てしまう部分などはありますか?
鬼ノ仁先生:一見して面白そうなポイントがある建物がいいですね。
ーーー矩子の事務所に行ったらどんなお酒を飲みながら、どんなお話をしたいですか?
鬼ノ仁先生:10話に出てきた吟田川(ちびたがわ)のカンを飲みつつ「今日も吹雪いてるねぇ」って感じがいいんじゃないですかね。
鬼ノ仁先生の執筆秘話
ーーー先生ご自身のことについてもお伺いできればと思います。漫画を描き始めたのはいつ頃ですか?また、漫画家になろうと決めたきっかけなどはありますか?
鬼ノ仁先生:初めて漫画を描いたのは26歳くらいです。同人誌ですね。デビューのきっかけはNAS-O先生の同人誌に呼ばれて描いたことから先生の編集さんが他の編集さんを紹介してくれて……という感じです。流れに任せて生きてきたら漫画家になってました。
ーーー執筆活動をしていて、印象に残っている出来事はありますか?
鬼ノ仁先生:そりゃ打ち切りでしょうね。あれはきつい。でも打ち切りがあるから頑張れるってのもあるので、食らっといたほうがいいですね。
ーーー執筆や作品のネタを考える際になくてはならないものや手放せないものはありますか?
鬼ノ仁先生:日経アーキテクチュアはエロ漫画やってた頃もずっと定期購読してます。最近は昔のGAとか新建築とかを古本で買ったり。紙の本がいいですね。
ーーー作品の執筆時に行っているルーティーンがあれば知りたいです。
鬼ノ仁先生:朝5:45に目覚ましが鳴ったらポケモンGOを起動して近くのジムに攻撃しかけて奪います。奪ったら二度寝、最近は7:40に起きます。うちは水槽があって、メダカとネオンテトラとゴールデンアップルスネールがいるのでそれの世話して飯食って仕事は朝10時〜夕方6時です。寝るのは11時くらいですが寝付きが悪いので眠くなるまでキンドルで読書。徹夜は体質的に無理なのでしません。
ーーー今後描いてみたいジャンルやテーマはありますか?
鬼ノ仁先生:あとはずっと建築もので生きたいですね。
ーーー最後に、読者のみなさんへメッセージをお願いします。
鬼ノ仁先生:いっぱい買ってもらえると喜びます!
終わりに
建築好きはもちろん、知識がなくても楽しく読める『一級建築士矩子の設計思考』。今後の展開も楽しみですね!
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